東京テアトル株式会社 logo

東京テアトル株式会社

9633東証スタンダード不動産業

東京テアトル株式会社 logo
東京テアトル株式会社9633

事業内容

東京テアトル株式会社は1946年設立の東証上場企業で、映画興行・配給・制作を中核とする映像関連事業、札幌発祥の焼鳥専門店チェーン「串鳥」を主力とする飲食関連事業、中古マンション再生販売と不動産賃貸を柱とする不動産関連事業の三事業を展開する。連結子会社5社を含む6社体制で運営し、2026年3月期の連結売上高は20,655百万円。

不動産関連事業が売上の約54%を占め収益の主柱となる一方、映像関連事業は赤字継続中であり、飲食関連事業は黒字転換・拡大フェーズにある。企業理念「Sound of Your Life ~あなたの人生に豊かな響きを~」のもと、「プロデュースカンパニーへの革新」を中期経営方針に掲げる。

ビジネスモデル

収益構造は三層構造で成立する。不動産関連事業では賃貸物件の100%近い稼働率による安定賃料収入と、首都圏中古マンション再生販売による回転型収益を組み合わせる。

飲食関連事業では「串鳥」チェーンの店舗展開と中食・卸売の二本柱で収益を積み上げる。映像関連事業では映画興行・配給・ソリューション(シネアド等)を組み合わせ、配信ライツ収入も加えた多角的収益化を目指す。

インフラ所有型収益を超えるヒューマンリソース型収益の獲得を戦略目標とする。

企業の強み

不動産賃貸事業では、きめ細かいリーシング活動により賃貸物件が100%近い稼働率を維持し、安定的な賃料収入を確保している。2026年3月期の不動産関連事業営業利益は1,533百万円(前年度比9.3%増)であり、グループ全体の営業利益334百万円を大幅に上回る収益源として機能している。

東京テアトルリモデリング株式会社を通じた中古マンション再生販売事業では、仕入れからリフォーム・販売までの一貫体制を構築。2026年3月期は物件販売数が大きく伸長し、不動産関連事業売上高は11,076百万円(前年度比20.3%増)を達成。

年間300件の仕入れ販売体制の構築を目標に、仲介機能整備・Webマーケティング充実に取り組んでいる。

札幌地区を中心に展開する焼鳥専門店チェーン「串鳥」は、2026年3月期末時点で飲食店47店舗・販売店7店舗を運営。テイクアウト専門店を含む新業態出店と中食・卸売事業の拡大により、飲食関連事業の営業利益は183百万円(前年度比59.9%増)と大幅改善。

セントラルキッチンを活用した製造能力の拡充が競争優位の源泉となっている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の売上高営業利益率は1.6%(前期1.5%)と依然として低水準。映像関連事業の営業損失は555百万円(前期420百万円)と赤字が拡大しており、出資作品の償却費増加が主因。

不動産事業の高収益が全社を支える構造は変わらず、映像事業の中期黒字化目標達成には相当の時間を要するとみられる。2027年3月期は映画制作配給事業の償却費負担が大幅減少する見込みであり、映像赤字縮小が注目点となる。

2026年3月期の親会社株主帰属当期純利益は833百万円(前期3,040百万円から72.6%減)で、前期の固定資産売却益3,530百万円の反動減が主因。2027年3月期は港区収益不動産の売却により固定資産売却益3,650百万円を特別利益に計上する見込みで、純利益予想2,700百万円の大部分を占める。

事業活動による経常的な利益創出力(経常利益350百万円予想)と特別利益依存の純利益の乖離は、投資家が注視すべき構造的課題である。

2027年3月期の連結業績予想は売上高19,800百万円(前期比4.1%減)・営業利益300百万円(同10.3%減)と減収減益を見込む。中東情勢に伴う建築資材の調達難から中古マンション再生販売事業の商品化が遅延する恐れがあることが主因。

外部要因として地政学リスクが事業計画に直接影響する構造となっており、物件販売数の動向が2027年3月期業績の最大の変動要因となる。飲食事業ではセントラルキッチン建築着手(2026年5月)に伴うコスト増加も注視が必要。

成長戦略

「プロデュースカンパニーへの革新」から成長戦略実践フェーズへ移行し三事業の永続的成長を追求

「映画」から「映像エンターテインメント」へ事業領域を再定義し収益源の多様化を推進。シネアド受注増加・ライツビジネス強化・配信向け二次利用収入拡大を図る。2027年3月期は映画制作配給事業の償却費負担が大幅減少する見込みで、赤字縮小が期待される。

2026年5月より「串鳥」のセントラルキッチン建築に着手。設備・システム更新により「串鳥」ブランドを強化し、冷凍食品・惣菜等の中食事業を拡大する。2026年3月期は3店舗出店(飲食店47店舗・販売店7店舗)で売上高6,121百万円・営業利益183百万円(前期比59.9%増)を達成。

仲介機能の整備・Webマーケティング機能の充実等による品質向上を図り、年間300件の仕入れ販売を安定的に達成できる構造を構築する。2026年3月期は物件販売数が大きく伸長し不動産関連事業売上高11,076百万円(前期比20.3%増)を達成。

ただし2027年3月期は建築資材調達難による商品化遅延リスクあり。

経営資源の有効活用と財務体質強化を目的に保有不動産を戦略的に売却。2026年4月に港区の収益不動産を譲渡し、2027年3月期に固定資産売却益3,650百万円を特別利益に計上する見込み。

配当は1株当たり20円を下限とする安定配当とし、2027年3月期予想は30円(配当性向7.6%)。収益拡大時は連結配当性向40%を目安に増配を進める方針。

事業の中核を担う人財育成の強化を進めるとともに、従業員の待遇改善を含む人的資本投資を推進。恒常的なキャッシュ・フローによって営業投資・人的資本投資・財務体質強化・株主還元を賄う構造を目指す。2027年3月期からの新テーマ「成長し続ける組織へ」の実践フェーズに移行。

最終更新: 2026年7月19日