事業内容
福井コンピュータホールディングスは、建築・測量・土木の3分野に特化したCADソフトウェアおよびBIMシステムを開発・販売する持株会社グループである。建築設計事務所・工務店・ハウスビルダー・ゼネコン・測量会社・土地家屋調査士・土木施工業者など建設業界全般を主要顧客とし、設計から施工・維持管理に至る建設ライフサイクルを支援するソリューションを提供する。
1979年創業、福井県福井市に本社を置き、東京証券取引所プライム市場に上場。2026年3月期の連結売上高は16,653百万円と過去最高を更新した。
ビジネスモデル
製品ライセンス(パッケージソフト)の初期販売に加え、保守サービス・WEBサービス・使用権等のストック型サービスによる年間定期収益(ARR)を積み上げる複合モデルを採用する。価格改定による1社当たり収益(ARPA)の継続的拡大と、既存顧客のライセンス増設による顧客単価向上が収益性を高める構造となっており、2026年3月期の営業利益率は43.6%に達する。
企業の強み
建築CAD・BIM、測量CAD、土木施工管理の3分野を単一グループで開発・販売する体制は国内で希少であり、建設ライフサイクル全体をカバーするソリューション提案が可能。2026年3月期において建築システム事業売上高8,032百万円・測量土木システム事業売上高7,861百万円と両事業が均衡した規模を持つ。
保守サービス・使用権等のストック型サービスが安定的な年間定期収益(ARR)を形成し、測量土木システム事業の営業利益率は46.9%、ITソリューション事業は76.4%に達する。グループ全体の営業利益率も43.6%と高水準を維持しており、価格改定によるARPA拡大効果が通期にわたり寄与している。
2026年3月期末の総資産36,816百万円に対し純資産30,078百万円、自己資本比率81.7%。現金及び現金同等物期末残高21,485百万円を保有し、運転資金・設備投資・CVC投資・R&D投資を全て内部資金で賄う無借金経営を実現している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高推移は2023期に一時減収(13,630百万円)となった後、2024期から回復基調に転じ、2026年3月期は16,653百万円と過去最高を更新した(前期比+13.2%)。営業利益も7,263百万円(同+19.4%)と過去最高で、営業利益率は43.6%まで改善。
外部要因として建築基準法改正対応需要・i-Construction推進・BIM/CIM普及が追い風となった。一方、2027年3月期会社予想は売上高16,643百万円(▲0.1%)、営業利益6,895百万円(▲5.1%)と減収減益を見込んでおり、成長軌道は踊り場局面に入る可能性がある。
純利益は投資有価証券評価損845百万円の計上により4,313百万円(前期比+3.0%)にとどまった。
成長戦略
コアCAD事業の深化・ストックビジネス拡大・CVC投資の三位一体で建設DXを牽引
住宅事業における主要ソフトウェアの機能拡充と、BIM事業における施工フェーズへのソリューション提供拡大により売上増加を図る。BIM確認申請制度の本格化を見据えた市場関心の高まりを取り込み、ARR・ARPAの継続的拡大を目指す。
2026年3月期は建築システム事業売上高8,032百万円(前期比+16.3%)を達成し、施策は順調に進捗している。
国土交通省推進のi-Construction 2.0やBIM/CIM原則適用を成長機会と捉え、測量・土木事業における建設業の生産性向上に寄与する新ソリューションの開発と既存ソフトウェアの機能改善・深掘りにより継続取引社数の拡大を図る。3DGS・AR技術対応等の新技術への迅速な対応が差別化要因となっている。
2026年3月期は同事業売上高7,861百万円(前期比+9.7%)を達成。
当社グループの事業領域と関連性の高い建設テックスタートアップ・ベンチャー企業を投資対象とし、技術・ノウハウの共有やビジネスパートナーシップ構築を通じてグループの持続的成長を支援する。中期経営計画(2025〜2027年度)においてCVC投資を成長投資の柱と位置づけているが、2026年3月期に投資有価証券評価損845百万円を計上しており、投資ポートフォリオの質の向上が課題となっている。
既存顧客へのライセンス増設促進と価格改定による単価改善を組み合わせ、ARR(年間定期収益)およびARPA(1社当たり年間定期収益)の継続的拡大を図る。2026年3月期は価格改定効果が通期にわたり寄与し、両事業の増収増益に貢献した。
ストック型収益の積み上げが業績の下支えとなり、外部環境変化に対する耐性を高めている。
最終更新: 2026年7月19日

