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株式会社TKC

9746東証プライム情報通信業

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株式会社TKC9746

事業内容

株式会社TKCは1966年創業、栃木県宇都宮市に本社を置く東証プライム上場の情報サービス企業。「会計事務所の職域防衛と運命打開」「地方公共団体の行政効率向上」という創業来の二大事業目的を堅持し、TKC全国会(税理士・公認会計士1万1,600名)と連携した会計事務所事業(売上高構成比約63%)、地方公共団体向け行政DX支援事業(同約33%)、印刷事業(同約4%)の3セグメントで構成される。

80万件超の顧客にクラウドサービスを提供し、自社データセンターを基盤に24時間365日体制で運営する。

ビジネスモデル

コンピューター・サービス(クラウド利用料)とソフトウエア・ライセンス料を主軸とするストック型収益が収益の根幹を形成する。TKC全国会との密接な連携により会計事務所を経由して関与先中小企業へシステムを普及させるチャネル戦略を採用。

地方公共団体向けは標準準拠システム移行需要を取り込みつつ、移行完了後もサブスクリプション型ソフトウエア利用料で継続収益を確保する構造。ハードウエア販売はPC更新・サーバ導入需要に応じた一時的収益として機能する。

企業の強み

当期(2025期)の営業利益は16,142百万円、経常利益・当期純利益ともに12期・11期連続で最高益を更新。自己資本比率83.6%、インタレスト・カバレッジ・レシオ39,612倍と財務健全性は極めて高く、無借金経営に近い状態を維持している。連結ROEは11.5%と自社目標(11%以上)を達成。

法人電子申告システム等は資本金1億円超の企業の約46%に採用。日本の上場企業市場シェアは44%に達し、売上高トップ100社の94社(94%)が当社システムで税務申告を実施。TKCローライブラリーは約2万7,500機関・7万IDの登録を誇り、法曹・アカデミック市場でも高いプレゼンスを持つ。

税理士・公認会計士1万1,600名が組織するTKC全国会との密接な連携により、会計事務所経由で関与先中小企業32万7,000社へシステムを普及させる独自チャネルを構築。TKCモニタリング情報サービス(MIS)は498金融機関に採用・利用件数36万件超に達し、金融機関・中小企業・会計事務所を結ぶエコシステムが競合の模倣を困難にしている。

エンヴァリスの着眼点

当中間期の大幅増収増益(売上高+19.4%、営業利益+28.2%)は、地方公共団体事業部門における96団体のガバメントクラウド移行支援(コンサルティングサービス売上高+1,029.1%)という一時的な「標準化特需」が主因である。顧客164団体すべての移行が令和8年3月末に完了したことで特需は収束し、第61期(令和9年9月期)は連結売上高82,200百万円(前期比△3.9%)と減収が計画されている。

反動減の規模と恒常的事業基盤の成長速度のバランスが今後の最大の注目点である。

会計事務所事業部門の当中間期営業利益は5,443百万円(前期比22.2%減)と大幅に落ち込んだが、会社側は限界利益率が概ね前年同期並みを維持していると説明しており、業績連動賞与の引き上げおよび採用強化による人件費増が主因である。外部要因として、DX需要・電子帳簿保存法・インボイス制度対応等のIT投資需要は引き続き旺盛であり、クラウド移行加速によるストック収益の積み上げが中長期的な収益回復を支える構造は維持されている。

第61期は標準化特需の反動減で減収となる一方、第62期計画では売上高83,900百万円(+2.1%)・経常利益17,350百万円(+1.5%)への回復が示されている。回復の前提となるのは、ガバメントクラウド運用管理補助業務(サブスクリプション型)、スマート行政DX関連SaaS(かんたん窓口130団体・スマート申請70団体・コンビニ交付280団体)、令和8年9月開始の公金納付デジタル化対応、TASKクラウド公会計システム(410団体採用)の機能拡充といったストック収益の積み上げ速度であり、これらの進捗が株価評価の分岐点となる。

成長戦略

クラウド移行加速・行政DXストック収益積み上げ・AI駆動開発体制への転換

スタンドアロン版からクラウド版への移行が順調に進行し、FXシリーズ利用社数は33万5,000社超。令和8年2月にJIIMAによるデジタルシームレスソフト法的要件認証(国内第1号)を取得し、証憑発行から電子申告・納税までの一気通貫処理の競争優位を確立。

電子帳簿保存法・インボイス制度対応需要を取り込み、新規利用拡大を図る。

顧客164団体(48市・99町・17村)の標準仕様準拠システムおよびガバメントクラウドへの移行を令和8年3月末に完了。移行後はガバメントクラウド運用管理補助業務(サブスクリプション型)、TASKクラウド公会計システム(410団体採用)、各種SaaS(かんたん窓口130団体・スマート申請70団体・コンビニ交付280団体)のストック収益積み上げを成長ドライバーとして位置付ける。

令和8年1月に全エンジニアへAIコーディングアシスタントのライセンスを付与し、体系的研修とハンズオン支援を繰り返しながらAI駆動開発体制への転換を推進。令和8年7月以降、会計事務所事業部門提供システムへのAIエージェント順次搭載を予定しており、業務革新支援による付加価値向上と開発生産性の向上を図る。

グループ通算申告システムはグループ通算制度採用企業の80%超が利用。令和9年4月から上場企業に強制適用される新リース会計基準(企業会計基準第34号)への対応支援として、ファーストアカウンティング社との協業によりリース判定自動化から会計・税務申告まで一気通貫を実現するFAManagerの販売促進を強化。

令和8年3月には「e-TAX事業所税」を新たに提供開始。

最終更新: 2026年7月17日