事業内容
株式会社東京會舘は1922年創業、東京・丸の内に本舘を構えるわが国を代表する国際社交場として、宴会場・結婚式場・レストランの経営と洋菓子等の販売を一体的に展開する単一事業会社である。主要顧客は大企業・経済団体・官公庁等の法人客および婚礼・慶事利用の個人客で、東商・銀座・日比谷プロムナードビル等の営業所も展開する。
売上高16,259百万円のうち宴会部門が11,561百万円(71.1%)を占め、食堂部門3,548百万円、売店他1,150百万円が続く。100年超の歴史と格調高い施設・サービスブランドを核とした高付加価値型の飲食・宴会サービス業である。
ビジネスモデル
宴会・婚礼の施行件数と施行単価の双方を引き上げることで売上を拡大し、原材料の計画的調達とコスト管理で利益率を確保するモデルである。法人宴会・婚礼が売上の約71%を占め、季節メニューや高付加価値商品の投入で客単価を向上させる。
営業活動から生じるキャッシュ・フローを主たる資金源泉とし、内部留保で設備投資・借入返済・株主還元を賄う自己完結型の財務構造を維持している。
企業の強み
1922年創業以来、わが国を代表する国際社交場として培ったブランド力を保有する。2019年に本舘を営業再開後も継続的な内装投資(2026年3月期は接客サービス用設備入替等133百万円)を実施し、施設の上質感を維持・向上させることで高い施行単価を実現している。
2026年3月期の宴会部門売上高は11,561百万円(前期比7.2%増)。大型宴会の受注伸長に加え、営業スタッフ増員・受注管理効率化による営業体制強化が奏功し、一般宴会の受注件数と施行単価がともに上昇した。
婚礼も施行件数・施行単価の双方が前期を上回り、高付加価値メニュー投入が単価押し上げに寄与した。
2026年3月期末の自己資本比率は43.5%(前期比3.7ポイント改善)、流動比率292.3%、固定長期適合率77.1%と高い安全性指標を維持する。営業キャッシュ・フローは2,443百万円の純収入を確保し、内部資金で設備投資・借入返済・配当を賄える財務基盤を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高16,259百万円(前期比+6.5%)、営業利益1,437百万円(同+12.7%)、経常利益1,480百万円(同+18.8%)、当期純利益989百万円(同+11.2%)と全指標で増収増益を達成。宴会部門(+7.2%)・食堂部門(+5.6%)・売店その他(+1.9%)の全部門が増収。
外部要因として雇用・所得環境の改善とインバウンド需要増加が追い風として機能した。一方、2027年3月期予想は売上高+0.4%・営業利益+0.2%と成長率が急減速する見通しで、物価上昇・人件費増加・海外経済不確実性が収益圧迫要因として意識されている。
営業キャッシュ・フローは2,443百万円と前期比55%増加し、現金同等物残高は6,561百万円に積み上がった。
成長戦略
新中期計画(2026〜2028年度)で組織基盤強化・高付加価値戦略・ROE8%以上を目指す
新中期経営計画(2026〜2028年度)の重点施策として人的資本および設備への投資を戦略的に実行。従業員の報酬・福利厚生改善、多様な人材活用を意識した雇用環境整備を推進し、当社ブランド力のさらなる向上を図る。
高付加価値メニューの投入や施設空間の上質感向上を通じて施行単価の引き上げを継続。2026年3月期は宴会・婚礼ともに施行単価が上昇しており、持続可能な収益構造の確立に向けた取り組みが奏功している。
AIをはじめとする技術革新の動きを積極的に取り入れ、オペレーションの最適化や生産性向上を通じたコストコントロールの徹底により持続的な利益成長を実現する方針を新中期計画に明記。
2026年3月期の年間配当は1株当たり45円(前期30円)へ増配し、配当性向は15.0%。2027年3月期予想は50円へさらに増配予定。配当性向16.3%と低水準ながら増配基調を維持し、ステークホールダーへの還元を拡充している。
最終更新: 2026年7月19日

