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東京建物株式会社

8804東証プライム不動産業

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東京建物株式会社8804

事業内容

東京建物は1896年創業の東証プライム上場総合不動産会社。ビル事業(オフィス・商業・物流施設の開発・賃貸・売却)、住宅事業(分譲・賃貸マンション「Brillia」ブランド)、アセットサービス事業(不動産仲介・買取再販・駐車場運営)、その他事業(体験型施設・ファンド・海外)の4セグメントを展開する。

連結子会社44社・持分法適用関連会社41社を含むグループ98社を擁し、国内主要都市の大規模再開発から米国・英国・豪州・タイ等の海外事業まで幅広い不動産バリューチェーンを担う。2025年度の連結営業収益は474,586百万円。

ビジネスモデル

自社開発した不動産を賃貸(安定収益)と売却(資産回転収益)に振り分けるハイブリッドモデルを採用。ビル賃貸・施設運営(94,434百万円)が安定基盤を形成しつつ、投資家向け物件売却(ビル不動産売上86,162百万円、住宅不動産売上37,657百万円)が利益を押し上げる。

仲介・買取再販・駐車場運営等のサービス収益がこれを補完し、ファンド事業によるAUM拡大で運用受託報酬も積み上げる構造。中期計画では「賃貸:分譲・売却:サービス=30:60:10」の利益構成を維持しながら資本効率向上を目指す。

企業の強み

2025年度ビル事業の営業収益は220,177百万円(前期比24.7%増)、営業利益は67,059百万円(前期比62.0%増)。建物賃貸面積は1,122,379㎡(前期比83,882㎡増)に拡大し、都心オフィス市場の空室率低下・賃料上昇基調を着実に取り込んでいる。

「グランフロント大阪」「ホテルグレイスリー浅草」等の大型物件売却も収益に貢献した。

アセットサービス事業の営業収益は63,454百万円(前期比15.9%増)。東京建物不動産販売㈱のリテール・法人仲介収益が過去最高を更新し、アセットソリューション(買取再販)の営業収益も19,228百万円から27,314百万円へ拡大。駐車場車室数も86,792室から91,650室へ増加した。

2025年度実績はROE10.4%、D/Eレシオ2.3倍、有利子負債/EBITDA倍率11.4倍、連結事業利益894億円。2027年度目標(連結事業利益950億円、ROE10%)はいずれも2026年度に1年前倒しで達成する見通しであり、計画遂行力の高さを示している。

エンヴァリスの着眼点

2026年12月期第1四半期の親会社株主帰属純利益は5,717百万円(前年同四半期比60.2%減)と大幅減少。主因は住宅事業の分譲売上が235戸・15,952百万円にとどまり、前年同四半期(772戸・57,774百万円)から急減したことにある。

会社側は「業績は概ね計画通り」と説明しており、通期予想(営業利益100,000百万円、前期比4.4%増)に変更はない。住宅分譲は引渡し時期の集中度合いにより四半期間の変動が構造的に大きく、1Q単体の数値のみで通期見通しを判断することは適切でない点に留意が必要。

2026年12月期第1四半期末の有利子負債残高(リース債務除く)は1,469,141百万円と、前期末比123,644百万円増加。支払利息は前年同四半期の2,703百万円から4,110百万円へ52%増加しており、金利上昇局面における財務コスト拡大が経常利益を圧迫している(経常利益は前年同四半期比55.1%減の9,249百万円)。

外部要因として日銀の金融政策正常化が進む局面では、変動金利借入の利息負担増が通期業績に影響を与えるリスクがあり、有利子負債の水準と金利感応度の継続的なモニタリングが求められる。

2026年12月期第1四半期のその他事業では、海外事業において持分法による投資損失を計上し、事業損失43百万円(前年同四半期は事業利益1,169百万円)に転落。持分法による投資損失は営業外費用に436百万円計上されており、前年同四半期はゼロだった。

在外関連会社(タイ・XW/SC系各社)への債務保証残高も合計18,056百万円(前期末13,394百万円から増加)と拡大しており、外部要因として新興国の不動産市況悪化や為替変動が潜在的なリスクとして存在する。海外事業の損益動向と保証債務の推移を注視する必要がある。

成長戦略

「次世代デベロッパーへ」を掲げ、資産回転加速・海外拡大・新規事業確立で2030年事業利益1,200億円を目指す。

都心オフィス・物流・商業施設の開発・売却サイクルを加速させ、投資家向け売却益とストック賃貸収益を同時に拡大。2026年1Qでは不動産売上が20,405百万円(前年同四半期比247%増)と大幅増加し、賃貸面積も1,182,168㎡に拡大。「TOFROM YAESU」等の大規模再開発も進捗中。

「Brillia」ブランドによる都心・郊外の分譲マンション供給を継続しつつ、ZEH-M等の環境性能対応で物件付加価値を向上。2026年1Qは引渡し戸数が235戸にとどまったが、通期では計画通りの引渡しを見込む。住宅賃貸面積は140,471㎡に拡大し安定収益基盤を強化。

アセットソリューション(買取再販)における投資家向け物件売却を拡大し、2026年1Qは6,404百万円(前年同四半期比115%増)を達成。駐車場車室数も91,404室に拡大。仲介件数は254件と前年比減少しており、リテール仲介の回復が課題。

米国・英国・豪州・タイへの参画によるグローバル展開を推進。2026年1Qはその他事業で持分法投資損失を計上し事業損失43百万円に転落。在外関連会社への債務保証残高も18,056百万円に増加しており、海外事業の収益化が急務。

リゾート施設・温浴施設・ゴルフ場等の体験型施設運営事業は2026年1Qで3,703百万円の収益を確保し堅調推移。WonderScape㈱設立による空間メディア事業への参入など新規事業の確立を推進中。

最終更新: 2026年7月17日