事業内容
イノテック株式会社は、当社および子会社20社・関連会社1社で構成されるエレクトロニクス分野のトータルソリューションプロバイダーである。事業は「テストソリューション」「半導体設計関連」「システム・サービス」の3セグメントに分かれ、半導体メモリー向けテストシステム・プローブカード、EDAソフトウェア・LSI受託設計、組込みCPUボード・キャッシュレス決済端末・組込みソフト検証ツールまで幅広い製商品・サービスを提供する。
主要顧客は半導体メーカー・自動車メーカー・社会インフラ・防衛関連企業など多岐にわたり、国内外に事業拠点を有するグローバル体制を構築している。
ビジネスモデル
テストソリューション事業では自社開発の半導体テストシステムおよびSTAr Technologies社のプローブカード・信頼性評価装置を販売し、高付加価値製品による利益率向上を図る。半導体設計関連事業ではケイデンス社EDAソフトウェアの長期契約販売・保守サービスを安定収益基盤とし、LSI受託設計やシミュレーションモデル開発で付加価値を積み上げる。
システム・サービス事業では組込み製品販売に加え、決済端末のクラウドサービス収入などストック型ビジネスを拡大し、業績の安定性を高める構造を志向している。
企業の強み
半導体テストシステムを自社開発し、台湾STAr Technologies社のプローブカード・信頼性評価装置と組み合わせることで、テスト工程の上流から下流まで一貫したソリューションを提供できる。2026年3月期にテストソリューション事業の売上高は18,456百万円(前期比23.2%増)に達し、前期のセグメント損失312百万円からセグメント利益1,190百万円へと黒字転換を果たした。
米国ケイデンス社製EDAソフトウェアの長年の取扱い実績に基づく知見と顧客との長期契約更新が安定収益を支える。半導体設計関連事業の売上高は2026年3月期に13,729百万円(前期比5.7%増)、セグメント利益は前期比43.6%増の656百万円と着実に拡大しており、受注残高も16,027百万円(前期比29.6%増)と高水準を維持している。
組込みCPUボード「INNINGS」、AIカメラシステム、キャッシュレス決済端末、組込みソフト検証ツールなど複数の自社ブランド製品を保有し、特定事業への依存を分散する。財務面では自己資本比率54.8%、D/Eレシオ0.19倍(中計目標0.5倍以下)と健全な財務基盤を維持しており、機動的な成長投資余力を確保している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期37,238百万円から2026年3月期46,737百万円へ5期で25.5%拡大。営業利益は2025年3月期1,887百万円(2期連続減少)から2026年3月期3,108百万円へ64.7%増と急回復した。
主因はテストソリューション事業がセグメント損失312百万円から利益1,190百万円へ黒字転換したことで、外部要因として半導体メモリー市況の好転と海外向け新製品需要の拡大が寄与した。親会社株主帰属当期純利益は固定資産売却益2,911百万円等の特別利益を含み4,111百万円(前期比242.6%増)。
次期は売上高50,000百万円・営業利益3,700百万円・当期純利益4,850百万円(固定資産売却益見込み含む)を予想している。
成長戦略
テスト事業の製品多様化・設計関連の安定拡大・システム事業の新領域開拓を三本柱に推進
海外向け新製品テスターの販売を継続拡大するとともに、メモリー以外の周辺ソリューション(CMOSイメージセンサー向け等)や高周波・化合物半導体・パワー半導体分野への展開を推進。STAr Technologies社のプローブカード事業はAI関連需要を背景に好調継続を見込むが、研究開発投資強化により利益面では減益の見通し。
次期は複数の大型EDA契約更新に注力するとともに、システム製品向けツールの拡販を推進。三栄ハイテックスの国内半導体関連事業は堅調見込みだが、ベトナム子会社のAI関連需要低迷が継続リスク。モーデックの研究開発プロジェクト受託が業績貢献を期待される。
防衛向け組込み製品の継続需要に加え、自社ブランド「INNINGS」のデータセンター向け需要拡大を推進。アイティアクセスのクラウド決済サービスによる安定収入を維持しつつ、セキュリティ関連事業の立ち上げによる新規収益貢献を目指す。車載関連は自動車業界の投資抑制により一定の影響を受ける見通し。
固定資産売却(本社土地・建物等)を活用した特別配当の実施と自己株式取得(上限1,000,000株・2,500百万円、2026年5月〜12月)を組み合わせ、ROE向上と株主還元を両立する資本政策を推進。2026年3月期ROEは15.9%(前期4.8%)に大幅改善。
最終更新: 2026年7月19日

