カーボンブラック事業
東海カーボンの最大セグメント。タイヤ向けカーボンブラックを世界供給。
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(2026年12月期中間期) | 83,480百万円 | 75,571百万円(2025年12月期中間期) | ↑ |
| セグメント営業利益(2026年12月期中間期) | 7,239百万円 | 8,148百万円(2025年12月期中間期) | ↓ |
事業詳細
ゴム製品用・黒色顔料用・導電用カーボンブラックを製造・販売する東海カーボングループの最大セグメント。主要顧客はタイヤメーカーで、国内(東海カーボン本社)および海外(Cancarb Limited、THAI TOKAI CARBON PRODUCT COMPANY LIMITED、Thai Tokai Carbon Product Rojana Co., Ltd.等)の生産拠点を通じてグローバルに供給する。2026年12月期中間期の売上高は連結全体の約48.0%を占める中核事業であり、タイへの生産拠点移転・拡充投資を推進中。
直近の概況
タイ拠点連結化等で増収も、原料油高と減価償却増で減益。
タイヤメーカーの生産調整に伴う販売数量減少を新規顧客開拓やスポット取引でカバーし、2025年下期より連結化されたタイ拠点の貢献も加わり、売上高は前年同期比10.5%増の83,480百万円となった。一方、タイ拠点新工場の稼働に伴う減価償却費の増加、中東情勢に起因する原料油高によるマージン悪化が影響し、営業利益は前年同期比11.1%減の7,239百万円となった。最新鋭の排煙脱硫装置・脱硝装置を導入したタイ新工場が完成し、移転プロジェクトを継続推進している。
主要プロダクト
成長ドライバー
- タイ生産拠点の拡充・移転プロジェクトによる生産能力増強(ブリヂストンからのタイ拠点買収含む)
- 使用済タイヤ等からカーボンブラックを再生するリサイクルプロジェクトの推進(サステナブル需要対応)
- 導電用カーボンブラックにおけるEV・蓄電池市場向け需要の中長期的拡大
- Vision 2030に基づくカーボンブラック事業への中長期的な設備投資継続方針(売上高5,000億円・EBITDAマージン20%・ROIC12%目標)
- 新規顧客開拓・スポット取引による需要変動への対応力強化
リスク
- 主要顧客であるタイヤメーカーの生産調整・需要変動リスク
- タイ新工場稼働に伴う減価償却費増加による利益圧迫リスク
- 中東情勢緊迫化に起因する原料油高によるマージン悪化リスク
- アジアからの安価な輸入タイヤ増加による米国子会社への競争圧力
- カーボンブラック販売価格の低下リスク(原料価格・市況連動)
- タイ生産拠点移転・拡充に伴う建設・操業リスクおよび為替変動リスク
- 米国関税政策・通商政策の転換による需要・コスト構造への影響
ファインカーボン事業
半導体・先端素材向け特殊炭素製品を展開する成長セグメント
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(2026年12月期中間期) | 33,016百万円 | 27,713百万円(2025年12月期中間期) | ↑ |
| 営業利益(2026年12月期中間期) | 4,716百万円 | 4,410百万円(2025年12月期中間期) | ↑ |
| 営業利益率(2026年12月期中間期) | 14.3% | 15.9%(2025年12月期中間期) | ↓ |
事業詳細
特殊炭素製品、ソリッドSiC、SiCコートを主力製品とし、メモリ・パワー半導体市場を主要顧客とする事業。国内(東海ファインカーボン㈱、オリエンタル産業㈱)および海外(米国・欧州・中国・韓国)に幅広い生産・販売拠点を持つ。2026年12月期中間期はSiCパワー半導体市場の需要低迷が継続する一方、メモリ半導体市場向けソリッドSiCフォーカスリングの販売数量が大幅に増加し、売上高・営業利益ともに前年同期比で増加した。
直近の概況
ソリッドSiCフォーカスリング販売増で増収増益、SiC需要低迷は継続
2026年12月期中間期はSiCパワー半導体市場の需要低迷が継続する中、メモリ半導体市場向けソリッドSiCフォーカスリングの販売数量が大幅に増加し、売上高は前年同期比19.1%増の33,016百万円、営業利益は前年同期比6.9%増の4,716百万円となった。増収率に比べ増益率が抑制されており、SiCパワー半導体市場の需要低迷がマージンに影響を及ぼしている可能性がある。
主要プロダクト
成長ドライバー
- メモリ半導体市場向けソリッドSiCフォーカスリングの販売数量増加
- 米国黒鉛加工会社KBR, Inc.・MWI, Inc.の連結子会社化(孫会社化)による売上貢献
- 国内増産投資の完了による将来の半導体市場拡大への対応体制構築
- Vision 2030における「成長市場へのコミット」の中核セグメントとして生産能力拡大・新規用途開発を推進
