FIT制度の政策転換リスク
当社グループの主力事業であるグリーンエナジー事業は、2012年7月施行のFIT制度に基づく発電事業を営んでいる。政策転換等により既存発電所が同制度の適用を受けられなくなった場合、または新設発電所の調達買取価格が当初計画と乖離した場合、事業計画・業績に重大な影響を及ぼす可能性がある。既存発電所(日田・豊後大野・壬生・新宮)の調達期間・買取価格は認定済みで変更されないが、制度自体の存続リスクは排除できない。
木質バイオマス燃料の供給・価格リスク
木質バイオマス発電所の安定運営には燃料の継続的確保が不可欠であり、燃料製造会社からの調達に依存している。自然災害等の不測の事態による供給中断や、燃料価格の高止まり・著しい高騰が発生した場合、発電量の低下や調達コストの増加を通じて業績に影響を及ぼす可能性がある。燃料は伐採木材・廃材・建築廃材等を粉砕加工したものであり、供給源の多様性確保が課題となっている。
木質バイオマス燃料の品質リスク
木質バイオマス発電所の安定稼働には燃料品質の安定化が重要であり、当社グループは燃料製造会社と契約書・合意書を締結して品質管理を図っている。しかし、規格に満たない品質の燃料供給や異物混入が発生した場合、発電設備に損傷を与え、計画発電量の未達や修繕コストの発生を通じて業績に影響を及ぼす可能性がある。燃料が自然由来であるため品質の均一化には構造的な限界がある。
電力市場価格変動リスク
電力小売事業では、日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格が大きく変動した場合、電力仕入額の増加によりキャッシュ・フローが悪化する可能性がある。また、FIP移行済みの白河発電所においても、JEPX取引価格を参照してプレミアム価格が決定されるため、市場価格の変動が売電収入に直接影響する。当社グループはTOCOMを通じた電力先物取引により一定量の価格変動リスクをヘッジしているが、期末時点での市場価格と先物価格の差が業績・財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
有利子負債依存度の高さ
当社グループは運転資金・設備投資資金を金融機関およびリース会社から調達しており、2025年6月30日現在の総資産に占める有利子負債(借入金)の割合は49.4%と高水準にある。今後金利が上昇した場合、財務費用の増加を通じて業績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。高い有利子負債依存度は金融環境の変化に対する財務的脆弱性を高めている。
シンジケートローン財務制限条項
一部子会社は発電所建設資金調達のためシンジケートローン契約を締結しており、同契約には財務制限条項が付されている。業績悪化等によりこれらの条項に抵触した場合、当該債務の一括返済を求められる可能性があり、当社グループの財政状態に重大な影響を与えるリスクがある。発電事業の収益安定性がローン条件の維持に直結している。
自然災害・不測事故による設備損傷
当社グループが保有する木質バイオマス発電所およびその他事業用設備は、自然災害・人為的ミス・テロ・燃料供給中断等の不測の事態により事業運営に支障を来たす可能性がある。また、所有する山林事業施業地において地滑り・山火事等の災害により林産物が毀損した場合も業績・財政状態に影響を及ぼす可能性がある。設備損傷は計画発電量の未達に直結するため、事業収益への影響は大きい。
電力需給バランス(インバランス)リスク
電力小売事業者は販売電力の需給バランス(販売量と仕入量)の同調を義務付けられており、事前計画値と実際の需給量に乖離が生じた場合、差分精算(インバランス料)が発生する。また、一般送配電事業者との送受電取引において計画値と大幅に異なる電力量の取引が発生した場合も業績・財政状態に影響を及ぼす可能性がある。需要予測精度の向上が収益安定化の鍵となる。
大株主による議決権影響リスク
筆頭株主である日本テクノ株式会社は2025年6月30日現在、当社発行済株式総数の32.58%を保有しており、株主総会での議決権行使が当社のガバナンスに影響を与える可能性がある。当社は同社との協調関係が企業価値向上に資すると認識しており、事業運営上の独立性は確保されているとしているが、大株主の意向が経営判断に影響を及ぼすリスクは潜在的に存在する。
FIT売上総利益率の変動リスク
FIT木質バイオマス発電では、未利用木材・一般木材・リサイクル木材の混合割合によって電力販売単価が変動する仕組みとなっており、バイオマス比率は熱価量・水分量・購入量等により計算される。燃料が自然由来であるためこれらの要素は常に変動し、特定期間の売上総利益率が変動する可能性がある。収益の予測可能性を低下させる構造的なリスクである。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年5月1日

