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関東電化工業株式会社

4047東証プライム化学

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関東電化工業株式会社4047

事業内容

関東電化工業は1938年創業の化学メーカーで、「電解」「フッ素化」「塩素化」「有機・無機合成」をコア技術として保有する。事業は精密化学品(特殊ガス・電池材料)、基礎化学品(無機・有機化学薬品)、鉄系(複写機用キャリヤー・鉄酸化物)、商事、設備の5セグメントで構成される。

売上高の約80%を占める精密化学品事業では、三フッ化窒素・六フッ化タングステン等の半導体用特殊ガスをSamsung Electronics(売上高の22.0%)・キオクシア(18.9%)等の大手半導体メーカーに供給するほか、六フッ化リン酸リチウム等のリチウムイオン二次電池材料も展開する。国内渋川・水島工場に加え、韓国・台湾・中国に製造・販売子会社を持ち、グローバルな安定供給体制を構築している。

ビジネスモデル

自社開発のフッ酸電解技術を基盤に、半導体・電池向け高純度特殊化学品を製造し、大手半導体メーカーや電池メーカーへ直接販売することで収益を得る。販売数量の増加と価格修正(値上げ交渉)の両輪で収益を拡大する構造を持つ。

加えて、電池材料製造技術のライセンス契約(MEXICHEM FLUOR INC.等)によるロイヤリティ収入も収益源の一つとなっている。グループ内では設備事業・商事事業が製造・販売を内製支援し、グループ全体の収益効率を高める垂直統合型モデルを採用している。

企業の強み

三フッ化窒素・六フッ化タングステン・KSG-14等の半導体用特殊ガスにおいて世界有数の製造能力と品質を有すると有報に記載されている。Samsung Electronics(14,394百万円)・キオクシア(12,342百万円)という世界トップ級の半導体メーカーとの大口取引継続がその品質・供給力の証左であり、両社合計で売上高の約40.9%を占める。

1970年に独自のフッ酸電解技術を確立して以来、50年超にわたりフッ素関連技術を蓄積してきた。KSG-14・KSG-5等の新規ガスでは特許網を構築して高い参入障壁を形成しており、研究開発投資額は当期2,304百万円。

2024年4月には水島地区に新研究棟を竣工し、韓国拠点でも2023年11月から研究開発を開始している。

国内渋川・水島工場に加え、韓国に関東電化ファインプロダクツ韓国㈱(製造・研究開発)・関東電化KOREA㈱(販売)、台湾に台灣關東電化股份有限公司(販売)、中国に宣城科地克科技有限公司(製造)・科地克(上海)貿易有限公司(販売・調達)を展開し、製造拠点の複数化による安定供給体制を構築している。

エンヴァリスの着眼点

2027年3月期の会社予想は売上高95,000百万円(前期比45.3%増)・営業利益10,000百万円(同82.5%増)と極めて強気な計画。外部要因として生成AI普及に伴う半導体需要拡大が追い風となる一方、渋川工場火災からの三フッ化窒素生産正常化の進捗、米国通商政策による地政学リスク、原材料調達の不安定化など不確実要因も多い。

第2四半期累計予想(売上高42,200百万円・営業利益5,300百万円)の達成状況が通期見通しの信頼性を測る重要な確認ポイントとなる。

2025年8月の渋川工場火災事故により三フッ化窒素の販売数量が減少し、特別損失1,030百万円を計上したにもかかわらず、経常利益は6,629百万円(前期比47.1%増)を達成。為替差益1,291百万円(前期26百万円)の寄与が大きいものの、六フッ化タングステン・六フッ化リン酸リチウムの価格修正効果と販売数量増加が実力ベースの収益改善を牽引した。

三フッ化窒素製造プラントの復旧完了は2027年3月期の増収に向けた重要な前提条件となる。

Samsung Electronics・キオクシアの2社で連結売上高の約41%を占める顧客集中リスクは構造的に変わっていない。また中期経営計画「Dominate 1000」は当初2024年度に売上高100,000百万円達成を目指していたが未達となり最終年度を2年延長。

2026年3月期実績65,400百万円は目標の65%水準にとどまる。2027年3月期予想95,000百万円が達成されれば目標に大きく近づくが、配当性向30%以上の方針維持と設備投資継続のバランスも引き続き注視が必要。

成長戦略

精密化学品事業拡大・ROIC経営・事業ポートフォリオ改革を軸とした「Dominate 1000」延長実行

六フッ化タングステン・KSG-14・六フッ化リン酸リチウムの販売数量増加と価格修正効果を継続推進。2027年3月期は精密化学品の販売数量増加および一部製品の価格修正効果等により売上高95,000百万円を目指す。生成AI普及に伴う半導体需要拡大が外部追い風として機能。

2025年8月発生の渋川工場火災により三フッ化窒素の販売数量が減少したが、製造プラントの復旧を完了し関係当局の許可を受けて操業を再開。安全対策(表示灯追加・識別表示強化・設備運用見直し)と安全専任者配置・KDK-SS活動を実施し再発防止を徹底。

資本コストを意識した経営指標としてROICを導入し、事業ポートフォリオ改革と連動させて資本効率を改善。政策保有株式の縮減を進め、投資有価証券は前期8,181百万円から12,184百万円へ増加(評価差額拡大が主因)しており、縮減方針との整合性の確認が必要。

2023年11月の中計見直しで配当性向目安を20%から30%以上に引き上げ。2026年3月期は年間配当20円(配当性向30.3%)、2027年3月期は年間36円(同30.4%予想)と増配方針を継続。株主還元強化と設備投資継続のバランスを維持しながら企業価値向上を図る。

最終更新: 2026年7月19日