事業内容
株式会社グルメ杵屋は1967年創業、1971年に実演手打うどん「杵屋」1号店を出店して以来、うどん・そば・洋食・和食・アジア料理など多業態を全国34都道府県359店舗(フランチャイズ84店舗含む)で展開するレストラン事業を主軸とする。これに加え、関西国際空港での機内食製造(㈱エイエイエスケータリング)、業務用冷凍食品製造(㈱アサヒウェルネスフーズ)を束ねたODM・OEM事業、大阪木津卸売市場の経営・不動産賃貸事業、水間鉄道による地方鉄道・バス事業、米穀卸売・水産物卸売・マレーシアでの中食製造事業を擁する。
連結子会社7社・持分法適用関連会社1社で構成され、売上高44,090百万円規模の総合フードビジネスグループを形成している。
ビジネスモデル
レストラン事業では直営・フランチャイズ店舗を通じて最終消費者へ直接販売し、客単価と客数の積み上げで売上を形成する。ODM・OEM事業では委託元企業からの受注に基づき機内食・冷凍おせち・冷凍宅配弁当を製造・供給し、安定的な受注収益を得る。
不動産賃貸事業は大阪木津卸売市場の入居テナントから賃料・駐車場収入を得る高利益率の安定収益源として機能する。各事業の収益特性が異なるため、景気変動に対する耐性を持つポートフォリオ構造となっている。
企業の強み
ODM・OEM事業は2026年3月期売上高14,977百万円、セグメント利益824百万円(利益率約5.5%)を計上し、前年同期比で売上高9.3%増・利益14.4%増の増収増益を達成した。冷凍おせち・冷凍宅配弁当・機内食の三本柱で受注が拡大しており、グループ全体の利益を牽引する中核セグメントとなっている。
大阪木津卸売市場の経営・不動産賃貸事業は2026年3月期売上高717百万円に対しセグメント利益323百万円、利益率約45%を誇る高収益セグメントである。入居率は堅調に推移し、駐車場収入等の付帯収益も増加しており、外食事業の収益変動を補完する安定的なキャッシュ創出源として機能している。
レストラン事業は全国34都道府県に359店舗(フランチャイズ84店舗含む)を展開し、うどん・そば・洋食・和食・アジア料理等の多業態を保有する。1971年の「杵屋」1号店出店以来50年超の運営実績を持ち、空港・商業施設等の多様な立地に対応できる業態ラインナップが競合との差別化要因となっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期23,272百万円から2026年3月期44,089百万円へ5期連続増収を達成。しかし営業利益は2025年3月期の947百万円から2026年3月期523百万円へ44.7%減と急悪化した。
要因は①米価格高騰への価格転嫁の遅れ、②最低賃金上昇による人件費増、③修繕費増加、④大阪・関西万博関連費用の計上。外部環境として原材料・エネルギー価格の高止まりと人手不足が継続しており、外食産業全体に逆風が吹く。
2027年3月期は営業利益760百万円(前期比45.1%増)を予想するが、コスト環境の改善と価格転嫁の浸透が前提となる。
成長戦略
中期経営計画のもとODM・OEM拡大とレストラン事業の収益力再構築を推進
株式会社MEAL HUBを通じてLSG APACのアジア太平洋各国・地域の機内食関連企業群との連携を図り、グループシナジーを創出。冷凍宅配弁当市場での有力プレイヤー地位の確保と生産体制の効率化を並行推進。2026年3月期はセグメント利益824百万円(前期比14.4%増)と順調に拡大。
建築費・人件費高騰を踏まえ、競争力の高い立地・業種業態に厳選して出店。創業ブランド「杵屋」を中心に自家製麺の付加価値再認知・浸透を図り、ほぼ全業態での価格改定効果の定着を目指す。2026年3月期は退店21店舗に対し新規出店5店舗と退店超過が続いており、既存店強化が急務。
1970年大阪万博以降に成長してきた企業グループとして今回の大阪・関西万博に積極参加。手打ちうどんや大阪の食文化を発信し、外食にとどまらない幅広いフードビジネス企業としての認知度向上と新たなパートナー探索を推進。関連費用は販管費に計上済みで2026年3月期の利益を圧迫した。
2025年5月に公表した中期経営計画のもと、グループビジョン「おもてなしで付加価値の創造を紡ぐ」を掲げ、ODM・OEM事業戦略室の新設等の組織変革を実施。事業収益の最大化と企業風土の変革を推進。2026年3月期が初年度となるが、営業利益は計画比で厳しい出発となった。
最終更新: 2026年7月19日

