調剤報酬・薬価基準の改定リスク
調剤売上高は健康保険法に基づく薬価基準および調剤報酬点数により規定されており、令和元年以降は毎年薬価改定が実施されている。直近の改定率は令和6年4月△4.67%(薬剤費ベース)であり、今後の改定内容によっては収益に直接影響する。当社グループは対人業務加算や地域支援体制加算の取得推進により収益構造の多様化を図っているが、制度変更リスクを完全に回避することは困難である。
医療制度改定への対応リスク
健康保険法をはじめとする医療制度は頻繁に改定されており、門前薬局評価の見直し・大規模チェーン薬局への調剤基本料引き下げ・敷地内薬局規制強化など、チェーン薬局に不利な方向での改定が継続している。令和7年5月には医薬品医療機器等法の一部改正が公布され、調剤業務の一部外部委託や一般用医薬品の遠隔管理販売など業態変革を促す制度変更も予定されている。これらの動向によっては当社グループの事業モデルおよび業績に影響を及ぼす可能性がある。
許認可取消・営業停止リスク
調剤薬局事業の運営には薬局開設許可・保険薬局指定をはじめ、麻薬小売業者免許・高度管理医療機器等販売業許可など多数の許認可が必要であり、有効期限の更新漏れや法令違反により取消処分を受けるリスクがある。当社グループはこれまで営業停止・取消処分を受けた実績はないが、401店舗(令和7年5月31日現在)を展開する規模において、全店舗での許認可管理の徹底が求められる。万一処分を受けた場合は当該店舗の営業停止により業績に直接影響する。
有利子負債増加と財務制限条項リスク
M&A積極化に伴い有利子負債残高は令和5年5月期9,140百万円から令和7年5月期14,280百万円へ拡大し、総資産に占める有利子負債構成比は44.7%に達している。金融機関との借入契約6件には純資産維持・経常損益・EBITDAマルチプル・ネットレバレッジ倍率に関する財務制限条項が付されており、条項抵触時には融資継続が困難となる可能性がある。当社は現状において抵触懸念は少ないと認識しているが、今後の金利上昇や業績悪化局面では財政状態への影響が顕在化するリスクがある。
M&Aとのれん減損リスク
当社グループはスケールメリット確保のためM&Aを積極推進しており、令和6年5月期に48件、令和7年5月期に56件のM&Aを実施し店舗数を急拡大させている。買収前にデューデリジェンスを実施しているものの、買収後に予期しない問題が発生した場合や事業環境変化により計画未達となった場合、のれんの減損処理が必要となり業績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
薬剤師・登録販売者の確保難
医薬品医療機器等法により全調剤薬局に薬剤師の配置が義務付けられており、薬剤師・登録販売者の確保は業界共通の課題となっている。必要時に人材を確保できない場合、新規出店計画の遅延や既存店舗の事業運営に支障をきたす可能性がある。当社グループは現時点で全店舗の配置基準を満たしているが、M&Aによる急速な店舗拡大(令和6・7年5月期合計104件)に伴い人材需要が増大しており、確保難のリスクが高まっている。
固定資産の減損リスク
当社グループの固定資産の大半は店舗運営に供されており、不採算店舗や一部遊休状態の資産が存在する。「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき将来キャッシュ・フローによる回収可能性を検証しているが、増収努力・コスト削減・閉鎖・売却等の対策が計画通りに進展しない場合、追加的な減損損失を認識する可能性がある。M&Aによる店舗数拡大に伴い対象資産規模も増大しており、業績への影響が拡大するリスクがある。
調剤過誤による信用・賠償リスク
調剤過誤は患者の生命・健康に直結するリスクであり、当社グループは過誤防止システムの全店導入・複数体制でのチェック・「過誤防止委員会」の設置・全店舗での薬剤師賠償責任保険加入により対策を講じている。しかし万一重大な調剤過誤が発生した場合、社会的信用の失墜・訴訟提起・損害賠償等により業績に影響を与える可能性がある。
個人情報漏洩リスク
調剤業務において患者の個人情報を大量に取得・保管しており、グループ会社の株式会社寿データバンクもカルテ等の医療記録を管理している。当社は個人情報保護委員会の設置・全社員からの誓約書取得・ガイドライン整備を実施し、寿データバンクはプライバシーマーク・ISMS認証を取得している。万一事故・犯罪行為等により個人情報が漏洩した場合、社会的信用の失墜・損害賠償等により業績に影響を与える可能性がある。
医薬分業率低下と出店競争激化
医薬分業は国の政策として推進されてきたが、近年は分業率の伸び率が鈍化しており、将来的に低下した場合は調剤薬局事業の市場規模縮小につながる。また出店競争の激化により当社の出店基準を満たす立地確保が困難となるケースや、主応需医療機関の移転・廃業により出店後に計画通りの売上高が確保できないリスクも存在する。令和6・7年5月期に計104件のM&Aを実施し店舗数を401店舗まで拡大しているが、市場環境の悪化は業績に直接影響する。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月22日

