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株式会社三菱総合研究所

3636東証プライム情報通信業

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事業内容

株式会社三菱総合研究所は1970年に三菱グループ27社の出資により設立された総合シンクタンクを母体とし、現在はシンクタンク・コンサルティングサービス(TTC)とITサービス(ITS)の2セグメントで事業を展開する。TTCでは官公庁向けに政策立案・DX・エネルギー・ヘルスケア等の調査研究・コンサルティングを、民間向けに経営戦略・AI・サステナビリティ支援を提供する。

ITSでは連結子会社・三菱総研DCS株式会社が中核となり、金融・公共・文教分野向けにシステム開発・運用・BPOサービスを提供する。グループは連結子会社9社・関連会社5社の計15社で構成され、東京証券取引所プライム市場に上場している。

ビジネスモデル

TTCセグメントは官公庁・民間企業からの調査研究・コンサルティング案件を受注し、工数積み上げ型の受託収益を主軸とする。ITSセグメントはシステム開発の受注型収益に加え、給与人事サービスPROSRVや千葉情報センターを活用したBPO・アウトソーシングサービスによる継続的なストック収益を組み合わせる。

2025年9月期の受注残高は合計80,532百万円(前年度比6.8%増)に達し、翌期以降の売上を下支えする構造となっている。

企業の強み

設立以来55年にわたり官公庁向け政策立案支援を継続し、エネルギー・ヘルスケア・DX等の主要施策で安定受注を確保。ITSでは三菱UFJニコス株式会社向け売上が15,391百万円(売上高比12.7%)を占め、メガバンク関連の金融システム案件を継続的に受注している。

2025年9月期末の受注残高はTTC 30,217百万円(前年度比17.1%増)、ITS 50,315百万円(同1.4%増)、合計80,532百万円(同6.8%増)に達する。特にTTCの受注高は前年度比19.4%増の51,506百万円と大幅に拡大しており、翌期以降の安定的な売上積み上げが見込まれる。

2025年9月期末の自己資本比率は56.1%、現金及び現金同等物は30,010百万円を確保。有利子負債残高は1,036百万円と極めて低水準であり、設備投資6,318百万円を自己資金とリースで賄いながら、M&A・人材投資等の成長投資余力を維持している。

エンヴァリスの着眼点

2026年9月期中間期は売上高72,571百万円(前年同期比10.9%増)、営業利益9,293百万円(同36.3%増)、親会社株主帰属中間純利益8,470百万円(同73.5%増)と全指標で大幅改善。ただし純利益の大幅増には投資有価証券売却益1,247百万円の特別利益が寄与しており、経常利益ベースの実力値は10,094百万円。

ITSでは不採算システム開発案件に係る受注損失引当金を計上(期末残高807百万円)しており、通期予想の営業利益8,400百万円は中間期実績9,293百万円を下回る保守的な設定となっている。

中間期のセグメント経常利益はTTCが8,431百万円(前年同期比49.3%増)と絶好調な一方、ITSは1,665百万円(同16.7%減)と減益。外部要因として、行政DX推進・エネルギー政策・AI投資拡大がTTCの追い風となっているが、ITSは金融・カード分野の大型案件完了後の穴埋めと不採算案件対応が重なり収益性が低下。

ITSの重点分野(公共・電力、金融、データAI)へのリソース再配置が奏功するかが通期・次期中計の鍵を握る。

今回の通期修正予想(売上高125,000百万円、営業利益8,400百万円)は前回予想から売上高3,000百万円・営業利益900百万円の上方修正。しかし中間期実績(営業利益9,293百万円)に対し通期予想(8,400百万円)は下期に営業損失が発生する計算となり、季節性(3〜4月完了案件集中)に加え、三菱総研DCSの退職給付に係る数理計算上の差異(長期金利上昇局面での費用マイナス発生)が下期の利益を圧迫する見込み。

外部要因として長期金利の動向がITSセグメントの下期収益に直接影響する点に留意が必要。

成長戦略

事業再構築・TTC集中領域強化・ITS重点分野再配置で次期中計(2027年9月期開始)へ布石

電力・エネルギー、医療・介護、BA・AIを集中領域に位置づけ、研究・提言から社会実装までの価値連鎖を深化。2026年9月期中間期においていずれの分野も順調に成長し、TTC全体の外部売上高は33,562百万円(前年同期比16.1%増)、経常利益は8,431百万円(同49.3%増)を達成。

通期予想もTTC売上高51,500百万円・経常利益5,800百万円へ上方修正済み。

金融・カード分野の大型案件完了を踏まえ、産業・公共分野(公共・電力、人材・文教)、金融・決済分野(金融領域)、データAI分野を拡大領域に設定しリソースを重点配置。中間期は売上高39,009百万円(前年同期比6.8%増)と増収を確保したが、不採算案件の受注損失引当金計上により経常利益は1,665百万円(同16.7%減)と減益。

採算管理の強化が急務。

進化・発展の著しいAIを自社業務に積極的に取り込みつつ、新たなサービス提供にも活用するための投資を継続実施。TTCのBA・AI分野が集中領域として順調に成長しており、AI関連コンサルティング需要の取り込みが進んでいる。

具体的な投資額・効果の開示は限定的だが、中間期の利益率改善に寄与していると推察される。

2026年9月期を事業再構築のための1年と位置づけ、TTC・ITS両セグメントの選択と集中を徹底するとともに、両セグメントの相乗効果発現を目指す領域を明確化・絞り込む。日本成長戦略本部の戦略17分野への対応を軸に、将来の着実な成長への布石を打つ段階にある。

最終更新: 2026年7月17日