- 米国加工子会社の再編・統合による事業効率性と競争力の強化
リスク
- パワー半導体(SiC)市場の成長減速によるEV関連需要の低迷が2026年中間期も継続
- 中国市場での競争激化による価格圧力
- 連結子会社化に伴うのれん等償却費の増加による利益圧迫
- 半導体市況の変動リスク(メモリ・パワー半導体の需要サイクル)
- 米国関税政策の変化による米国子会社の事業環境悪化リスク
スメルティング&ライニング事業
アルミ製錬・高炉向け炭素製品を展開する構造改革推進事業
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(2026年12月期中間期) | 30,649百万円 | 27,155百万円(2025年12月期中間期) | ↑ |
| セグメント営業利益(2026年12月期中間期) | 2,020百万円 | 304百万円(2025年12月期中間期) | ↑ |
事業詳細
アルミ電解用カソード、高炉用ブロック、炭素電極等を主力製品とし、Tokai COBEXグループ(ドイツ・ポーランド・フランス・中国)を通じて欧州・アジアのアルミニウム製錬業者や製鉄業者に供給する。次世代環境負荷低減型カソードRuC®(Ready-to-use Cathode)のライセンス事業も展開しており、マイルストン達成に伴うライセンス料収入が収益を下支えしている。
直近の概況
ライセンス料収入計上とコスト削減で営業利益が大幅増加
当中間連結会計期間の売上高は前年同期比12.9%増の30,649百万円、営業利益は前年同期比563.9%増の2,020百万円となった。アルミ電解炉用カソードは中東情勢を背景とした一部輸送混乱があったものの、コスト削減の推進に加え、RuC®に係るライセンス料収入の計上が収益を下支えし、増収増益となった。
主要プロダクト
成長ドライバー
- 次世代環境負荷低減型カソードRuC®のライセンス事業拡大によるライセンス料収入の積み上げ
- コスト削減施策の継続推進による収益性改善
- アルミニウム製錬炉の改修需要が回復局面に転じた場合の販売数量増加ポテンシャル
- 抜本的構造改革の進展による収益構造の改善
リスク
- 中東情勢の混迷等を背景とした出荷・輸送遅延リスクの継続
- アルミニウム製錬炉の改修需要回復遅れと取引先在庫調整の継続による販売数量低迷
- 競合との競争激化による価格圧力
- 欧州を主要拠点とするため、欧州経済の景気減速・エネルギーコスト高騰の影響を受けやすい
- 為替変動リスク(欧州・中国拠点を有するため、ユーロ・人民元の変動が業績に影響)
黒鉛電極事業
構造改革完遂後、国内集約体制で収益回復を図る電炉向け黒鉛電極セグメント
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(2026年12月期中間期) | 16,878百万円 | 18,451百万円(2025年12月期中間期) | ↓ |
| 営業利益(2026年12月期中間期) | 792百万円 | 494百万円(2025年12月期中間期) | ↑ |
事業詳細
電気製鋼炉(EAF)用黒鉛電極を主力製品とし、国内防府工場および米国子会社を通じてグローバルに展開する。2025年に国内滋賀工場の生産終了・防府工場への集約、および欧州子会社TOKAI ERFTCARBON GmbHの株式譲渡(2025年4月連結除外)という抜本的構造改革を完遂。主要顧客は電炉鉄鋼メーカーで、主力マーケットの米国電炉鋼生産は堅調に推移、日本も微減に留まる一方、世界的な粗鋼生産は低調に推移している。
直近の概況
TOKAI ERFTCARBON連結除外で減収も構造改革効果で増益達成
2026年12月期中間期の売上高は前年同期比8.5%減の16,878百万円となった。前年度に実施した構造改革の一環として、ドイツの完全子会社TOKAI ERFTCARBON GmbHを2025年4月より連結から除外したことが減収要因となったが、構造改革の効果により営業利益は前年同期比60.3%増の792百万円と大幅に増加した。世界的な粗鋼生産は低調だったものの、主力マーケットである米国の電炉鋼生産は堅調に推移し、日本も微減に留まった。
主要プロダクト
成長ドライバー
- 黒鉛電極事業の構造改革(国内生産集約・欧州子会社売却)完遂による固定費削減とコスト競争力向上
- 防府工場への生産集約による操業効率の向上
- 米国における電炉鋼生産の堅調さによる需要下支え
- Vision 2030における構造改革効果の最大化に向けた継続的取り組み
リスク
- 中国からの過剰な製鋼材輸出による周辺市場への価格圧力と電極市況の低迷継続
- 世界的な粗鋼生産の低調による販売数量減少リスク
- 欧州子会社売却後の地理的カバレッジ縮小による顧客基盤の変化
- 電炉鉄鋼業界における設備稼働率低下や在庫調整の長期化リスク
- 為替変動(特に米ドル)による収益への影響
工業炉及び関連製品事業
工業用電気炉・炭化けい素発熱体を手掛ける受注生産型事業
