事業内容
HPCシステムズ株式会社は、「人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する」を経営理念に掲げ、HPC事業とCTO事業の2事業を展開する。HPC事業では大学・公的研究機関・企業R&Dセンター向けに科学技術計算用コンピュータのシステム販売からソフトウェア開発・受託計算・サポートまでをワンストップで提供。
CTO事業では顧客仕様に応じた産業用コンピュータを千葉県匝瑳市の国内工場で一貫製造し、製造装置・医療機器・インフラ監視制御等の幅広い産業分野に供給する。2006年に実質的な事業を開始し、2019年に東証マザーズ(現グロース市場)に上場。
2025年6月期の連結売上高は7,064百万円。
ビジネスモデル
HPC事業はハードウェア販売・ソフトウェアライセンス・受託計算・技術支援・クラウドサービスを組み合わせたワンストップ提供で付加価値を創出する。CTO事業は顧客仕様に基づく設計・試作・量産・保守の一貫体制により長期継続受注を確保する。
両事業合計で売上高7,064百万円、営業利益636百万円(営業利益率9.0%)を達成。独自戦略「S3 as a Service」のもと、System・Science・Cloudの3サービスを組み合わせて顧客課題を解決する。
企業の強み
計算化学分野(ライフサイエンス・マテリアルサイエンス)に特化したHPCシステムインテグレーション能力を保有。大学研究室・公的研究機関・企業R&Dセンターとの長年の関係構築により、官民を結ぶハブ機能を担う。
2017年にはヤフー向けスパコン「kukai」がGREEN500世界第2位を獲得した実績を持つ。
千葉県匝瑳市の国内工場で設計・試作・量産・検査・保守を一貫して実施。独自開発の生産支援システム「ProMIS」によりトレーサビリティ管理を徹底し、顧客メーカーの品質管理部門による工場監査にも対応。
顧客製品の販売期間中は継続的な受注が見込める構造で、2025年6月期CTO事業受注高は前年同期比28.4%増の2,729百万円を達成。
2025年6月期において、HPC事業は売上高が前年同期比3.4%減となったにもかかわらず、案件毎の採算管理徹底と販売管理費抑制によりセグメント利益は前年同期比33.1%増の460百万円を達成。CTO事業もセグメント利益が前年同期比118.7%増の177百万円と大幅改善し、連結営業利益は前年同期比49.4%増の636百万円を記録した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年6月期第3四半期累計の売上高6,375百万円(前年同期比+13.6%)、営業利益691百万円(同+16.6%)、経常利益740百万円(同+24.9%)、親会社株主帰属四半期純利益504百万円(同+28.0%)と全指標で二桁成長を達成。過去5期の推移(2021期売上5,828百万円→2025期7,064百万円)と比較しても、2023期の大型案件集中後の調整を経て収益性が着実に回復・改善している。
外部要因として円安進行による為替差益(累計47百万円)が経常利益を押し上げた一方、輸入コスト上昇・メモリ価格高騰というマイナス要因も存在。通期予想(売上7,800百万円、営業利益705百万円)は据え置かれており、第4四半期の上振れ余地が注目される。
成長戦略
AI/DX需要取込・海外ソフトウェアライセンス強化・人財グランドデザインによる持続成長
国内市場中心のビジネスモデルから脱却し、海外事業の基盤強化を推進。HPC事業の一定期間にわたり移転されるサービス収益(累計92百万円)の積み上げが進んでおり、収益の安定化・多様化に寄与する。
HPC事業・CTO事業それぞれで研究開発DXおよび製造業・非製造業DXを戦略分野と定め、事業部間シナジーを発揮。CTO事業が前年同期比+28.5%と急成長しており、製造業DX需要の取り込みが進んでいる。
当第3四半期より役員向け(50,000株・95百万円)および従業員向け(210,000株・399百万円)の株式給付信託を導入。中長期的な業績向上と企業価値増大への貢献意欲を高め、人財グランドデザインに基づく技術系人材の充実と連動させる。
業務執行の迅速化と次世代経営幹部育成を目的として執行役員制度を導入。持続的成長実現のための経営体制見直しを図り、代表取締役への依存リスクの低減にも資する取り組みとして位置づけられる。
最終更新: 2026年7月17日

