事業内容
セコム株式会社は1962年設立の日本初の警備保障会社を起源とし、現在は連結子会社148社・持分法適用関連会社17社を擁する大規模グループを形成する。中核のセキュリティサービス事業(連結売上高の約52.6%)を筆頭に、防災・メディカルサービス・保険・地理空間情報サービス・BPO・ICT・不動産賃貸等の7セグメントを展開。
国内の法人・個人顧客に加え、18の国と地域で事業を展開し、「安全・安心・快適・便利」な社会を実現する「社会システム産業」の構築を企業理念として掲げる。2026年3月期の連結売上高は1,256,896百万円と過去最高を更新した。
ビジネスモデル
主力のセキュリティサービス事業では、センサー・通信・緊急対処を一体化したセントラライズドシステムの月額契約(セキュリティ契約収入555,133百万円)がストック型収益の根幹を成す。これに常駐警備・安全商品販売等のフロー収益が加わる。
防災・保険・BPO・ICT等の周辺事業はセキュリティ顧客基盤とのクロスセルや独自の専門性を活かして収益を多層化し、グループ全体で安定的かつ複合的な収益構造を実現している。
企業の強み
1962年創業以来、国内初のオンラインセキュリティシステム開発・販売を積み重ね、セキュリティ契約収入555,133百万円(2026年3月期)を積み上げた。月額課金型のストック収益は解約率が低く、価格改定(値上げ)効果も加わり、同期の外部顧客売上高は前期比4.3%増と安定成長を継続している。
セキュリティ・防災・メディカル・保険・地理空間情報・BPO・ICT・不動産の7セグメントが相互に顧客基盤・技術・ブランドを共有する。2026年3月期は全セグメントが増収を達成し、営業利益は160,333百万円(前期比11.1%増)と過去最高を更新。特定事業への依存度が低く、景気変動への耐性が高い。
2026年3月期末の自己資本比率は58.9%、有利子負債残高は687億円に対し現金及び現金同等物は406,675百万円を保有。キャッシュ・フロー対有利子負債比率は0.3年、インタレスト・カバレッジ・レシオは138.4倍と財務健全性は極めて高く、M&Aや設備投資への機動的な資金配分が可能な状態を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期1,049,859百万円から2026年3月期1,256,896百万円へ5期連続増収(年平均成長率約4.6%)。営業利益は2023年3月期に一時的に低下(136,700百万円)した後、2024年3月期以降は回復基調が続き、2026年3月期は160,333百万円(前期比11.1%増)と過去最高を更新。
営業利益率も12.0%から12.8%へ改善。外部要因として、価格改定(値上げ)効果によるセキュリティ契約収入の単価上昇、自然災害の少なさによる保険事業の損害率改善が業績を押し上げた。
一方、米国等の投資事業組合運用益が21,202百万円から8,842百万円へ急減し、経常利益の伸びは4.0%増にとどまった。2027年3月期は売上高1,313,500百万円(前期比4.5%増)・営業利益165,500百万円(同3.2%増)を予想する一方、経常利益・当期純利益は減益予想。
成長戦略
「2040年ビジョン」のもとプロアクティブ安心サービスへ進化、DX・海外・M&Aで成長加速
2026年5月に「セコムグループ2040年ビジョン」を策定。インシデント前の予兆を捉えるプロアクティブ(事前対応型)サービスへの進化を掲げ、データ・技術・知見と「人とテクノロジーの融合」を組み合わせた「あんしんプラットフォーム構想」を推進。中期的な事業変革の方向性を明確化した。
セキュリティロボット「cocobo」が2025年3月に遠隔操作型小型車の適合審査に合格し、警備会社提供ロボットとして初めて公道走行が可能に。人とロボットの融合による高度なセキュリティを多様な場所に提供。顔認証機能搭載「セコム・ホームセキュリティNEO」等の新機能追加による家庭向け拡販も継続。
2025年10月にデータセンター運営企業等を主要顧客とするグローバルセキュリティSI企業AVTEL Holdings Pte. Ltd.を完全子会社化(取得額10,065百万円)。世界各地で建設が相次ぐデータセンター向けに、国・地域を跨いだ統一セキュリティシステムの導入コンサルティング・販売・工事を展開し、海外収益基盤を強化。
2027年3月期は全事業セグメントでの増収を見込み、売上高1,313,500百万円(前期比4.5%増)・営業利益165,500百万円(同3.2%増)を予想。投資事業組合運用益の正常化により経常利益・当期純利益は減益予想だが、本業の営業利益は着実な成長を継続する計画。
2025年5月~11月に約60,000百万円の自己株式取得を実施し、2026年5月に追加取得・消却を決議。2027年3月期の年間配当は120円(前期比20円増配)を予定し、配当性向は45.9%に上昇。
強固な営業キャッシュ・フロー(203,566百万円)を背景に、成長投資と株主還元を両立する方針を継続。
最終更新: 2026年7月19日

