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日本空港ビルデング株式会社

9706東証プライム不動産業

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事業内容

日本空港ビルデング株式会社は、羽田空港における旅客ターミナルの建設・管理運営を主軸とし、国内線・国際線ターミナルを一体的に運用する施設管理運営業を中核事業とする。これに加え、羽田・成田・関西・中部等の空港で航空旅客向け物品販売業、および羽田・成田空港での飲食業・機内食製造を展開する。

当社グループは子会社24社・関連会社16社で構成され、航空会社・テナント・旅行者を主要顧客とする。1953年設立以来、日本の空の玄関口として社会インフラを担い、英国SKYTRAX「5スターエアポート」を12年連続取得するなど国際的評価も高い。

ビジネスモデル

施設管理運営業では、航空会社・テナントへの施設賃貸(家賃収入・歩合賃料)と旅客取扱施設利用料を主収益源とし、旅客数増加に連動して収益が拡大する構造を持つ。物品販売業では国内線・国際線の免税店・売店運営に加え、他空港への商品卸売でも収益を得る。

飲食業では空港内店舗運営と機内食製造・販売を行う。旅客数という外部変数に収益が連動しつつ、価格改定・面積拡大・商品高度化により単価向上を図る複合モデルである。

企業の強み

羽田空港旅客ターミナルの管理運営を一体的に担う唯一の事業者として、貸付可能面積340,088㎡に対し貸付面積334,862㎡(稼働率98.5%)を維持する。競合が参入困難な規制・インフラ的地位を背景に、施設利用料収入68,374百万円(前期比13.5%増)を安定的に確保している。

英国SKYTRAX「5スターエアポート」を12年連続取得し、World Airport Awards 2026では国内線空港総合評価14年連続・清潔さ11年連続・PRM対応8年連続で世界第1位を受賞。世界第3位の総合評価は、ブランド力・テナント誘致力・旅客単価向上の基盤となっている。

施設管理運営業(セグメント利益28,312百万円)・物品販売業(同27,489百万円)・飲食業(同1,150百万円)の3事業が相互補完し、2026年3月期の連結営業利益は45,043百万円と3期連続過去最高益を更新。旅客数増加・価格改定・面積拡大の複合効果で収益基盤を多層化している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の施設管理運営業セグメント利益は28,312百万円(前期比45.2%増)と急拡大し、旅客数増加・利用料改定・価格改定の複合効果が顕在化した。一方、物品販売業のセグメント利益は27,489百万円(前期比6.5%減)と減益に転じており、人件費・業務委託費・広告宣伝費等の固定費増加が売上増を吸収した。

次期は市中免税事業の見直しや一部店舗改装に伴う一時休業も見込まれ、物品販売業の収益性回復が全社業績の鍵を握る。

2027年3月期の連結業績予想は営業収益296,700百万円(前期比2.4%増)、営業利益45,600百万円(同1.2%増)、経常利益45,800百万円(同4.8%増)と増収増益を見込む一方、親会社株主帰属純利益は24,200百万円(同17.0%減)と大幅減益を予想している。これは一部子会社における繰越欠損金に係る繰延税金資産の計上減少による税負担増が主因であり、事業実態の悪化ではない点に留意が必要である。

外部要因として、中国の渡航自粛や中東情勢悪化に伴う燃料価格高騰が航空需要を下押しするリスクも残存する。

2026年度を初年度とする新中期経営計画では、安定配当に加え自己株式取得を含む総還元性向50%以上(2030年度までの5年間平均)をガイドラインとして設定した。一方、2026年3月期の有形固定資産取得支出は36,128百万円(前期比96.2%増)と急増しており、第1ターミナル北側サテライト完成後も第2ターミナル北側サテライト延伸工事が続く。

後発事象として2026年4月に合計30,000百万円の社債を発行(第7回10,000百万円・第8回20,000百万円)しており、財務レバレッジの動向と株主還元の実現可能性を継続的に注視する必要がある。

成長戦略

羽田空港の機能拡張・収益多様化と新中期経営計画によるキャッシュフロー創出力強化

2026年7月頃の完成に向けて建設工事を順調に進めており、供用開始後は旅客処理能力の拡大と施設利用料収入・テナント収益の増加が見込まれる。一方、減価償却費の増加が費用面での負担となる。

固定2スポットを増設する北側サテライト延伸工事に着手した。定時運航性の向上により航空会社・旅客の利便性を高め、羽田空港の競争力強化と旅客数増加を通じた収益拡大を目指す。

インフレによる運営経費上昇に対応するため、国内線旅客取扱施設利用料の改定を申請するとともに、オフィス賃料等の適正価格への見直しを継続する。施設管理運営業の収益性維持・向上が目的。

シャネルの香水・化粧品など取り扱い商品を拡充し、旅客の利便性向上とさらなる収益向上を目指す。羽田空港で展開している商品の海外輸出など新規販路の拡大も推進している。

2026年度を初年度とする新中期経営計画を策定し、2030年度までの5年間を企業変革の推進期間と位置付け。キャッシュフロー創出力の強化とステークホルダーとの共創による需要創造に取り組む。安定配当に加え自己株式取得を含む総還元性向50%以上(5年間平均)をガイドラインとして設定。

空港全体の最適化を目指すTAMの実現に向け、国や航空会社等と連携して取り組む。東京ベイeSGプロジェクトに代表事業者として採択され、制限区域内バスのレベル4自動運転の実現を将来的に目指す。

最終更新: 2026年7月19日