学齢人口の減少
少子化による学齢人口の減少は受験人口の減少に直結し、学習塾事業の根幹を揺るがす構造的リスクである。当社グループはena(集団授業)、ena個別、enaオンラインclass、家庭教師Campなど多様なブランドを展開し、幅広い教育ニーズへの対応で影響を緩和しようとしている。ena歯学・薬学・看護やena美術など専門分野への展開も多角化の一環として位置付けられている。
競合激化と参入障壁の低さ
学習塾業界は参入障壁が低く、新規開校・閉校・業界再編が頻繁に繰り返されており、講師の引き抜きや教材ノウハウの模倣リスクにも常時さらされている。当社グループは都立中高一貫校・難関高校入試対策で差別化を図っているが、合格実績が競合先に対して相対的に低下した場合や対象校の志望者数が減少した場合には業績に悪影響が及ぶ可能性がある。授業の質と合格実績の追求により生徒数・校舎数を拡大し、リスク吸収力のある事業基盤の構築を目指している。
人材確保・育成の困難
質の高い授業提供と新規校舎展開には優秀な社員・時間講師の確保が不可欠であり、最重要課題と位置付けられている。少子化による労働人口減少と教育業界での人材獲得競争の激化により、必要な人材を十分に確保できない場合には業績に影響を及ぼす可能性がある。多様な採用チャネルの活用、体系的な研修プログラムの実施、職場環境の整備等で対応しているが、リスクの完全な排除は困難な状況にある。
個人情報漏洩リスク
多数の生徒に関する個人情報を保有しており、情報漏洩が発生した場合は信用低下を通じて業績に重大な影響を及ぼす可能性がある。情報セキュリティ基本方針の策定、社内規程の整備、役職員への啓蒙活動により未然防止を図っているが、外部流出リスクをゼロにすることはできない。教育サービス事業の性質上、生徒・保護者の個人情報は特に機微性が高く、信頼失墜のリスクは事業継続に直結する。
災害・感染症による事業中断
校舎展開地域での大規模地震等の災害や感染症の発生により、一部または全部の業務遂行が困難となる可能性がある。新型コロナウイルス感染症のように想定を大きく上回る規模の事態が発生した場合には業績への影響が特に大きくなる。当社グループは体制整備に努めているが、想定外の規模の災害・感染症に対する完全な備えは困難である。
教育制度変更への対応リスク
入試制度の変更や学習指導要領の改訂等、行政機関による教育制度変更が頻繁に行われており、これへの対応が当社グループの競争力に直接影響する。制度変更への早期対応が遅れた場合は生徒数の減少を招き、業績に悪影響を及ぼす可能性がある。当社グループは制度変更に応じた入試対策・学習指導の見直しを継続的に実施している。
事業拠点の地域集中リスク
運営校舎が関東圏、特に東京都に集中しており、当該地域での人口動向悪化や競合激化の影響を直接受けやすい構造となっている。今後は千葉県・埼玉県への展開を方針としているが、適切な物件を適切な時期に確保できない場合は開校計画が遅延するリスクがある。地域集中は自然災害リスクとも連動しており、東京都に大規模災害が発生した場合の事業影響は特に大きい。
固定資産の減損リスク
校舎設備・賃貸用不動産等の有形固定資産に加え、企業買収に伴うのれんを計上しており、事業収益性の大幅低下や不動産市場価格の著しい下落が生じた場合には減損損失が発生する可能性がある。減損損失の計上は当社グループの業績および財政状態に直接的な悪影響を及ぼす。校舎展開を継続的に拡大する事業モデル上、固定資産残高は今後も増加する見込みであり、リスクの重要性は高い。
差入保証金の回収リスク
多数の賃借物件を利用した校舎展開に伴い、賃貸人に対して相当額の差入保証金を預託しており、賃貸人の財務状況悪化等により回収が困難となった場合には業績に影響を及ぼす可能性がある。賃借条件は近隣相場を参考に採算性を考慮した水準で締結し、定期的な賃借条件の見直しと賃貸人の信用状況把握に努めている。校舎数の拡大に伴い預託総額も増加するため、保全管理の重要性は継続的に高まる。
海外事業の地政学・為替リスク
北米・欧州において事業を展開しており、進出先地域の経済環境悪化、為替変動、自然災害、戦争・テロ等の不可抗力により業績に影響を及ぼす可能性がある。連結売上高に占める海外事業の比率は現時点では低いものの、地政学的リスクや為替変動は予測困難であり、事業環境が急変した場合の対応が課題となる。また、格付けの高い債券として保有する投資有価証券についても、市場金利変動や為替変動により時価が著しく下落した場合には評価損が発生するリスクがある。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

