事業内容
プレス工業株式会社は1925年創業、東証プライム上場の商用車部品専業メーカーである。当社グループは当社と子会社19社で構成され、フレーム・アクスル・パネル等のトラック用部品を中核とする自動車関連事業(連結売上高の約82%)と、油圧ショベル用キャビン等を手掛ける建設機械関連事業(同約16%)を両輪とする。
主要顧客はいすゞ自動車(売上高比18.7%)をはじめとする国内外の商用車・建設機械メーカーであり、国内複数工場に加えタイ・米国・スウェーデン・インドネシア・中国に生産拠点を展開するグローバル製造体制を有する。
ビジネスモデル
完成車・建設機械メーカーから受注を受け、プレス加工・溶接組立等の一貫生産工程で部品を製造し直接納入する受注生産型ビジネスモデルを採る。コア商品(フレーム・アクスル・キャビン・パネル)に経営資源を集中し、塑性加工成形シミュレーション等の独自技術で差別化を図る。
資金需要は内部資金で賄うことを基本方針とし、余剰資金の一元管理とコミットメントライン契約で流動性を確保している。
企業の強み
いすゞ自動車向け販売高は37,864百万円(売上高比18.7%)、AUTO ALLIANCE (THAILAND)向けは22,193百万円(同11.0%)と主要顧客との長期取引関係が確立されている。受注残高は49,893百万円(前年同期比10.5%増)と積み上がっており、短期的な売上の視認性が高い。
自社構築の塑性加工成形シミュレーション技術により、金型内材料変形過程の模擬・精度不良原因の製品設計段階での特定が可能で、開発期間短縮・コスト削減に実績を上げている。高強度材部品への適用拡大も進めており、顧客から高評価を得た提案が国内外の新規量産部品獲得に繋がっている。
2026年3月期末の自己資本比率は58.0%、純資産合計は134,651百万円と財務基盤は堅固である。有利子負債残高の抑制を基本方針とし、営業キャッシュフロー22,340百万円を確保。中期経営計画で掲げる総還元性向60%以上に対し、当期実績は60.7%を達成した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期160,060百万円→2023期184,844百万円→2024期197,817百万円と拡大後、2025期は189,883百万円(△4.0%)に落ち込んだが、2026期は202,167百万円(+6.5%)と過去最高水準を更新した。営業利益は2026期13,509百万円(+40.0%)と2024期の12,807百万円を上回り回復。
外部要因として、国内普通トラック需要の堅調・北米・アセアン・中国での建設機械需要増加が追い風となった一方、タイ・インドネシアの需要低迷が引き続き重石となった。2027期会社予想は売上高190,000百万円(△6.0%)、営業利益11,400百万円(△15.6%)と再び減益見通しであり、タイ市場の回復遅れが主因とされている。
成長戦略
中計PRESence28のもとコア事業拡大・電動化対応・サステナビリティ推進の3本柱
国内各工場の生産能力増強に加え、米国拠点への新工場設立による北米現地生産化対応を推進。国内商用車メーカー再編を成長機会と捉え、技術開発・提案力で商権維持・拡大を図る。2026年3月期の自動車関連セグメント利益は16,054百万円と前期比21.9%増を達成。
顧客モデルチェンジをターゲットに、油圧ショベル用ミニ/小型キャビン・ホイールローダー・農機産機キャビン等のフルラインナップ化による事業拡大を推進。2026年3月期にセグメント損失から利益945百万円へ黒字転換を達成。中国子会社解散によるグループ事業効率化も進行中。
バッテリー搭載を考慮したフレーム多機能化・EV用アクスル開発を推進。スウェーデン拠点でEV部品の受注・量産を開始済み、タイではEV専用アクスルの量産実績を有しレベルアップ開発を継続。ICE車含む全方位戦略で事業環境変化に対応する。
宇都宮工場での材料投入からロール成形・塗装までの一貫生産ライン新設、協働ロボット導入検討、AI・IoT活用による予知保全推進等を実施。プレス機械刷新・生産ライン再編による生産性向上と人手不足解消を図る。
2050年カーボンニュートラル実現に向けスコープ1・2・3の目標値を設定し、省エネ・グリーン電力導入拡大等を推進。人的資本戦略(エンゲージメントサーベイ実施・やりぬく力醸成研修)、人権デューデリジェンス、CFO傘下へのIR専門組織設置によるコーポレートガバナンス強化を実施。
最終更新: 2026年7月19日

