事業内容
加藤産業グループは1947年創業の総合食品卸売業者で、加藤産業㈱を中核に子会社46社・関連会社1社で構成される。国内では常温流通(加工食品)・低温流通(要冷品)・酒類流通の3事業を展開し、スーパー・ドラッグストアを主要顧客とする。
海外ではマレーシア・ベトナム・シンガポール・中国の4カ国で食品卸売を行い、アジア地域での事業拡大を成長戦略の柱に位置づける。物流子会社(マンナ運輸㈱、カトーロジスティクス㈱等)がグループ内物流を支援し、一貫した食品流通インフラを構築している。
2025年9月期の連結営業収益は1,214,265百万円に達する。
ビジネスモデル
食品メーカーから商品を仕入れ、スーパー・ドラッグストア等の小売業者へ販売する卸売機能を核とする。提案型営業・採算管理の徹底・デジタル技術活用による業務効率化で収益性を高める。
物流子会社との連携で物流コストを抑制しつつ、自社ブランド商品の開発・拡売も行う。海外では現地卸売企業の買収・連結化により規模を拡大し、日本で培った営業力・経営管理手法を現地に浸透させる戦略を採る。
企業の強み
常温・低温・酒類・海外の4セグメントを擁し、2025年9月期の合計営業収益は1,214,265百万円。常温流通事業単独で741,260百万円と国内最大規模の常温食品流通を担う。
海外はマレーシア・ベトナム・シンガポール・中国で95,746百万円の収益を計上し、地理的分散によるリスク分散と成長機会の両立を実現している。
2021期から2025期にかけて営業収益は1,137,101百万円→1,214,265百万円へ拡大(2022期を除き増収基調)。営業利益は2021期11,612百万円から2025期18,180百万円へ約57%増加。
採算管理の徹底と提案型営業推進が収益改善を牽引しており、2025期の常温流通事業営業利益は前期比10.2%増の14,353百万円を達成した。
マンナ運輸㈱・カトーロジスティクス㈱・沖縄ロジスティクス㈱の物流子会社3社がグループ内物流を受託し、外部依存を低減。2025年9月期の設備投資総額16,059百万円のうち常温流通事業だけで15,096百万円を投じ、物流センター用地取得・新築工事を推進。物流機能の内製化が差別化要因となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は1,035,664百万円(2022期)から1,214,265百万円(2025期)へ拡大基調。2026年9月期中間期の営業収益は626,921百万円(前年同期比2.7%増)と増収を継続。
営業利益10,451百万円(同3.0%増)・経常利益11,639百万円(同5.4%増)と本業も改善。親会社株主帰属中間純利益は政策保有株式売却益(2,331百万円)の計上もあり8,915百万円(同22.9%増)と大幅増益。
外部要因として食品値上げによる単価上昇が売上高を押し上げる一方、人件費・物流コスト上昇が販管費(35,894百万円、前年同期比4.6%増)を圧迫している。通期営業利益予想17,500百万円は前期比3.7%減と下期の費用増を織り込んでいる。
成長戦略
国内卸売機能のデジタル深化とアジア4カ国食品流通の利益体質転換を両輪とする
購買データ・デジタル技術を活用した得意先への商品・売場提案強化と業務効率化を推進。2026年9月期中間期に常温流通営業利益8,005百万円(前年同期比2.4%増)、低温流通851百万円(同13.9%増)と成果が表れている。
マレーシア・ベトナム・シンガポール・中国での食品卸売事業において、日本国内の営業力・経営管理手法の浸透と取り扱いブランド・コスト構造の見直しを推進。2026年9月期中間期にセグメント利益161百万円と黒字転換を達成。
政策保有株式の売却(2026年9月期中間期に投資有価証券売却益2,331百万円計上)を進めつつ、自己株式取得(620,000株・3,920百万円)と増配(通期160円、前期比14.3%増)により株主還元を強化している。
飲酒人口減少・異業種競合激化という構造的逆風下で、利益管理徹底・業務効率化・ローコストオペレーションを推進。2026年10月のビール類税率一本化による市場拡大効果を取り込む提案型営業の強化を図る。
最終更新: 2026年7月17日

