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KYCOMホールディングス株式会社

9685東証スタンダード情報通信業

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KYCOMホールディングス株式会社9685

事業内容

KYCOMホールディングス株式会社は1968年に福井県内有力企業の共同出資で設立されたIT系持株会社。子会社11社・関連会社2社を擁し、情報処理事業(ソフトウエア開発・コンピュータ関連サービス・データエントリー等)を中核に、不動産事業(太陽光発電・賃貸マンション)、レンタカー事業(北陸エリア)、無線ソリューション事業(無線設備工事・保守)の4セグメントを運営する。

主要顧客は日立システムズ・日立製作所・日立システムズエンジニアリングサービスの日立グループ3社で、2026年3月期の合計売上構成比は約38%に達する。東京証券取引所スタンダード市場上場。

ビジネスモデル

売上高の約91%を占める情報処理事業では、システム開発・運用保守・アウトソーシングの受託型ビジネスで継続的な収益を確保する。不動産事業では太陽光発電の売電収益と賃貸マンション賃料が安定キャッシュフローを生み出し、無線ソリューション事業は設置工事と保守契約で収益を積み上げる。

各事業の収益を持株会社が集約し、グループ全体の資本効率向上を図る構造。

企業の強み

2026年3月期における日立システムズ向け売上高1,065百万円(構成比14.8%)、日立製作所向け864百万円(12.0%)、日立システムズエンジニアリングサービス向け814百万円(11.3%)と、日立グループ3社合計で売上高の約38%を占める。前期比でも日立システムズ向けは21.5%増と拡大しており、長期的な取引関係が継続している。

情報処理事業の売上高は2022年3月期から2026年3月期にかけて5期連続で増加し、2026年3月期の受注高は6,608百万円(前期比6.6%増)、生産高は6,580百万円(前期比6.8%増)を記録。ERP構築・ローコード・ノーコード開発・AIシステム開発など多様な需要を取り込み、グループ会社間連携によるユーザー近接型開発体制を構築している。

2026年3月期に不動産事業の営業利益は93百万円(前期比54.3%増)、無線ソリューション事業は営業損失から営業利益26百万円へ黒字転換を達成。IT事業の利益変動を補完する安定収益源として機能しており、賃貸用物件の新規取得(設備投資181百万円)により不動産収益基盤の拡充も進んでいる。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の情報処理事業の営業利益は411百万円と前期比16.1%減少し、セグメント利益率は6.2%まで低下した。オフィス拡張・新技術教育投資・待遇改善による人件費増が売上増を上回るペースで進んでいる。

2027年3月期予想でも賃上げ・IT要員採用・教育投資の増加を見込んでおり、連結当期純利益は450百万円(前期比15.5%減)と大幅減益予想となっている点は注視が必要。

情報処理事業の外部顧客売上高6,525百万円のうち日立グループ向けが相当割合を占めるとみられ、主要顧客の発注方針変更が業績に直結するリスクが残る。また、レンタカー事業は2026年3月期に営業損失16百万円と赤字転落した。

北陸新幹線敦賀延伸効果の一巡とカーシェアリングとの競合激化が要因であり、外部環境として観光需要の変動が事業継続性に影響する点も留意が必要。

2026年3月期末の自己資本比率は59.9%(前期56.4%)と改善し、純資産は5,316百万円に拡大。ROEは10.9%と前期並みを維持した。

一方、配当性向は9.5%と低水準にとどまり、1株当たり配当金は10円で据え置き。2027年3月期予想でも同額配当を維持する方針だが、利益剰余金3,024百万円に対して配当総額50百万円と内部留保偏重の資本政策が続いており、株主還元の拡充が投資家の関心事項となっている。

成長戦略

IT人材投資とDX/AI需要取り込みを最優先に、不動産・M&Aで資本効率向上を図る

新卒・中途採用の拡大と技術者への教育投資を継続し、生成AIを含む先端技術への対応力とコミュニケーション力の向上を図る。2026年3月期はオフィス拡張・教育機会拡大を実施済みだが、コスト増が利益を圧迫しており、投資効果の顕在化が今後の焦点。

ERP構築事業、ローコード・ノーコード開発、AIシステム開発の需要拡大を成長機会と捉え、グループ会社間連携によるユーザー近接型開発体制を強化。2026年3月期の情報処理事業外部顧客売上高は6,525百万円と前期比6.9%増を達成。

大都市圏ワンルームマンション等の取得・運営を通じて採用力・福利厚生の強化と安定収益を確保。2026年3月期にグループ社員寮兼用賃貸用物件を新規取得し、不動産事業の営業利益は93百万円(前期比54.3%増)に拡大。太陽光発電の持続的運用も継続。

事業領域の拡大と資本効率向上を目的に戦略的M&Aの検討を継続。2026年3月期には連結の範囲の変更を伴う子会社株式取得(支出17百万円)を実施。のれん残高は27百万円に増加しており、小規模ながら実行フェーズに入っている。

インバウンド需要の回復を背景に効率的な運営体制を構築し、安定的な黒字維持を目指す。2026年3月期は北陸新幹線敦賀延伸効果の一巡とカーシェアリングとの競合により営業損失16百万円と赤字転落しており、収益改善が急務。

最終更新: 2026年7月19日