事業内容
東海カーボンは1918年創立の炭素製品専業メーカーで、カーボンブラック・ファインカーボン・スメルティング&ライニング・黒鉛電極・工業炉・その他の6セグメントを展開する。主力のカーボンブラック事業はタイヤメーカー向けに世界供給し、ファインカーボン事業は半導体製造向けソリッドSiCフォーカスリング等の先端素材を提供する。
連結子会社31社を含むグローバルグループを形成し、2025年12月期の連結売上高は322,960百万円。主要顧客はタイヤメーカー・半導体製造装置メーカー・アルミ製錬業者・電気製鋼炉メーカー等、多様な産業に炭素素材を供給する。
ビジネスモデル
各事業セグメントで製造設備を保有し、原材料を調達・加工して炭素製品を製造・販売する垂直統合型モデル。カーボンブラック事業は北米・タイ・カナダ等の海外拠点で大量生産しタイヤメーカーへ供給、ファインカーボン事業は国内田ノ浦工場・海外加工子会社を通じて半導体向け高付加価値品を提供する。
GCMSによる本社一括資金調達で財務効率を高め、営業CFを主要投資財源とする。2025年12月期の設備投資額は36,854百万円、営業CFは55,872百万円。
企業の強み
北米(Tokai Carbon CB Ltd.)・タイ(THAI TOKAI CARBON PRODUCT COMPANY LIMITED)・カナダ(Cancarb Limited)等に製造拠点を持ち、タイヤメーカーへのグローバル供給体制を構築。2025年9月にはブリヂストンからタイ拠点を買収し生産能力を拡充。
2025年12月期の同事業売上高は147,093百万円と全社売上の約46%を占める。
ソリッドSiCフォーカスリング等の半導体製造向け特殊炭素製品を展開し、2025年12月期の営業利益率は13.7%。メモリ半導体市場向け販売数量が前期比で増加し、米国加工子会社KBR・MWIの連結子会社化により売上高は前期比3.9%増の56,127百万円を達成。
国内田ノ浦工場での増産投資も完了し将来の拡大に備える。
黒鉛電極事業で滋賀工場生産終了・防府工場集約・ドイツ子会社売却を完遂し、前期営業損失3,529百万円から営業利益2,389百万円へ黒字転換。スメルティング&ライニング事業も前期の大規模減損(61,239百万円)後の償却費軽減等で前期営業損失13,701百万円から営業利益1,503百万円へ改善。
全社売上原価率は1.7ポイント低下し75.3%となった。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2023期363,946百万円をピークに2025期322,960百万円まで縮小したが、2026年12月期通期予想370,000百万円(前期比+14.6%)で回復軌道を見込む。2026年12月期第1四半期は売上高81,720百万円(前年同期比+1.7%)と微増収を確保したが、営業利益6,345百万円(△8.9%)・経常利益6,181百万円(△1.9%)と減益。
法人税等調整額の急増(527百万円→1,947百万円)により親会社帰属純利益は1,556百万円(△47.1%)と大幅減。外部要因として、タイヤメーカーの生産調整・中国粗鋼生産低迷・SiCパワー半導体需要低迷が複数セグメントに逆風となる一方、AIサーバー向けMLCC需要拡大・電力インフラ向け抵抗器好調が工業炉事業を下支えした。
タイ新工場稼働に伴う減価償却費増加(1Q:7,887百万円)が利益率を構造的に圧迫している。
成長戦略
Vision 2030の3本柱で2030年売上高500,000百万円・EBITDAマージン20%・ROIC12%を目指す
ブリヂストンからのタイ拠点買収を経て2025年第4四半期に連結化。タイ新工場の稼働により生産能力を増強するが、当面は減価償却費増加が利益を圧迫。使用済タイヤからのカーボンブラック再生プロジェクトも並行推進し、サステナブル需要への対応力を強化する。
メモリ半導体向けソリッドSiCフォーカスリングの販売数量増加が継続中。米国黒鉛加工子会社の再編・統合による事業効率向上を推進。
SiCパワー半導体市場の需要回復を見据えた生産能力拡大と新規用途開発を継続する。2026年12月期第1四半期売上高は16,401百万円(前年同期比+13.6%)と成長軌道を維持。
黒鉛電極事業は滋賀工場集約・ドイツ子会社売却(2025年4月連結除外)を完遂し、2026年12月期第1四半期に営業利益251百万円(前年同期は損失725百万円)と黒字転換を達成。スメルティング事業ではRuC®ライセンス料収入の計上が収益を下支えし、営業利益658百万円(前年同期比+310.5%)と大幅改善。
環境省の助成を得て機能性固体炭素製造技術の開発・実証に取り組む。使用済タイヤ等からのカーボンブラック再生プロジェクトを着実に推進し、サーキュラーエコノミー対応の事業基盤を構築する。Vision 2030の「サステナブル価値創出」の柱として中長期的な事業ポートフォリオ変革を目指す。
最終更新: 2026年7月17日

