気候変動・カーボンニュートラル対応
パリ協定採択以降、炭素税等の温室効果ガス排出削減策が一部国・地域で既に導入されており、当社グループの製造事業に対するコスト増加リスクが高まっている。2022年1月にカーボンニュートラル推進委員会を設立し、2050年カーボンニュートラル実現に向けた全社方針・戦略を推進しているが、取り組みが奏功しない場合には業績に悪影響を及ぼす可能性がある。規制強化の進展次第では、事業活動に対する制約やコスト増加が一層拡大するリスクがある。
特定業界依存と市況変動リスク
当社グループの売上の多くは自動車業界・半導体業界・鉄鋼業界に集中しており、これら特定業界の景況悪化が業績に直結するリスクを抱えている。ポートフォリオ分散化を目的にアルミニウム市場向け炭素黒鉛製品メーカー2社を買収したが、分散化が十分に機能しない場合には売上高と利益率の低下を招く可能性がある。世界経済の不確実性(ウクライナ危機長期化、中国経済減速、保護主義的通商政策の拡大等)が一層悪化した場合、影響はさらに深刻化しうる。
為替レート変動リスク
当社グループは原材料の輸入・製品輸出等の国際取引に外国通貨を使用しており、特に米ドル・ユーロに対する円高はグループ業績に悪影響を及ぼす傾向がある。海外連結子会社・持分法適用関連会社の収益・費用は期中平均相場で円換算されるため、為替変動の影響は広範に及ぶ。為替レートの変動リスクについてはVaR(Value at Risk)を用いた定期的な最大損失額の計量・モニタリングを実施している。
M&A・のれん減損リスク
当社グループは成長戦略の一環として企業買収・業務提携・戦略的投資に積極的に取り組んでおり、過去の大型M&Aについて生産技術の共有・人材交流・現地経営陣の監督徹底等による経営統合を進めている。しかし、経営環境・前提条件の変化等により当初想定した結果が得られない場合、予測される将来キャッシュ・フローの低下によりのれんの減損が必要となる等、業績に悪影響を及ぼす可能性がある。特に大型M&Aのシナジー現出が遅延・不達となった場合の財務的影響は大きい。
DX遅延・情報セキュリティ
当社グループはデジタル技術活用による製品・サービス・ビジネスプロセスの変革に取り組んでいるが、IoT・AI等の急速な技術進歩への対応が遅延した場合、競争力低下につながるリスクがある。また、2025年に個人情報漏えい事案が実際に発生しており、不正ログイン防止機能導入等の情報セキュリティ強化・再発防止策を講じているものの、ランサムウェア等の巧妙化するサイバー攻撃により機密情報・個人情報の盗取・漏洩や重要業務の停止が生じる可能性がある。
原材料調達の安定性リスク
当社グループにとって良質な原材料のタイムリーかつ安定的な入手は不可欠であり、複数サプライヤーの選定・新規開拓を継続しているが、災害・事故・戦争・テロ・感染症等の不測の事態により供給が不足・中断した場合には生産に悪影響が生じる。また、需給逼迫や投機目的の売買等による原材料価格の高騰が、生産性向上や売価転嫁等の内部努力で吸収できない場合には業績に悪影響を及ぼす。地政学的リスクの高まりを背景に、サプライチェーン分断リスクは近年一層顕在化している。
競合激化・競争力低下リスク
当社グループは各事業分野において多くの企業との厳しい競争環境下にあり、多くの製品が価格低下圧力に晒されている。市場ニーズの把握・技術力の追求・品質管理の徹底・原価低減等の努力を重ねているが、十分な成果が上がらない場合にはマーケットシェアの低下・販売価格の引き下げ等による売上高と利益率の低下を招く可能性がある。特に同業他社の技術革新に対抗できる技術を速やかに開発できなかった場合、競争優位性が損なわれるリスクがある。
研究開発・技術革新リスク
当社グループは富士研究所を中心に次世代向け新製品・新規技術の開発を進めているが、市場トレンドの変化によるニーズの衰退や脱炭素対応の失敗、同業他社の技術革新に対抗できる技術を速やかに開発できなかった場合には、成長性・収益性の低下を招く可能性がある。既存事業においても顧客ニーズに適合する新品種開発や品質向上・コストダウンを各事業部の研究所が推進しているが、これらが想定どおりに進まない場合には業績に悪影響を及ぼす。
法令・規制抵触リスク
当社グループは国内外において商取引法・独占禁止法・労働法・環境法・輸出入関連法等の多岐にわたる法令・規制のもとで事業活動を行っており、新たな法規制の導入や想定外の変更により事業活動への制約・コスト増加が生じる可能性がある。当局が法規制への抵触と判断した場合には、課徴金等の行政処分・刑事処分・訴訟等の対象となり、社会的評価の低下を招くリスクがある。グループ全体での法務・コンプライアンス教育を実施しているが、国際的な事業展開に伴い対象となる法域が広範にわたる点がリスクを複雑化させている。
人材確保・定着リスク
研究開発・技術・製造・販売等の各部門における専門的知識・技能を持つ有能・多様な人材の確保・育成・定着が競争力維持の重要課題となっているが、近年の人材流動化・少子高齢化による労働人口減少により人材確保競争が厳しくなっている。多様な人材の積極採用・働き方の柔軟性確保・人事制度見直し・研修制度の導入等に取り組んでいるが、想定どおりに進まない場合や人材の社外流出を防げない場合には業務遂行に制約を受け、業績に悪影響を及ぼす可能性がある。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月28日

