事業内容
日建工学株式会社は1964年設立の防災・減災分野に特化した土木資材グループ企業(連結子会社3社)。主力事業は消波根固ブロック製造用鋼製型枠の貸与(型枠貸与事業)と、協力工場で製造した護岸ブロック等コンクリート二次製品・自然石連結製品・土木シート製品の販売(製品販売事業)の2本柱。
港湾・漁港・海岸・河川・砂防分野における公共土木工事を主要顧客とし、国土強靭化・防災減災対策事業を主な需要基盤とする。自社工場を持たず製造委託会社ネットワークを活用する資産軽量型モデルを採用。
2022年に東証スタンダード市場へ移行。
ビジネスモデル
型枠貸与事業では鋼製型枠を消波ブロックメーカーに貸与し賃貸料収入を得る。製品販売事業では協力工場に製造委託したコンクリート二次製品・土木シート製品を公共工事向けに販売する。
自社工場を持たない製造委託モデルにより固定費を抑制しつつ、グループ会社間の合理化・効率化施策で利益率を管理。2026期の売上構成は型枠貸与24.6%、製品販売75.4%。
企業の強み
1964年の「3連ブロック」開発以来、グラスプ・ラクナ・Ⅳ等の消波ブロックや多自然型護岸工法など多数の独自製品・工法を継続開発。技術士・社会人ドクター取得支援や論文発表を会社制度として整備し、技術者の専門性を組織的に高めている。競合が短期間で模倣困難な工法開発力と製品ラインナップが競争優位の源泉。
製造を協力工場に委託する製造委託モデルにより、固定資産負担を抑制しながら需要変動に柔軟に対応できる供給体制を構築。2026期末の総資産6,358百万円に対し純資産4,937百万円と財務健全性が高く、現金及び現金同等物2,549百万円を保有。
資本・経営の独立性を尊重した協力会社ネットワークの維持強化を経営課題として明示している。
海藻藻場によるブルーカーボン生態系拡大プロジェクト「KAISO BANK」が2022年度よりNEDOのグリーンイノベーション基金事業に採択され、2026期より委託事業から助成事業へ移行。環境活性コンクリート(EVICon)や低炭素コンクリートの普及とあわせ、防災・減災の枠を超えた環境・生態系分野への事業領域拡張を実績として進めている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期8,317百万円をピークに4期連続で減少していたが、2026年3月期は6,211百万円(前期比12.6%増)と反転増収を達成した。河川用護岸ブロックおよび土木シート製品の出荷量増加が主因。
営業利益は353百万円(前期比3.1%増)と小幅増にとどまり、営業利益率は5.7%(前期6.2%)とやや低下。これは型枠貸与事業の営業利益が59百万円(前期223百万円)へ急落したことが響いた。
外部要因として台風・集中豪雨による災害復旧事業の漸減が型枠需要を押し下げた。親会社株主帰属当期純利益は281百万円(前期比0.9%減)と微減。
包括利益は393百万円(前期259百万円)と大幅増で、投資有価証券の評価益拡大が寄与した。
成長戦略
防災・減災需要を軸に既存事業の成長モデル再生と公共土木施設強靭化への製品展開を推進
河川用護岸ブロックおよび土木シート製品の出荷量増加により、2026年3月期の製品販売事業売上高は4,684百万円(前期比21.3%増)、営業利益は294百万円(同145.0%増)を達成。公共土木施設の強靭化需要を取り込み、製品販売事業が連結業績の主柱として機能している。
2026年3月期に型枠貸与事業の設備投資額163百万円(前期84百万円から大幅増)を実施し、鋼製型枠残高を8,126百万円(前期7,970百万円)へ積み増した。災害復旧事業の漸減で2026年3月期売上高は1,527百万円(前期比7.7%減)にとどまったが、2027年3月期は2,000百万円(同31.0%増)への回復を見込む。
ファブレスモデルを維持しながら効率化施策を継続実施し、売上原価率の管理と販管費の抑制を図る。2026年3月期の販管費は1,428百万円(前期1,358百万円)と増加したが、売上総利益1,781百万円(前期1,701百万円)の拡大により営業利益を確保した。
自己資本比率は77.5%まで改善し財務基盤の強化が進んでいる。
港湾・漁港・海岸・河川・砂防分野における波浪・豪雨・土砂災害等への防災・減災対策事業は国の国土強靭化政策の下で継続的な需要が見込まれる。外部環境として気候変動による自然災害の激甚化・頻発化が追い風となる中、当社グループは防災・減災に適応する製品・工法を提供し持続可能な社会の実現に貢献する方針を掲げている。
最終更新: 2026年7月19日

