事業内容
株式会社TBSホールディングスは、1951年設立の民間放送局を源流とする認定放送持株会社。連結子会社62社・関連会社47社を擁し、TBSテレビ・TBSラジオ・BS-TBSを中核とするメディア・コンテンツ事業(売上高の約73%)、雑貨小売・化粧品・知育教育を束ねるライフスタイル事業(同約23%)、赤坂エリアの不動産賃貸・施設管理を担う不動産・その他事業(同約4%)の3セグメントで構成される。
主要顧客は広告代理店(電通が売上高の24.0%、博報堂が13.1%を占める)であり、コンテンツIPの創出・展開を企業価値の源泉と位置づけている。
ビジネスモデル
地上波・BS・ラジオの放送広告収入を基盤としつつ、TVerを中心とした配信広告収入、映画・アニメ等コンテンツIPの二次利用収入、ライフスタイル事業の小売・教育収入、赤坂エリアの不動産賃貸収入を組み合わせた多層的な収益構造を持つ。政策保有株式の売却資金を成長領域への投資に充当し、デジタル・グローバル・体験(EDGE)領域への拡張を推進している。
企業の強み
配信広告収入は当連結会計年度に143億1千2百万円(前年比18.8%増)を達成し、複数年にわたり高成長を継続している。TVerという業界共通プラットフォームにおいてTBSコンテンツが高い視聴シェアを維持しており、地上波広告市場の成熟を補完する収益源として機能している。
劇場版「TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション」の大ヒットおよびオリジナルアニメ映画「たべっ子どうぶつTHE MOVIE」の公開により、TBSテレビ事業部門売上高は前年比13.1%増の18,792百万円を達成。映画・アニメの二次利用収入も好調で、放送IPを多段階で収益化する体制が実績として確立されている。
不動産・その他事業セグメントは売上高16,888百万円に対し営業利益7,271百万円(営業利益率43.1%)を計上し、グループ全体の収益安定性に貢献している。赤坂エンタテインメント・シティ計画関連投資(当期4,735百万円)が進行中であり、将来的な不動産価値向上も見込まれる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期358,269百万円から2026年3月期424,850百万円へ5期連続増収(CAGR約4.4%)。営業利益は2024年3月期15,175百万円を底に2025年3月期19,465百万円(前年比28.3%増)、2026年3月期24,750百万円(同27.1%増)と2期連続で大幅増益。
主要ドライバーはTBSテレビの広告収入全般の回復(外部要因として国内広告市場の緩やかな回復)とTVerを中心とした配信広告の高成長、コンテンツIP収益の拡大。一方、営業活動によるキャッシュ・フローは10,125百万円と前年23,283百万円から大幅減少しており、法人税等支払額32,823百万円の増加と棚卸資産増加が要因。
2027年3月期は売上高440,000百万円(前年比3.6%増)、営業利益26,000百万円(同5.1%増)を予想している。
成長戦略
中計2026アップデートに基づきコンテンツIP多層展開と資本効率改善を両輪で推進
TVerを中心とした配信広告収入は2026年3月期14,312百万円(前年比18.8%増)と高成長継続。㈱WACULの連結化によりデジタルマーケティング領域への展開も強化。有料配信は海外配信作品数の差等で減収となっており、グローバル配信ラインナップの拡充が課題。
THE SEVEN US, INC.を新規設立し米国市場への展開基盤を整備。TOKYO BROADCASTING SYSTEM KOREA, INC.等を通じたアジア展開も継続。劇場版「TOKYO MER」等の大ヒットコンテンツを軸に海外二次利用収入の拡大を図る。
やる気スイッチグループの教室数・生徒数増加による増収継続、㈱ビコーズの連結化によるスタイリングライフグループの事業拡充、㈱サンリオやる気エデュテイリングの持分法適用開始。ただし人件費増加等により2026年3月期ライフスタイル事業は増収減益(営業利益2,866百万円、前年比18.2%減)となっており収益性改善が急務。
コーポレートガバナンス・コードに基づく政策保有株式の計画的売却を推進。2026年3月期に48,882百万円の売却益を計上し、後発事象として2026年4月に追加8銘柄・11,078百万円を売却。
配当性向40%目処への引き上げ、上限360億円の自己株式取得・4,500,000株消却を決議し、資本効率向上を明確化。
赤坂再開発に関連した解体工事費用等(固定資産撤去費2,051百万円を2026年3月期に計上)を先行投資として実施。将来的な不動産価値向上と新規収益機会の創出を目指す。建設仮勘定は前年7,758百万円から12,948百万円へ増加しており、投資が本格化している。
最終更新: 2026年7月19日

