事業内容
株式会社ナックは1971年創業のダスキン加盟店を起源とする複合企業体。宅配水・浄水型ウォーターサーバーを全国展開する「クリクラ事業」、ダスキン・害虫駆除・清掃・原状回復を担う「レンタル事業」、地場工務店向けコンサルティングの「建築コンサルティング事業」、戸建注文・分譲住宅の「住宅事業」、化粧品・健康食品の「美容・健康事業」の5セグメントで構成。
連結子会社15社を含むグループ全体で売上高58,919百万円(2026年3月期)を計上。定期顧客を抱えるストック型ビジネスを中核に、M&Aを活用した事業領域の拡大を継続している。
ビジネスモデル
クリクラ・レンタル・美容健康の各事業は定期顧客との継続的な取引を基盤とするストック型収益構造を持つ。配送・訪問ルートを活用した「ラストワンマイル」の顧客接点を強みに、クロスセルや複数年プランによるLTV向上を図る。
建築コンサルティング・住宅事業はフランチャイズ加盟店への商品・ノウハウ販売と住宅請負・分譲販売で収益を得るフロー型モデルを補完的に組み合わせている。
企業の強み
クリクラ事業では約700台規模の配送車両を活用した直営・加盟店ネットワークを全国展開し、レンタル事業でも関東・北海道・福岡・愛知・関西圏に拠点を持つ。定期顧客との継続取引を基盤とするストック型収益構造が安定的なキャッシュフローを支えており、2026年3月期の営業キャッシュフローは1,323百万円を確保している。
2013年以降、JIMOS・ジェイウッド・ケイディアイ・トレミー・キャンズ・秀和住研・コンビボックス・クリクラ愛媛など多数の企業をM&Aにより子会社化。直近では2026年1月に株式会社クリクラ愛媛を子会社化するなど、フランチャイズ加盟店の事業承継支援を含む継続的なM&Aにより営業エリアと顧客件数を拡大してきた実績を持つ。
オンライン販売を中心とする小型浄水型ウォーターサーバー「putio(プティオ)」は市場の需要拡大に伴い顧客獲得が引き続き好調に推移し、2026年3月期の売上高は前期比で大幅増加。販売促進費を抑制しながら顧客獲得が順調に推移したことで販促効率が向上し、クリクラ事業全体の営業利益は前期比196百万円増加(11.9%増)となった。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2025年3月期の59,791百万円から2026年3月期は58,919百万円へ1.5%減少。過去5期では2024年3月期の54,433百万円を底に2025年3月期に回復したが、2026年3月期は再び減収となった。
営業利益は3,007百万円から2,483百万円へ17.4%減。住宅事業(前期比12.6%減収・30.5%減益)と建築コンサルティング事業(同8.5%減収・76.9%減益)が大幅に悪化し、建築基準法改正に伴う着工遅延・確認申請審査長期化が外部要因として直撃した。
一方、クリクラ事業は売上高2.9%増・営業利益11.9%増と堅調。営業キャッシュ・フローは前期の4,136百万円から1,346百万円へ大幅減少しており、棚卸資産増加(916百万円)や法人税支払増が影響した。
成長戦略
長期ビジョン2035のもと、ラストワンマイルとLTV最大化を軸に3ヵ年投資フェーズを推進
2026年1月のクリクラボトル価格改定を実施し、解約率は想定を下回る水準で推移。複数年プラン導入・CrePF(クリクラプラットフォーム)の加盟店展開・動画教育ツールによる配送員スキルアップを通じ、顧客定着とLTV向上を図る。浄水型「putio」の顧客獲得も好調に推移。
ダスキン加盟店のM&A・事業承継による販売網拡大と、ケアサービス部門のアウトバウンド営業強化を推進。2026年3月期は新規出店コストが先行し営業利益は4.5%減となったが、出店店舗の収益性向上が中期的な利益貢献を見込む。
建築基準法改正(4号特例縮小・確認申請審査長期化)による着工遅延が2026年3月期業績を直撃。住宅事業では都内23区の用地仕入強化・高付加価値建築のブランド確立、建築コンサルティングではAI・DX活用支援商品の受注獲得に注力するが、市場環境として住宅着工棟数の減少傾向が継続しており回復には時間を要する見込み。
韓国食品スーパー「Yesmart」(7店舗運営)、「買取大吉」FC加盟店(6店舗)等の新規事業を「その他」セグメントとして新設。2026年3月期は売上高1,933百万円(前期比51.0%増)の一方、営業損失231百万円と先行投資段階。今後は既存店舗の収益性向上と運営最適化にシフトする方針。
2026年3月期においても株式会社クリクラ愛媛・有限会社ダスキンヤマナカの子会社化、複数の吸収合併を実施。既存事業の枠にとらわれない新規事業開発とM&Aによる事業規模拡大を「長期ビジョン2035」の実現手段として継続的に推進している。
最終更新: 2026年7月19日

