事業内容
平和紙業株式会社は1946年創業の和洋紙専門商社で、東京証券取引所スタンダード市場に上場する。主力の和洋紙卸売業では、ファンシーペーパー・ファインボード・高級印刷紙・技術紙など高付加価値特殊紙を中心に、国内外の印刷・出版・パッケージ・工業用途向けに販売する。
連結子会社として物流・保管・紙加工を担う平和興産株式会社、和紙販売の株式会社辻和、海外販売の平和紙業(香港)有限公司を擁する。第二セグメントとして大阪・名古屋地区の自社保有不動産の賃貸・管理を行う不動産賃貸業も展開している。
ビジネスモデル
和洋紙卸売業では、メーカーから仕入れた高付加価値特殊紙を在庫として保有し、デザイン・クリエイティブ部門等への提案型営業で付加価値を訴求して販売する。展示会・ギャラリーイベント・SNSを活用したブランド認知拡大も収益基盤を支える。
不動産賃貸業では、大阪・名古屋地区の自社保有物件を賃貸に供し、安定的な賃料収入を得る構造である。
企業の強み
ファンシーペーパー・技術紙・高級印刷紙等の高付加価値特殊紙を主力とし、1954年からオリジナル商品による在庫販売を開始した長年の実績を持つ。技術紙は2026年3月期に前期比7.0%増と成長しており、縮減する印刷・情報用紙市場に依存しない商品構成を構築している。
東京・大阪・名古屋・福岡・仙台・広島・札幌に拠点を持ち、若洲デポ・稲田デポ・名古屋デポ等の自社倉庫網を整備する。物流・保管・紙加工を担う連結子会社平和興産株式会社が一体運営し、外部顧客向け物流受託も開始するなど効率的な倉庫運営を図っている。
2026年3月期にはメーカーと共同でFSC森林認証紙「特A・DLC」を企画・開発するなど、商品企画・開発機能を持つ。東京・大阪・名古屋のギャラリー等でのイベント開催やSNSを活用した情報発信により、デザイン・クリエイティブ部門等の採用決定権者への直接訴求を行っている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期15,619百万円から2024年3月期16,124百万円まで緩やかに拡大したが、その後2期連続で減収となり2026年3月期は15,797百万円。営業利益は2022年3月期162百万円→2026年3月期99百万円と低下傾向が鮮明で、営業利益率は0.6%まで低下した。
外部要因として印刷・情報用紙の構造的需要減少・物価上昇・米国関税措置による海外販売減が重なった。一方、売上総利益は3,287百万円と前期比微増しており、仕入コスト管理は機能しているが、販管費3,188百万円の高止まりが利益を圧迫している。
営業CFは1,046百万円と大幅改善(前期260百万円)し、有利子負債も1,722百万円に圧縮された。
成長戦略
高付加価値特殊紙へのシフト・不動産収益化・特殊素材事業拡大の三本柱
合成紙・偽造防止用紙・耐水撥水性機能紙等の技術紙は2026年3月期に前期比7.0%増と唯一の増収品目。高級パッケージ用途や機能紙分野への販売・商品開発シフトを継続強化し、縮減する印刷・情報用紙依存からの脱却を図る。
大阪HSK南船場ビルは2025年3月に耐震補強・リニューアル完了し、2026年4月より一部賃貸借契約が成立。名古屋地区の等価交換取得物件(オフィス・賃貸住宅)は2026年2月に引き渡し完了し、2027年3月期の収益化を計画。
不動産セグメント資産は1,116百万円に拡大しており、本格稼働による収益貢献が期待される。
脱炭素・脱プラスチック・SDGs等の社会要請に対応したサステナブル商材の開発と付加価値創出による新規需要開拓を推進。展示会・商品説明会・SNS等を活用した継続的な情報発信でブランド認知拡大と新規顧客獲得に注力する。
紙・板紙の枠を超えた特殊素材分野への開発調査を継続し、事業エリアの拡大を図る。既存の紙専門商社としての知見・顧客基盤を活用しながら、新たな素材領域への参入を模索している段階。
最終更新: 2026年7月19日

