事業内容
イリソ電子工業は1963年創業の多極コネクタ専業メーカーで、基板対基板コネクタ(BtoBコネクタ)、FPC/FFCコネクタ、インターフェイスコネクタを主力製品とする。主要市場はオートモーティブ(車載)で、xEV向けパワートレイン部品やインフォテインメント向け高速伝送製品を中心に展開。
日本・中国・フィリピン・ベトナムに生産拠点を持ち、欧州・北米・アジアに販売子会社を配置するグローバル体制を構築。連結子会社12社を含むグループ全体の2025年3月期売上高は56,332百万円。
東証プライム上場。
ビジネスモデル
当社が材料を生産子会社4社(中国・フィリピン・ベトナム)に供給し、各社が当社仕様に基づき多極コネクタを製造して当社に納品する。販売は当社および販売子会社6社(シンガポール・香港・米国・ドイツ・中国・タイ)が担い、自動車・デジタル・インダストリアル機器メーカーに直接販売する。
研究開発は日本と上海の技術センターが担い、独自の三次元可動技術・高速伝送技術を製品差別化の源泉とする。
企業の強み
BtoBコネクタにおける三次元可動技術および大容量情報伝達技術は当社の中核競争力。PCIe-Gen5(32Gbps)対応BtoBコネクタの試作・性能評価完了、30A/600V対応小型フローティングBtoBコネクタの量産開始など、最先端規格への対応実績を有する。
研究開発費は1,480百万円(2025年3月期)。
2025年3月期のアジアセグメント受注高は33,517百万円(前期比+12.9%)、受注残高は6,954百万円(前期比+20.5%)と増加基調。中国自動車メーカー向けインフォテインメント・パワートレイン分野での需要拡大が牽引しており、グループ最大セグメントとして成長継続中。
2025年3月期末の純資産は71,196百万円、現金及び現金同等物は24,314百万円を確保。営業キャッシュフローは12,043百万円と安定的に創出。配当性向40%超またはDOE5%程度を目標に掲げ、2025年3月期には自己株式取得4,932百万円を実施するなど株主還元を積極化。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期第3四半期累計(2025年4月〜12月)の売上高は47,129百万円(前年同期比11.8%増)、営業利益4,467百万円(同15.1%増)、経常利益5,074百万円(同17.9%増)、親会社株主帰属四半期純利益3,704百万円(同27.0%増)と全項目で2桁増を達成。過去5期の通期実績では2023期をピークに2期連続で利益が悪化していたが、原価低減・構造改革効果により収益性が回復軌道に入った。
外部要因として中国自動車メーカーの生産堅調・政策支援継続が追い風となった。販売費及び一般管理費は9,120百万円と前年同期比1.9%減少し、費用効率改善も利益拡大に貢献している。
通期予想(売上高58,000百万円・営業利益5,500百万円)は前期比それぞれ3.0%増・3.6%増と保守的な設定であり、3Q累計の進捗率からは上振れ余地も意識される。
成長戦略
「モビリティのイリソ」へ転換し、2027年3月期に売上高65,000百万円・営業利益率15%超を目指す
xEV(EV・FCHV・PHV・HEV)向けパワートレイン分野および高速伝送対応可動BtoBコネクタの需要拡大を取り込む。当第3四半期累計でモビリティ市場が前年同期比9.5%増と堅調に推移しており、中国地域を中心に受注が拡大している。
FA機器向け回復とエネルギーマネジメント分野の拡大により、当第3四半期累計でインダストリアル市場が前年同期比73.3%増と急拡大。モビリティ依存からの収益分散を図り、景気サイクルへの耐性を高める。
設備・金型の標準化および金型内製化推進によるコスト削減を継続。当第3四半期累計で販売費及び一般管理費が前年同期比1.9%減の9,120百万円となり、構造改革効果が数値に表れている。
売上総利益率は28.8%(前年同期31.3%)と原材料価格高騰の影響を受けているが、営業利益率は9.5%(前年同期9.2%)に改善。
秋田新工場の立ち上げにより国内生産能力を増強し、需要拡大への対応力と生産性向上を図る。貸借対照表上の建設仮勘定は2,904百万円(前期末3,504百万円から減少)と設備投資が具体化しつつある段階にある。
欧州では統合ECU向け次世代高速対応製品・スケーラブルコネクタの市場投入、北米ではArrow Electronics社等の販売代理店活用による新規顧客開拓を推進。当第3四半期累計で欧州は黒字転換(311百万円)したが、北米は△46百万円と損失が継続しており、改善途上にある。
最終更新: 2026年7月17日

