事業内容
三菱自動車工業は1970年に三菱重工業から独立し、自動車・部品の開発・生産・販売および金融事業を営む。連結子会社35社・持分法適用関連会社16社で構成され、国内では普通・小型乗用車・軽自動車を生産、東日本・西日本三菱自動車販売等を通じて販売する。
海外ではタイ・インドネシアに生産拠点を持ち、アセアン・オセアニア・中東・欧州・北米など世界各地に販売網を展開する。主力商品はアウトランダー(PHEV)、トライトン、デスティネーター等のSUV・ピックアップトラックであり、2026年3月期の販売台数は960千台、売上高は2,896,536百万円に達する。
日産自動車との戦略的アライアンスを通じ、プラットフォーム共用・電動技術開発・購買効率化を図っている。
ビジネスモデル
自動車事業が売上高の約99%を占め、完成車・KDパックの卸売りが主収益源。国内販売会社網と海外現地法人・ディーラー網を通じて最終顧客に届ける。
金融事業では三菱自動車ファイナンス(国内)およびMitsubishi Motors Finance Philippines(海外)が販売金融・リースを提供し、自動車販売を補完する。日産アライアンスによるプラットフォーム・部品共用でコストを抑制しつつ、PHEVシステム等の独自技術で付加価値を訴求する。
企業の強み
タイのMitsubishi Motors (Thailand)とインドネシアのPT Mitsubishi Motors Krama Yudha Indonesiaに生産拠点を持ち、2026年3月期のアジア販売台数は259千台・販売金額624,545百万円を計上。フィリピンでは販売金融子会社を2025年4月に連結化するなど、アセアン全域で製造・販売・金融の一体基盤を構築している。
アウトランダーPHEVを旗艦とする独自PHEVシステムをコア技術に位置付け、同技術を転用したHEVシステムをエクスパンダー・エクスフォース等に展開。エクスフォース(HEV)は「タイランド・カー・オブ・ザ・イヤー2025」を受賞。
研究開発費は2026年3月期に116,843百万円を投じており、電動車ラインナップの継続的拡充を裏付ける実績がある。
2016年5月締結の戦略提携契約に基づき、日産自動車との間で車両プラットフォーム共用・購買効率化・新技術開発分担・生産拠点共用を実施。先進国向けバッテリーEVはアライアンス活用で投入予定であり、単独では困難な電動化投資を分担することで開発コストを抑制している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期2,038,909百万円から2026期2,896,536百万円へ拡大基調を維持。しかし営業利益は2024期190,971百万円をピークに2025期138,826百万円・2026期75,517百万円と2期連続で急減速し、親会社帰属純利益は2026期10,015百万円と2023期168,730百万円の約6%水準まで落ち込んだ。
2026期の減益要因は、販売台数5%減・売上原価率の上昇(前期80.7%→当期84.5%)に加え、米国環境クレジット評価損16,112百万円・関係会社出資金売却損6,313百万円等の特別損失。外部要因として米国関税・中国メーカー台頭・地政学リスクが収益を圧迫した。
足元では新型車販売の立ち上がりにより収益性は改善基調にあるとされ、修正後の通期営業利益見通しを上回って着地した点は評価できる。
成長戦略
新型車連続投入・仕向け地拡大・コスト削減で2027年3月期の増収増益を目指す
2025年度下期に連続投入した新型デスティネーター等の通年寄与により、2027年3月期の販売台数を857千台(前期比+60千台)に引き上げる計画。新型クロスカントリーSUVの投入も予定しており商品力の一層の強化を図る。
2027年3月期の地域別計画では日本140千台(前期比+18千台)・欧州55千台(同+13千台)・アジア281千台(同+25千台)と全地域での拡大を目指す。北米は165千台から157千台へ計画を引き下げており、関税影響を踏まえた仕向け地の最適化を図る。
広告宣伝費(前期60,044百万円→当期46,340百万円)・研究開発費(同67,889百万円→64,865百万円)等の販管費削減を実施。引き続き機動的なコスト削減に取り組み、外部環境が厳しい中でも増収増益を目指す。
Mitsubishi Motors Finance Philippines Inc.の連結化(2025年4月より)によりアジアでの販売金融債権が拡大(328,967百万円)。グループの自動車販売台数増加に連動した販売金融・リース需要の取り込みにより、金融セグメントの収益貢献を高める。
最終更新: 2026年7月19日

