事業内容
亀田製菓は1957年創業の国内米菓最大手で、「亀田の柿の種」「ハッピーターン」等の強力ブランドを擁する。国内米菓事業を収益基盤としつつ、北米(TH FOODS, INC.)・アジア(ベトナム・中国・タイ等)で米菓を製造販売する海外事業、長期保存食・植物性乳酸菌・米粉パン・プラントベースフードを手掛ける食品事業の3セグメントで構成。
当社・子会社18社・関連会社2社からなるグループ全体の2026年3月期売上高は138,052百万円。主要顧客は国内量販店・コンビニ等の小売流通から、北米グルテンフリー市場、官公庁・企業向け長期保存食まで多岐にわたる。
ビジネスモデル
国内では重点6ブランドへの資源集中と価格改定により収益性を高め、安定的なキャッシュを創出する。海外ではTH FOODS, INC.完全子会社化を軸に北米グルテンフリー市場を取り込み、アジアでは自社ブランドとOEMを組み合わせて展開する。
食品事業では長期保存食・機能性素材等の成長領域に投資し、第三の収益柱を育成する。将来的には固定資産依存から無形資産(ブランド・技術・ノウハウ)を軸とした「アセットライト」モデルへの転換を目指す。
企業の強み
「亀田の柿の種」「ハッピーターン」「亀田のつまみ種」「こつぶっこ」「技のこだ割り」「無限シリーズ」の重点6ブランドを擁し、2026年3月期国内米菓事業売上高72,309百万円を達成。価格改定後も主要5ブランドが前期比増収を維持し、ブランド力の高さを実証している。
米国(TH FOODS, INC.・KAMEDA USA)、タイ、ベトナム、中国、カンボジア、インドに製販拠点を持ち、1993年の米国関連会社化から30年超の海外事業実績を蓄積。2026年3月期にTH FOODS, INC.を完全子会社化し、海外事業売上高は49,477百万円(前期比187.0%増)に拡大した。
「お米総合研究所」を設置し、植物性乳酸菌K-1・K-2・米ペプチドKP-1の機能性研究、米粉パン・プラントベースフードの開発を推進。2026年3月期の研究開発費は1,559百万円。
長年の米菓量産技術・品質設計力は海外子会社への技術移転にも活用されており、競合が短期間で模倣困難な技術基盤を形成している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期94,992百万円を底に回復基調が続き、2026年3月期はTH FOODS, INC.完全子会社化(海外事業売上高前期比187.0%増)により138,052百万円と過去最高を更新。営業利益も7,528百万円(前期比36.9%増)と5期連続改善。
ただし純利益24,647百万円の大部分は段階取得差益20,598百万円(特別利益)によるもので、経常利益は7,501百万円(前期比8.5%増)にとどまる。外部環境として原料米価格の高止まりがコストプッシュ圧力となる一方、価格改定効果が国内米菓の収益性を押し上げた。
2027年3月期は売上高143,000百万円(前期比3.6%増)、営業利益8,300百万円(同10.3%増)を予想するが、純利益は4,300百万円(同82.6%減)と一時利益剥落により大幅減少する見通し。
成長戦略
国内米菓の収益基盤強化と北米・アジア・食品事業の拡大を「中長期成長戦略2030」で並走
「亀田の柿の種」(発売60周年)「ハッピーターン」(発売50周年)の周年プロモーション推進、プロダクトミックス改善・販促費効率化・生産能力増強を継続。2027年3月期も原燃料価格上昇に対応した追加価格改定を予定し、適正価格販売体制を構築する。
2025年4月に完全子会社化したTH FOODS, INC.(取得原価63,104百万円)において、既存事業(クランチマスター・OEM等)の成長と亀田製菓製品をベースとした新事業モデル「Lift & Shift」を展開。米菓製造技術・ノウハウ移転による新商品開発・生産性向上を図り、グルテンフリー食品市場の拡大を取り込む。
カンボジア・タイのOEM事業は戦略再構築とパートナーシップ深化を推進。ベトナム・中国の自社ブランド事業は堅調に推移しており、引き続き拡大を図る。バーツ高・輸出量減少等の外部環境変化への対応が課題。
長期保存食の新工場(2026年1月稼働)による生産能力増強で個人需要を開拓。植物性乳酸菌はKerry社との協働による北米展開に加えアジア市場参入へ挑戦。米粉パン・プラントベースフードは既存品販路拡大と新商品育成を継続。先行投資フェーズからの収益化が中期的な焦点。
2026年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を実施。投資単位当たりの金額を引き下げることで個人投資家を含む投資家層の拡大を図る。2027年3月期の年間配当予想は分割後ベースで24円(分割前換算72円)。
最終更新: 2026年7月19日

