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HPCシステムズ株式会社

6597東証グロース電気機器

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HPCシステムズ株式会社6597

事業内容

HPCシステムズ株式会社は、「人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する」を経営理念に掲げ、HPC事業とCTO事業の2事業を展開する。HPC事業では大学・公的研究機関・企業R&Dセンター向けに科学技術計算用コンピュータのシステム販売からソフトウェア開発・受託計算・サポートまでをワンストップで提供。

CTO事業では顧客仕様に応じた産業用コンピュータを千葉県匝瑳市の国内工場で一貫製造し、製造装置・医療機器・インフラ監視制御等の幅広い産業分野に供給する。2006年に実質的な事業を開始し、2019年に東証マザーズ(現グロース市場)に上場。

2025年6月期の連結売上高は7,064百万円。

ビジネスモデル

HPC事業はハードウェア販売・ソフトウェアライセンス・受託計算・技術支援・クラウドサービスを組み合わせたワンストップ提供で付加価値を創出する。CTO事業は顧客仕様に基づく設計・試作・量産・保守の一貫体制により長期継続受注を確保する。

両事業合計で売上高7,064百万円、営業利益636百万円(営業利益率9.0%)を達成。独自戦略「S3 as a Service」のもと、System・Science・Cloudの3サービスを組み合わせて顧客課題を解決する。

企業の強み

計算化学分野(ライフサイエンス・マテリアルサイエンス)に特化したHPCシステムインテグレーション能力を保有。大学研究室・公的研究機関・企業R&Dセンターとの長年の関係構築により、官民を結ぶハブ機能を担う。

2017年にはヤフー向けスパコン「kukai」がGREEN500世界第2位を獲得した実績を持つ。

千葉県匝瑳市の国内工場で設計・試作・量産・検査・保守を一貫して実施。独自開発の生産支援システム「ProMIS」によりトレーサビリティ管理を徹底し、顧客メーカーの品質管理部門による工場監査にも対応。

顧客製品の販売期間中は継続的な受注が見込める構造で、2025年6月期CTO事業受注高は前年同期比28.4%増の2,729百万円を達成。

2025年6月期において、HPC事業は売上高が前年同期比3.4%減となったにもかかわらず、案件毎の採算管理徹底と販売管理費抑制によりセグメント利益は前年同期比33.1%増の460百万円を達成。CTO事業もセグメント利益が前年同期比118.7%増の177百万円と大幅改善し、連結営業利益は前年同期比49.4%増の636百万円を記録した。

エンヴァリスの着眼点

2026年6月期第3四半期累計の営業利益691百万円は、通期予想705百万円の98.0%に相当する。第4四半期は例年売上が集中する傾向があるが、通期予想が据え置かれていることから、会社側の予想は保守的である可能性がある。

一方、為替差益(当期累計47百万円)が経常利益を押し上げており、為替相場の変動次第で通期着地が変動するリスクも存在する。

2026年3月末の総資産5,663百万円に対し、短期借入金が前期末ゼロから1,350百万円へ急増し、自己資本比率は57.6%から43.5%へ低下した。棚卸資産も1,082百万円増加しており、大口案件向けの先行調達と推察される。

受注案件が計画通り売上計上されれば問題ないが、案件遅延・キャンセルが生じた場合の在庫リスクと借入返済能力は引き続き監視が必要。

HPC事業はセグメント利益が前年同期比0.6%減(大学向け大口案件の低粗利受注・人件費増が要因)と利益率が低下した一方、CTO事業はセグメント利益が前年同期比75.9%増と急拡大。売上構成比でCTO事業が前年同期の32.2%から36.4%へ上昇しており、収益構造の変化が進んでいる。

AI・DX需要という外部要因の追い風を両事業がどの程度取り込めるかが中期的な評価軸となる。

成長戦略

AI/DX需要取込・海外ソフトウェアライセンス強化・人財グランドデザインによる持続成長

国内市場中心のビジネスモデルから脱却し、海外事業の基盤強化を推進。HPC事業の一定期間にわたり移転されるサービス収益(累計92百万円)の積み上げが進んでおり、収益の安定化・多様化に寄与する。

HPC事業・CTO事業それぞれで研究開発DXおよび製造業・非製造業DXを戦略分野と定め、事業部間シナジーを発揮。CTO事業が前年同期比+28.5%と急成長しており、製造業DX需要の取り込みが進んでいる。

当第3四半期より役員向け(50,000株・95百万円)および従業員向け(210,000株・399百万円)の株式給付信託を導入。中長期的な業績向上と企業価値増大への貢献意欲を高め、人財グランドデザインに基づく技術系人材の充実と連動させる。

業務執行の迅速化と次世代経営幹部育成を目的として執行役員制度を導入。持続的成長実現のための経営体制見直しを図り、代表取締役への依存リスクの低減にも資する取り組みとして位置づけられる。

最終更新: 2026年7月17日