事業内容
イシン株式会社は「世界的視野を持った事業家たちが差別化された事業を通じて社会の進化に貢献する」を理念に掲げ、公民共創事業(自治体向けマーケティング支援)、グローバルイノベーション事業(日系大手企業のオープンイノベーション支援)、メディアPR事業(成長ベンチャー企業向けブランディング支援)、HR事業(採用課題解決支援)の4セグメントを展開する。主要顧客は大手・中堅民間企業、地方自治体、成長ベンチャー企業、日系大手企業の新規事業担当者など多岐にわたる。
2024年3月に東京証券取引所グロース市場に上場し、2025年4月以降はHR事業を新たな高成長領域として積極投資フェーズに移行している。
ビジネスモデル
各セグメントでSTOCK売上(月額プラットフォーム利用料・会員費・RPO月額費用等)とSPOT売上(雑誌掲載料・イベント協賛金・人材紹介手数料・M&A成約報酬等)を組み合わせて収益を得る。公民共創事業のBtoGプラットフォームやグローバルイノベーション事業のBLITZ Portal、メディアPR事業のベストベンチャー100会員費がSTOCK収益の主軸を形成し、安定的な収益基盤を構築している。
企業の強み
2014年創刊の『自治体通信』は全国約1,780か所の自治体に直接無料配送され、自治体職員から高い認知を獲得している。加えて2026年3月末時点で元行政職員が10名以上在籍しており、自治体の実務・課題を踏まえた高付加価値提案が可能な点は競合他社が短期間で模倣困難な固有の強みである。
グローバルイノベーション事業のBLITZ Portalは、米国大手スタートアップデータベースCrunchbase, Inc.とのライセンス契約により、2026年3月末時点で約400万社以上の国内外企業データベースを搭載している。このデータ資産は他社類似サービスとの差別化要因として機能している。
1999年創刊の『ベンチャー通信』を起点に、ベストベンチャー100・大型カンファレンス等を通じて成長企業経営者との広範なネットワークを構築してきた。このネットワークはM&A仲介事業の案件創出やHR事業の求職者獲得・既存顧客へのクロスセルにも活用されており、各事業間のシナジー創出基盤となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高1,429百万円(前期比+2.5%)と3期連続増収を達成したが、営業利益は50百万円(同▲79.6%)、親会社株主帰属当期純利益は5百万円(同▲97.4%)と収益性が急激に悪化。HR事業への先行投資(採用人件費・業務委託費増加)と本社移転費用・過年度決算訂正関連費用・減損損失の計上が主因。
販管費は817百万円から996百万円へ+22%増加し売上総利益1,046百万円を上回る水準に迫った。営業CFは▲83百万円と前期の+102百万円から転落。
2027年3月期は売上高1,652百万円(+15.6%)・営業利益51百万円(+1.9%)・当期純利益33百万円(+610.1%)を予想しており、利益創出フェーズへの移行期と位置づけている。外部環境として物価上昇・人手不足によるコスト負担増大が引き続き費用面の逆風となっている。
成長戦略
HR事業を高成長エンジンに据え、M&A・新規事業開発で事業基盤を多角化拡大
主力の人材エージェントサービスが好調に進捗し、2026年3月期セグメント売上高は前期比+114.6%増の129百万円を達成。株式会社レプセルの子会社化によりHR領域のサービスを拡充。2027年3月期は全社売上成長をけん引する見通しで、積極的な増員・マーケティング投資を継続する方針。
2026年3月期に株式会社レプセル(HR領域)・株式会社OK Junction(自治体向けイベント企画運営)を子会社化し連結範囲を拡大。M&A仲介事業も新規立ち上げ、成長企業支援の領域拡大を推進。公民共創事業においてもM&A検討を含む事業基盤強化戦略を継続。
BLITZ Portalの新規受注鈍化を受け、次期は収益性改善および既存顧客基盤を活かした新規ソリューション開発を推進する方針。OK Junction子会社化による自治体向けイベント事業の取り込みで事業基盤を補強。2026年3月期のセグメント利益率は30.5%を維持しており、収益基盤自体は堅持。
業容拡大に伴う人員増への対応および組織基盤強化を目的に本社を品川へ移転完了。移転関連費用5百万円を2026年3月期に特別損失として計上済み。新オフィスを基盤に採用・人材育成を加速し、中期経営計画の利益創出フェーズへの移行を支える体制を整備。
最終更新: 2026年7月19日

