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ファーストブラザーズ株式会社

3454東証スタンダード不動産業

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ファーストブラザーズ株式会社3454

事業内容

ファーストブラザーズ株式会社は2004年設立の東証スタンダード上場の総合不動産投資会社。連結子会社24社・持分法適用関連会社1社で構成される。

主力の投資銀行事業では自己勘定で中小型賃貸不動産を全国規模で厳選取得し、バリューアップ後に売却益と賃貸収益を獲得するポートフォリオ運用を行う。投資運用事業では機関投資家向けに都心・大型不動産の私募ファンドを組成・運用し、AMフィーを収受。

施設運営事業では宿泊施設等のオペレーションを自社で担い、インバウンド需要を取り込む。売上高の約90%を投資銀行事業が占め、不動産売却益の再投資サイクルによりポートフォリオを持続的に拡大している。

ビジネスモデル

投資銀行事業では株主資本と金融機関借入(借入金残高56,484百万円、自己資本比率29.1%)を活用して賃貸不動産を取得し、期中に物件価値を最大化する施策を実施後、最適タイミングで売却。得られた売却益を次の取得原資に充当することで、ポートフォリオを持続的に拡大する循環型モデルを採用。

投資運用事業ではAMフィーによる安定収益を補完的に確保し、施設運営事業ではオペレーショナルアセットからの直接収益を積み上げる。

企業の強み

2025年11月期の投資銀行事業は売上高17,193百万円(前期比13.7%増)、営業利益6,289百万円(同66.0%増)を達成。大型かつ利益率の高い不動産売却を実行し、セグメント営業利益率は約36.6%に達した。セグメント資産82,383百万円に対する高い収益性が確認できる。

首都圏に限らず全国を投資対象とすることで良質な中小型賃貸不動産を厳選取得し、ポートフォリオの利回りを確保。2025年11月期末の設備投資総額は3,563百万円で、開発不動産の建設仮勘定2,017百万円・賃貸不動産等取得1,180百万円を実施。

短期的な利益平準化を目的とした安易な早期売却を行わない投資規律を明示している。

2004年設立以来、投資運用業・投資助言・代理業・第二種金融商品取引業・宅地建物取引業・総合不動産投資顧問業・貸金業等の多数の許認可を保有。2015年東証マザーズ上場、2016年東証一部昇格、2022年プライム移行と段階的に資本市場での信頼を構築してきた実績を持つ。

エンヴァリスの着眼点

2026年11月期中間期の親会社株主帰属純利益は2,437百万円(前年同期比988.3%増)と極めて強い数字を記録した。一方、通期予想は売上高17,730百万円(前期比7.0%減)、営業利益4,150百万円(同21.6%減)、当期純利益2,620百万円(同49.7%増)と設定されており、中間期で通期純利益予想の93%を既に達成している。

業績の季節・案件変動が大きい事業特性上、後半の物件売却動向が通期着地を左右する点を注視する必要がある。

2026年6月の日本銀行による追加利上げが発表され、同社の主な借入基準金利となる短期金利は緩やかな上昇傾向にある。中間期の支払利息は453百万円(前年同期比16.3%増)と増加しており、高水準の有利子負債(長期借入金合計53,644百万円)を抱える同社にとって金利上昇は収益圧迫要因となる。

また、都心部での不動産利回りの低下傾向から新規取得の選別が一層厳しくなっており、ポートフォリオ拡大ペースへの影響が懸念される。

2026年11月期中間期末の自己資本比率は31.8%(前期末29.1%)と改善し、1株当たり純資産も2,003.57円(前期末1,864.16円)に上昇した。純資産は28,209百万円と増加する一方、有利子負債(短期借入金・長期借入金合計)は54,047百万円と総資産88,333百万円の約61%を占める。

財務レバレッジの高さは不動産投資ビジネスの特性上やむを得ない面もあるが、金利環境の変化に対する感応度の高さは引き続き投資家が注視すべきリスク要因である。

成長戦略

不動産投資の深化・事業領域拡大・財務規律強化の三本柱で中長期成長を追求

全国を対象とした中小型賃貸不動産の厳選取得と売却益の再投資サイクルを継続。2026年11月期中間期は期初から積極的に物件取得・売却を実行し、売上高9,508百万円・営業利益3,164百万円を計上。引き続き新規物件取得を進めながらポートフォリオ規模の拡大を図る。

2026年2月に株式会社まきのとコーポレーションを連結子会社化し、地域活性化の観点から不動産とともに事業承継した醸造飲料等の製造事業に参入。のれん増加額は215百万円。不動産以外の投資機会も積極的に探索し、事業ポートフォリオの多様化を推進する。

2026年6月の日銀利上げを受け、投資基準や財務規律をより一層慎重にモニタリング。当期の事業計画には一定の金利上昇をあらかじめ織り込み済み。長期借入金の返済(中間期で6,151百万円返済)を進め、自己資本比率を前期末29.1%から31.8%へ改善させた。

前期末の減損処理によるのれん償却費大幅減少を契機に、施設運営事業の損益を黒字転換(中間期営業利益40百万円)。インバウンド需要を着実に取り込みながら、物価上昇に伴うコスト増への対応と運営効率化を継続し、安定的な収益貢献セグメントへの育成を目指す。

最終更新: 2026年7月17日