事業内容
長瀬産業は1832年創業の化学品・素材専門商社を中核とし、商社・製造・研究の3機能を統合した独自のビジネスモデルを展開する。機能素材・加工材料・電子エネルギー・モビリティ・生活関連の5セグメントを通じ、半導体材料、合成樹脂、食品素材、医薬品原料、エポキシ樹脂等を幅広く取り扱う。
連結子会社75社・持分法適用会社17社を含む106社のグループ体制でアジア・欧米・グローバルサウスに展開し、半導体メーカー・自動車メーカー・食品・医薬品メーカー等を主要顧客とする。2026年3月期の売上高は972,783百万円に達する。
ビジネスモデル
長瀬産業は、グローバルネットワークと専門人材による情報の目利き力を持つ商社機能を基盤に、ナガセケムテックス(エポキシ樹脂・半導体材料)、ナガセヴィータ(食品・医薬品素材)、Prinovaグループ(食品素材)等の製造子会社が付加価値を上乗せする複合モデルを採る。仕入・販売差益に加え、製造子会社の製品マージンおよびサービス収益を積み上げることで、売上総利益率の向上と収益の安定化を図る。
企業の強み
ナガセケムテックスはAI半導体向け変性エポキシ樹脂・液状封止材の生産能力を増強し、次世代パッケージ向け新素材「a-SMC」を開発。SACHEM社アジア事業取得によりTMAH回収・再生事業を国内初で創出。
さらにRapidus向け材料輸送取りまとめ業者に選定され、次世代半導体サプライチェーンの中核的立場を確立している。
Prinovaグループを通じ米国甘味料専門商社・ブラジル香料メーカーを買収しアロマ事業のバリューチェーンを垂直統合。ナガセヴィータは食品素材・医薬品添加剤の製造機能を持ち、2025年7月にはナガセダイアグノスティックスを設立し診断薬酵素技術を取得。
生活関連セグメントの2026年3月期営業利益は前期比187.2%増の9,832百万円を達成した。
前中期経営計画ACE 2.0の最終年度(2025年度)において、財務KGIであるROE8.0%・営業利益447億円を共に達成。株主還元方針を「安定配当」から「継続増配」へ転換し、2021年度54円から2025年度100円へ増配(16期連続増配見込み)。
R&I格付はA+(長期)・a-1(短期)を維持し、財務規律と株主還元の両立を実績で示している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高972,783百万円(前期比+2.9%)、営業利益44,727百万円(同+14.5%)、親会社株主帰属当期純利益33,119百万円(同+29.8%)と全段階利益で増益を達成。売上総利益率は18.3%から19.3%へ改善し、製造子会社の収益性向上が寄与した。
円高推移という外部逆風があったものの、電子・エネルギーセグメントのAI半導体関連需要拡大と生活関連セグメントの急回復が全社業績を押し上げた。2027年3月期は売上高1,000,000百万円・営業利益45,000百万円と過去最高更新を見込む。
成長戦略
半導体・ライフサイエンスの製造機能強化と3セグメント再編による意思決定迅速化
ナガセケムテックスのAI半導体向け変性エポキシ樹脂およびグレーターチャイナ向け半導体材料の販売を継続拡大。2027年3月期エレクトロニクスセグメント売上総利益47,900百万円(前期比+5.7%)を目標とし、将来の事業規模拡大に向けた開発費用も計上予定。
2027年3月期より従来の5セグメントを3セグメントに集約し、各セグメント長への権限委譲を加速。全社共通費用の配賦方法も見直し、報告セグメントの利益測定方法を変更することで意思決定のスピードアップを図る。
2026年1月に米カリフォルニア州にロボティクス・AI等の最先端技術を活用したバイオ研究所を開設し、新素材開発を加速。ナガセダイアグノスティックス株式会社の連結子会社化(負ののれん発生益1,780百万円計上)により診断薬機能も強化。
2027年3月期ライフサイエンスセグメント売上総利益72,490百万円(前期比+9.2%)を目標とする。
継続的な増配と自己株式の機動的取得を株主還元方針とし、3年間でEPS30%成長を目安に設定。2026年3月期ROEは8.0%(前期6.4%)に改善し、目標ROE9%に接近。自己株式取得支出23,037百万円・配当9,604百万円を実施し、株主価値向上を推進。
最終更新: 2026年7月19日

