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株式会社きんえい

9636東証スタンダードサービス業

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株式会社きんえい9636

事業内容

株式会社きんえいは1937年創業、近鉄グループホールディングス傘下の東証スタンダード上場企業。大阪市阿倍野区を事業拠点とし、「あべのアポロシネマ」(9スクリーン)とゲームセンター2店を運営するシネマ・アミューズメント事業と、きんえいアポロビル・あべのルシアスの賃貸・運営管理を担う不動産事業の2セグメントで構成される。

あべの・天王寺エリア唯一のシネコンとして地域密着型の娯楽・商業インフラを提供しており、主要顧客は同エリアへの来訪者・地域住民および商業テナントである。1998年に大阪市初のシネマコンプレックスを開業し、同時にあべのルシアスの賃貸・運営管理業務を開始した歴史を持つ。

ビジネスモデル

売上高3,771百万円(2026期)のうち、不動産事業が2,059百万円(約55%)、シネマ・アミューズメント事業が1,712百万円(約45%)を占める。不動産事業は稼働率95.75%の賃貸収入・駐車場収入・共益費等で安定キャッシュを生み出し、変動性の高い映画興行リスクを補完する構造。

シネマ事業は周辺大型商業施設(あべのハルカス・あべのキューズモール等)とのタイアップで集客を強化し、会員制度「アポロシネマメンバーズ」で固定客を囲い込む。

企業の強み

「あべのアポロシネマ」はあべの・天王寺エリアで唯一のシネマコンプレックス(9スクリーン)であり、競合不在の地域独占的ポジションを確立。2026期の劇場入場人員は1,028千人(前期比+13.4%)、劇場収入は前期比+15.8%と大型人気作品の集中上映効果も相まって集客力を発揮している。

不動産事業の賃貸稼働率は合計95.75%(あべのルシアス97.87%、アポロビル91.17%)と高水準を維持。2026期の不動産事業売上高は2,059百万円、営業利益446百万円で、映画興行の変動リスクを補完する安定収益源として機能している。駐車場収入も前期比+6.8%と増加傾向にある。

親会社・近鉄グループホールディングスの企業集団に属し、余剰資金はキャッシュマネジメントシステムに預け入れる等グループ連携を活用。あべのルシアス(賃貸可能面積28,600㎡)については大阪市との「保留床一括賃貸借契約」(1998年締結、3年ごと自動更新)に基づき長期安定的に運営管理業務を受託している。

エンヴァリスの着眼点

きんえいアポロビルにおける大型テナント退去の影響により、2027年1月期第1四半期の不動産事業セグメント利益は88百万円(前年同期比28.7%減)と急減。これが営業利益42百万円(前年同期比44.4%減)という大幅な利益減少の主因となっている。

通期業績予想も営業利益230百万円(前期比23.7%減)と5期連続で続いた増益トレンドが明確に転換しており、後継テナント誘致の進捗が今後の業績回復の鍵を握る。

シネマ・アミューズメント事業は第1四半期でセグメント利益44百万円(前年同期比19.0%増)と好調を維持。一方、一般管理費が90百万円(前年同期84百万円)に増加し、空調設備整備等の維持管理コスト上昇も重なり、全社営業利益を大きく圧迫した。

外部要因として国際情勢の不安定化・物価上昇・金利変動が先行き不透明感を高めており、コスト管理の巧拙が収益性を左右する局面が続く。

売上高862百万円(第1四半期)・総資産5,912百万円という事業規模の小ささに加え、収益源が大阪・阿倍野エリアに一極集中している。単一テナントの退去が不動産事業セグメント利益を約29%押し下げるという今回の事例は、地理的・顧客集中リスクの顕在化を示す。

通期予想の当期純利益150百万円(前期比25.1%減)は1株当たり53.80円に相当し、年間配当10円(配当性向約18.6%)は維持される見込みだが、利益水準の低下が続けば株主還元余力への影響も注視が必要。

成長戦略

後継テナント誘致とシネマ集客強化で減益局面からの早期回復を目指す

大型テナント退去後の空室部分への後継テナント誘致および賃貸借契約更新時の賃料改定に注力。不動産事業セグメント利益の回復が全社業績改善の最重要課題。第1四半期時点では退去影響が継続しており、誘致完了時期が通期業績の上振れ・下振れ要因となる。

話題作・大型人気作品の積極的な上映ラインナップ編成により劇場収入を拡大。2027年1月期第1四半期の劇場収入は334百万円(前年同期比3.2%増)と増収を達成しており、シネマ事業のセグメント利益も前年同期比19.0%増と好調。地域唯一のシネコンとしての集客力を維持・強化する。

あべのルシアスにおける既存テナントの契約更新時の賃料改定および空室部分への新規テナント誘致を継続。不動産事業の安定収益基盤を維持することで、シネマ事業の興行変動リスクをヘッジする収益構造を堅持する。

諸経費全般にわたる鋭意抑制を継続。第1四半期では一般管理費が前年同期比6.4%増加しており、維持管理コストの上昇を吸収するための費用管理強化が課題。減価償却費は68百万円(前年同期71百万円)と若干低下しており、設備投資の効率化も進んでいる。

最終更新: 2026年7月17日