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(2026年12月期中間期) | 5,409百万円 | 4,204百万円(2025年12月期中間期) | ↑ |
| セグメント営業利益(2026年12月期中間期) | 1,213百万円 | 885百万円(2025年12月期中間期) | ↑ |
| 営業利益率(2026年12月期中間期) | 22.4% | 21.1%(2025年12月期中間期) | ↑ |
事業詳細
東海高熱工業㈱(国内)およびShanghai TOKAI KONETSU Co., Ltd.・TOKAI KONETSU (SUZHOU) CO., LTD.(中国)が主要事業会社。工業用電気炉と炭化けい素発熱体を主力製品とし、エネルギー関連業界・電子部品業界向けに受注生産方式で供給する。AIデータセンター向けMLCC需要の拡大や電力インフラ向け抵抗器の販売好調が業績を牽引している。
直近の概況
AI需要と送配電網整備を背景に増収増益
当中間連結会計期間の売上高は前年同期比28.7%増の5,409百万円、営業利益は前年同期比37.0%増の1,213百万円となった。エネルギー関連業界のLiB設備投資は停滞したものの、AIデータセンター向けを中心としたMLCC需要の増加および電力インフラ向け抵抗器の好調な販売が業績を押し上げた。前期にあった大型案件の仕様変更対応に伴う一過性コストは解消し、収益性が改善した。
主要プロダクト
成長ドライバー
- AIデータセンター向けMLCC需要の拡大を背景とした電子部品業界向け工業炉・発熱体の需要拡大
- 世界的な送配電網整備の進展を背景とした電力インフラ向け抵抗器の販売好調
- Vision 2030において半導体市場とともに成長が見込まれる事業と位置づけられ、生産能力拡大と新規用途開発が方針として掲げられている
- 中国(上海・蘇州)の現地生産拠点を通じたアジア市場への対応体制を保有
リスク
- エネルギー関連業界におけるLiB設備投資の停滞が継続しており、需要回復時期が不透明
- 受注生産方式のため、受注動向の変動が売上高に直接影響する構造的リスクを有する
- 中国市場での競争激化および地政学リスクが中国拠点の事業運営に影響を与える可能性がある
- SiCパワー半導体市況の低迷継続により、関連設備投資の回復が遅れるリスクがある
- 大型案件における仕様変更等、一過性の追加コストが利益を圧迫する可能性がある
その他事業
摩擦材・負極材・不動産賃貸等を含む非報告セグメントの集合体
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(2026年12月期中間期) | 4,293百万円 | 4,979百万円(2025年12月期中間期) | ↓ |
| 営業利益(2026年12月期中間期) | 64百万円 | 286百万円(2025年12月期中間期) | ↓ |
| 摩擦材売上高(2026年12月期中間期) | 4,138百万円 | 4,001百万円(2025年12月期中間期、前年同期比3.4%増より逆算) | ↑ |
| 負極材・その他売上高(2026年12月期中間期) | 154百万円 | 974百万円相当(前年同期比84.2%減より逆算) | ↓ |
事業詳細
摩擦材(建機・鉱山・二輪車・産業機械・農機向け)、リチウムイオン二次電池用負極材、不動産賃貸等を手掛ける複合セグメント。国内では東海マテリアル㈱・三友ブレーキ㈱・東海能代精工㈱・KC工業㈱、海外ではTokai Carbon (Suzhou) Co., Ltd.が事業を担う。連結売上高に占める比率は約2.5%と小規模。2026年12月期中間期は摩擦材が二輪車・産業機械・建機・農機向けで好調に推移した一方、負極材・不動産賃貸等その他は大幅減収となった。
直近の概況
摩擦材は堅調も負極材・その他が急減、全体は減収減益
2026年12月期中間期のその他事業売上高は前年同期比13.8%減の4,293百万円、営業利益は前年同期比77.6%減の64百万円となった。摩擦材は二輪車向け・産業機械向け・建機向け・農機向けが好調に推移し前年同期比3.4%増となったが、負極材・不動産賃貸等その他が前年同期比84.2%減と急減し、セグメント全体の業績を大きく押し下げた。
主要プロダクト
成長ドライバー
- 二輪車向け摩擦材の堅調な需要推移
- 産業機械・建機・農機向け摩擦材の好調推移
- コスト管理の改善による営業利益率の維持・向上
リスク
- 負極材・不動産賃貸等その他の売上高が前年同期比84.2%減と急減しており、需要低迷の継続リスク
- 鉱山向け摩擦材のインドネシア等東南アジアにおける需要減少リスク(石炭採掘量減少の影響)
- 負極材事業のスポット需要依存による収益構造の不安定性
- セグメント営業利益が前年同期比77.6%減と急減しており、収益基盤の脆弱性
- 摩擦材が売上構成の主体となっており、摩擦材市況悪化時の影響が大きい
最終更新: 2026年8月6日

