事業内容
株式会社ミスミグループ本社は、FA(ファクトリーオートメーション)向け標準部品・カスタム機械部品を提供するFA事業、自動車・電子機器向け金型標準部品を提供する金型部品事業、ミスミブランド以外も含むウェブ販売中心の一般流通品事業(VONA事業)の3セグメントを展開する。連結子会社60社を含むグループ全体で世界30万社超の顧客に「確実短納期」と「顧客の工数削減」という時間価値を提供しており、日本・中国・アジア・欧米にわたるグローバル生産・物流・販売網を構築している。
2026年3月期の連結売上高は441,383百万円に達し、製造業の自動化・省力化・デジタル化ニーズを幅広く取り込む事業構造を持つ。
ビジネスモデル
ミスミグループは、自社製品の開発・生産(メーカー機能)と他社ブランド品を含む多品種部品のウェブ販売(流通機能)を一体運営する独自業態を持つ。ECサイトやmeviy(デジタル自動見積もり・受発注プラットフォーム)を通じて顧客の設計・購買工数を削減し、IT・生産・物流基盤による確実短納期を付加価値として収益を得る。
標準品からカスタム品まで一貫して対応できる商品ラインナップと、グローバル拠点網による供給体制が競争優位の源泉となっている。
企業の強み
FA事業・金型部品事業でのメーカー機能とVONA事業での流通機能を一社グループ内に併せ持つ業態は業界内で希少。2026年3月期において3セグメント合計売上高441,383百万円を達成し、標準品からカスタム品・他社ブランド品まで一括調達ニーズに対応できる体制が顧客の購買工数削減に直結している。
連結子会社60社を擁し、日本・中国・アジア・欧米・インドにわたる生産・物流・販売拠点を構築。中国・アジアの通信関連・半導体関連需要が堅調な一方、自動車関連が低迷する局面でも地域分散効果により全セグメントで増収を達成(2026年3月期売上高前期比+9.8%)。
グローバル確実短納期を支えるIT・生産・物流基盤を継続的に進化させている。
カスタム機械部品の自動見積もり・受発注AIプラットフォーム「meviy」は、2023年に第9回ものづくり日本大賞「内閣総理大臣賞」を受賞。2D図面対応や商品領域拡大など機能拡充を継続しており、2025年6月に買収したFictiv Inc.との連携によりデジタル精密加工領域への事業拡大とシナジー創出を進めている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の367,649百万円を底に2期連続で加速的に拡大し、2026年3月期は441,383百万円(前期比9.8%増)と過去最高を更新した。営業利益は47,613百万円(前期比2.4%増)と増益を確保したが、Fictiv買収に伴うM&A関連費用・のれん償却2,209百万円・無形固定資産償却が重石となり利益率は10.8%(前期11.6%)へ低下。
親会社株主帰属純利益は40,457百万円(前期比10.7%増)と過去最高で、米国連結納税制度導入による繰延税金資産計上が寄与した。外部要因として中国・アジアの通信関連・半導体関連需要が追い風となった一方、自動車関連の低迷と米国関税政策による需要低迷が一部地域で逆風となった。
営業CFは52,190百万円と高水準を維持するが、Fictiv取得支出48,483百万円を含む投資CFの拡大により現金残高は128,259百万円から104,202百万円へ減少した。
成長戦略
デジタルモデルシフト・Fictivシナジー・グローバル展開の三位一体で持続的拡大を目指す
meviy(カスタム部品デジタル受発注)とFictiv Inc.(米国カスタム機械部品オンライン調達)の統合により、設備製造から商品開発領域まで顧客バリューチェーンを川上に拡大。Fictivは米国・中国・インド・メキシコの4拠点・約250社のパートナーネットワークを保有し、meviyとの補完関係でシナジー創出を目指す。
エコノミーシリーズ展開やD-JITによる生産間接材購買プロセスDX化を通じ、中国・アジアの通信関連・半導体関連顧客を積極攻略。2026年3月期に中国売上高91,947百万円(前期比15.9%増)、アジア72,045百万円(前期比12.6%増)と成果が顕在化している。
floow・D-JIT等のデジタルモデルシフト施策により顧客獲得コストを抑制しながら売上を拡大。2026年3月期VONA営業利益率は9.7%(前期8.1%)へ改善し、28.8%増益を達成。製造・自動化関連設備部品とMRO間接材の一括調達ニーズへの対応が全地域で奏功した。
2028年3月期第4四半期よりIFRS任意適用を予定。グローバル機関投資家への情報開示品質向上と資本コスト低減を目指す。現在は日本基準で開示しており、IFRS移行に向けた準備を進めている段階。
2026年3月期の年間配当は52.98円(配当性向35.0%)と前期43.21円から増配。当期は自己株式25,000百万円を取得し、後発事象として2026年5月〜2027年3月に上限30,000百万円・13,000,000株の追加取得を決議。
配当性向目標は2027年3月期予想で37.5%へ引き上げ。
最終更新: 2026年7月19日

