事業内容
株式会社柿安本店は1871年(明治4年)に三重県桑名市で牛鍋店として創業し、1968年に法人化。現在は精肉・惣菜・和菓子・レストラン・食品の5事業を展開する総合食品企業である。
松阪牛・自社ブランド「三重 柿安牛」を核とした精肉専門店(売上構成比38.3%)、百貨店・商業施設向け惣菜製造小売(同35.5%)、SC・駅ビル中心の和菓子「口福堂」(同18.4%)が三本柱。家庭内食・中食・外食の全領域をカバーし、全国の百貨店・ショッピングセンター・高速道路SAを主要販売チャネルとする。
2022年4月に東京証券取引所プライム市場へ移行。
ビジネスモデル
枝肉加工の社内一貫体制と厳選契約牧場からの仕入れにより、松阪牛・ブランド牛の安定調達と品質管理を実現。精肉・惣菜・和菓子の製造小売を百貨店・SC・駅ビル等の高集客施設に展開し、季節商品・限定商品・ギフト需要を取り込む。
WEB予約システム「ニクヨヤク」「カキヨヤク」やECサイト「柿安オンラインストア」によるオンライン販売も拡大中。複合型店舗展開により既存チャネルの収益効率向上も図る。
企業の強み
1871年創業の老舗として「柿安」ブランドを確立。松阪牛・自社ブランド「三重 柿安牛」を核に、厳選契約牧場からの仕入れと枝肉加工の社内一貫体制を持つ。松阪肉牛枝肉共進会落札牛を使用した高付加価値商品展開により、競合との差別化と価格優位性を維持している。
2025年4月期において精肉事業13,809百万円(構成比38.3%)、惣菜事業12,817百万円(同35.5%)、和菓子事業6,634百万円(同18.4%)と3事業で売上の92%超を占める。単一事業依存を回避した分散構造により、各事業の季節需要を補完し合う安定的な収益基盤を形成している。
2025年4月期末の純資産合計は15,044百万円、資産合計19,196百万円に対し負債合計は4,152百万円にとどまる。現金及び現金同等物は7,995百万円を保有し、有利子負債への依存なく新規出店・店舗改装等の投資を営業キャッシュフローから賄える財務健全性を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年4月期の43,910百万円をピークに3期連続で減少し、2026年4月期は36,072百万円(前期比0.1%減)とほぼ横ばいで推移。営業利益は2023期3,509百万円→2024期2,200百万円→2025期1,500百万円→2026期1,426百万円と急速に悪化し、ピーク比で59%減少。
外部要因として原材料価格の高騰・労働力不足・家計の節約志向が継続的に収益を圧迫。2026年4月期の当期純利益は811百万円(前期比15.7%増)と回復したが、これは特別損失の縮小(321百万円→110百万円)によるものであり、本業の収益力改善を示すものではない。
営業CF(1,541百万円)は前期(1,746百万円)から低下し、投資CF(△657百万円)は前期(△2,954百万円)から大幅改善。
成長戦略
既存店収益改善・ブランド商品強化・不採算店整理による収益構造の立て直し
2026年4月期に特別販売会を実施し大きな反響を得たことで対象店舗を拡大し定期開催化を決定。松阪牛ブランドとの相乗効果で精肉事業のセグメント利益は前期比31.3%増の1,020百万円を達成。高付加価値商品による客単価向上と利益率改善に直結する施策。
2026年4月期に3店出店・15店退店(うちレストラン事業5店)を実施。百貨店閉店に伴う退店も含まれるが、不採算店の整理を通じた固定費削減を推進。ただしレストラン事業の赤字は拡大しており、引き続き抜本的な事業見直しが必要な状況。
惣菜事業での新アレンジ商品(大海老マヨ~ジェノバソース~等)、和菓子事業での季節商品(いちご桜・いちご大福(桜)等)、食品事業での瓶詰シリーズ第2弾(8種類追加)、人気アニメーションデザイン商品展開など多角的な販売施策を実施。惣菜事業売上は前期比横ばい、和菓子事業は3.3%増を達成。
WEB予約システム「ニクヨヤク」の活用(肉の日イベント等)、ECサイト「柿安オンラインストア」経由の売上獲得、法人向け販路開拓に積極的に取り組む。デジタルチャネルの強化により店舗依存度を低減し、安定的な収益基盤の構築を目指す。
最終更新: 2026年7月17日

