事業内容
象印マホービン株式会社は1918年創業(法人設立1948年)の家庭用品メーカーで、調理家電製品(炊飯ジャー・オーブンレンジ等)、リビング製品(ステンレスマグ・魔法瓶等)、生活家電製品(加湿器・空気清浄機等)の3事業を主軸とする。国内外に製造・販売子会社を持ち、日本・アジア・北中南米等グローバルに展開。
2025年11月期の売上高は91,151百万円で、国内67.4%・海外32.6%の構成。経営方針「BRAND INNOVATION」のもと、従来の家庭用品メーカーから「食」と「暮らし」の課題を解決するソリューションブランドへの進化を目指している。
東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
国内外の製造子会社(象印ファクトリー・ジャパン、新象製造廠有限公司等)で生産した製品を、国内外の販売子会社を通じて消費者・流通チャネルへ供給する。圧力IH炊飯ジャー「炎舞炊き」等の高単価商品への集中と価格適正化により売上総利益率を改善。
研究開発費994百万円を投じた独自技術(保温・保冷・加熱・断熱)が高付加価値化の源泉となっている。
企業の強み
中期経営計画『SHIFT』(2022〜2025年)の最終年度において、売上高目標90,000百万円に対し91,151百万円、営業利益目標7,200百万円に対し7,436百万円(利益率8.2%)を達成。高単価商品の販売好調と価格転嫁の推進が奏功し、計画超過を実現した。
最上位機種の圧力IH炊飯ジャー「炎舞炊き」は象印史上最高1,400Wの大火力を実現した新製品NX-AA型を開発。オーブンレンジ「EVERINO」も業界初「ツインエンジン構造」搭載モデルを投入し、調理家電製品の売上高は64,384百万円(前期比5.2%増)と全体を牽引している。
2025年11月期末の自己資本比率は75.0%と高水準を維持。現金及び現金同等物は29,568百万円を保有し、営業キャッシュ・フローは9,930百万円を創出。無借金に近い財務体質のもと、配当金3,474百万円・自己株式取得3,400百万円の株主還元を同時に実施している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は77,673→82,534→83,494→87,221→91,151百万円と成長基調を維持。2026年11月期中間期は売上高51,210百万円(前年同期比2.2%増)、営業利益5,212百万円(同7.0%増)と上半期は堅調。
ただし通期予想は営業利益6,600百万円(前期比11.2%減)、経常利益7,100百万円(同14.5%減)と減益見通し。外部要因として円安(前提レートを1ドル=155円に変更)による輸入コスト増加、中東情勢によるナフサ・原材料価格高騰が下期の利益圧迫要因。
国内高付加価値商品の好調と価格転嫁進展が部分的に相殺する構図。
成長戦略
『BEYOND』で2028年11月期売上高100,000百万円・営業利益9,000百万円を目指す
圧力IH炊飯ジャー「炎舞炊き」等の最上位機種を中心に高付加価値商品の販売を強化。オーブンレンジ「EVERINO」の30Lサイズ追加など品揃え拡充も実施。円安による輸入コスト上昇への価格転嫁を進め、中間期の売上総利益率改善(33.9%)に貢献。
2025年9月30日にLin & Partners Distributors Limitedを子会社化し、香港での直接販売体制を構築。自社ブランド以外の商品取り扱いも拡大し、その他セグメントの売上高が前年同期比69.7%増の2,204百万円に貢献。暫定的な会計処理は当中間期に確定済み。
加湿器の需要拡大を捉えた販売強化に加え、サーキュレーターと扇風機を1台で使い分けられる2WAYサーキュレーターを新市場投入。生活家電製品の中間期売上高は3,913百万円(前年同期比12.9%増)と高成長を実現。韓国での加湿器販売伸長も寄与。
2026年2月に象印食堂3店舗目「梅田店」をオープン。炊飯ジャーの商品開発過程で発生する炊飯試験米を原料の一部に使用したアップサイクルビール「ゾウのマイ」を3月に発売し、食品ロス削減とサーキュラーエコノミーへの取り組みを推進。その他売上高の増加に貢献。
米国子会社において米国当局へ関税の還付申請を実施中。当局による審査を経て還付の可否・金額・時期が決定されるため、現時点では不確実であり通期業績見通しには未反映。米国当局は申請対象範囲を段階的に拡大予定で、追加申請も方針として検討中。
最終更新: 2026年7月17日

