事業内容
株式会社きんえいは1937年創業、近鉄グループホールディングス傘下の東証スタンダード上場企業。大阪市阿倍野区を事業拠点とし、「あべのアポロシネマ」(9スクリーン)とゲームセンター2店を運営するシネマ・アミューズメント事業と、きんえいアポロビル・あべのルシアスの賃貸・運営管理を担う不動産事業の2セグメントで構成される。
あべの・天王寺エリア唯一のシネコンとして地域密着型の娯楽・商業インフラを提供しており、主要顧客は同エリアへの来訪者・地域住民および商業テナントである。1998年に大阪市初のシネマコンプレックスを開業し、同時にあべのルシアスの賃貸・運営管理業務を開始した歴史を持つ。
ビジネスモデル
売上高3,771百万円(2026期)のうち、不動産事業が2,059百万円(約55%)、シネマ・アミューズメント事業が1,712百万円(約45%)を占める。不動産事業は稼働率95.75%の賃貸収入・駐車場収入・共益費等で安定キャッシュを生み出し、変動性の高い映画興行リスクを補完する構造。
シネマ事業は周辺大型商業施設(あべのハルカス・あべのキューズモール等)とのタイアップで集客を強化し、会員制度「アポロシネマメンバーズ」で固定客を囲い込む。
企業の強み
「あべのアポロシネマ」はあべの・天王寺エリアで唯一のシネマコンプレックス(9スクリーン)であり、競合不在の地域独占的ポジションを確立。2026期の劇場入場人員は1,028千人(前期比+13.4%)、劇場収入は前期比+15.8%と大型人気作品の集中上映効果も相まって集客力を発揮している。
不動産事業の賃貸稼働率は合計95.75%(あべのルシアス97.87%、アポロビル91.17%)と高水準を維持。2026期の不動産事業売上高は2,059百万円、営業利益446百万円で、映画興行の変動リスクを補完する安定収益源として機能している。駐車場収入も前期比+6.8%と増加傾向にある。
親会社・近鉄グループホールディングスの企業集団に属し、余剰資金はキャッシュマネジメントシステムに預け入れる等グループ連携を活用。あべのルシアス(賃貸可能面積28,600㎡)については大阪市との「保留床一括賃貸借契約」(1998年締結、3年ごと自動更新)に基づき長期安定的に運営管理業務を受託している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2022期〜2026期にかけて売上高3,001百万円→3,771百万円、営業利益135百万円→302百万円と5期連続で増収・増益を達成してきた。しかし2027年1月期第1四半期は売上高862百万円(前年同期比1.8%減)、営業利益42百万円(同44.4%減)と急失速。
きんえいアポロビルの大型テナント退去と空調設備整備等の維持管理コスト増加が主因。通期予想は売上高3,640百万円(前期比3.5%減)・営業利益230百万円(同23.7%減)・当期純利益150百万円(同25.1%減)と、外部環境として物価上昇・金利変動・国際情勢不安定化が重なる中、明確な減収減益局面に転じた。
成長戦略
後継テナント誘致とシネマ集客強化で減益局面からの早期回復を目指す
大型テナント退去後の空室部分への後継テナント誘致および賃貸借契約更新時の賃料改定に注力。不動産事業セグメント利益の回復が全社業績改善の最重要課題。第1四半期時点では退去影響が継続しており、誘致完了時期が通期業績の上振れ・下振れ要因となる。
話題作・大型人気作品の積極的な上映ラインナップ編成により劇場収入を拡大。2027年1月期第1四半期の劇場収入は334百万円(前年同期比3.2%増)と増収を達成しており、シネマ事業のセグメント利益も前年同期比19.0%増と好調。地域唯一のシネコンとしての集客力を維持・強化する。
あべのルシアスにおける既存テナントの契約更新時の賃料改定および空室部分への新規テナント誘致を継続。不動産事業の安定収益基盤を維持することで、シネマ事業の興行変動リスクをヘッジする収益構造を堅持する。
諸経費全般にわたる鋭意抑制を継続。第1四半期では一般管理費が前年同期比6.4%増加しており、維持管理コストの上昇を吸収するための費用管理強化が課題。減価償却費は68百万円(前年同期71百万円)と若干低下しており、設備投資の効率化も進んでいる。
最終更新: 2026年7月17日

