事業内容
ゼリア新薬工業は1955年創業の東証プライム上場の製薬企業。医療用医薬品事業(売上高61,626百万円)とコンシューマーヘルスケア事業(売上高27,382百万円)の二軸を中核とし、グループ全体の売上高は89,159百万円(2026年3月期)。
医療用医薬品事業では消化器系領域に特化し、潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」、クロストリディオイデス・ディフィシル感染症治療剤「ディフィクリア」等を欧州・アジアを含むグローバル市場で展開。コンシューマーヘルスケア事業では「ヘパリーゼ群」を主力にOTC医薬品・健康食品・化粧品を国内外で販売。
海外売上高比率は59.3%に達し、グローバル企業としての存在感を高めている。
ビジネスモデル
医療用医薬品事業では消化器系領域に研究開発資源を集中し、自社オリジナル品(アコチアミド等)の開発と外部からのライセンス導入(ディフィクリア、ビルタサ、フェインジェクト等)を組み合わせ、スイス子会社Tillotts Pharma AGを通じた欧州自社販売網で収益を最大化する。コンシューマーヘルスケア事業では「ヘパリーゼ群」等のブランド製品に広告宣伝投資を集中し、OTC市場での継続的な需要を喚起する。
両事業の安定収益が次のM&AやR&D投資の原資となる循環型経営を実践している。
企業の強み
スイス子会社Tillotts Pharma AGとその傘下8社を通じ、欧州主要国に自社販売網を構築。ディフィクリアはフランス・ドイツ等の市場規模の大きな国で継続増収を達成し、アサコールも供給正常化後に海外市場が好調推移。
欧州ガイドライン第一選択薬推奨という地位を背景に、自社網の強みを最大限に活用している。
1996年発売以来育成してきた「ヘパリーゼ群」は積極的な広告販促投資により継続的な需要喚起に成功。2025年度には「ヘパリーゼ胃腸内服液EX」「ヘパリーゼ胃腸ドリンク」を新発売し製品ラインを拡充。
コンシューマーヘルスケア事業の売上高27,382百万円・営業利益6,360百万円を支える中核ブランドとして機能している。
医療用医薬品事業(営業利益12,176百万円)とコンシューマーヘルスケア事業(営業利益6,360百万円)の二軸が相互補完的に収益を創出。一方の事業環境が悪化しても他方が下支えする構造により、2022年3月期から2026年3月期にかけて売上高・営業利益ともに継続的な成長を実現。
この安定基盤がM&AやR&D投資の原資となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期59,533百万円から2026年3月期89,159百万円へ5期連続増収を達成したが、成長率は前期15.3%から当期2.1%へ鈍化。営業利益は12,374百万円(前期比1.4%増)と微増にとどまり、売上高営業利益率は13.9%(前期14.0%)とほぼ横ばい。
外部要因として前期の為替差益634百万円が当期は為替差損1,356百万円に転換したことが経常利益を14.0%押し下げた。包括利益は20,927百万円(前期比75.1%増)と大幅増加しており、為替換算調整勘定7,621百万円および退職給付に係る調整額3,927百万円の増加が純資産を押し上げた。
自己資本比率は60.3%(前期56.3%)に改善。
成長戦略
欧州・アジアのグローバル展開加速と国内新製品育成で連結売上高950億円を目指す
ディフィクリアはフランス・ドイツ等欧州主要国で引き続き増収基調を維持。アサコールは製造委託先の生産設備復旧後に供給が正常化し、2026年3月期通期では増収に転換。2027年3月期も両製品の海外好調継続を前提に医療用医薬品事業の増収を予想。
2025年12月に投薬期間制限が解除となり、腎臓・透析・循環器領域を中心に早期の市場構築を推進中。エビデンス創出活動の企画検討を開始し、育薬活動を本格化。2027年3月期の国内医療用医薬品事業の増収ドライバーとして期待。
Agastra-Lab s.r.l.との欧州・米国・カナダでのフェーズⅢ試験が進行中。ベトナムでの承認申請中、ニカラグア・コスタリカでは承認取得済み。コロンビア・パナマでも申請中。国内では小児患者対象フェーズⅢ試験の被験者募集が終了し、試験結果のまとめに向けて対応中。
「ヘパリーゼ群」の売上伸長に加え、「コンドロイチン群」「ウィズワン群」等の主力製品の売上回復と主力製品に次ぐ製品群の寄与により2027年3月期の増収を見込む。台湾向け「ヘパリーゼWT」「コンドロサポートアクティブ」等の海外展開も継続。
2026年3月期中に健創製薬株式会社を存続会社(ゼリア新薬工業)とする吸収合併により消滅させ、連結範囲から除外。製造・管理機能の集約による効率化を図り、グループ経営の最適化を推進。
最終更新: 2026年7月19日

