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株式会社建設技術研究所

9621東証プライムサービス業

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事業内容

株式会社建設技術研究所は1945年創立を前身とする国内最大級の総合建設コンサルタントグループ。河川・ダム・道路・環境・情報など幅広い分野で公共事業の企画・調査・計画・設計・施工管理・維持管理を手掛ける。

国内事業は国・地方自治体を主要顧客とし、防災・減災・国土強靱化政策の恩恵を直接受ける構造。海外事業は東南アジアを中心とするODA関連コンサルティング(建設技研インターナショナル)と英国・豪州でのビルディング関連事業(Waterman Group Plc)で構成。

連結子会社25社を擁し、売上高101,038百万円規模のグローバルインフラソリューショングループを形成している。

ビジネスモデル

主収益源は国・地方自治体・海外政府機関等からの業務委託契約。進捗度に基づく収益認識(原価比例法)により、受注残高72,231百万円が将来売上の先行指標となる。

国内事業は売上高の約69%を占め営業利益率12.3%と高収益。海外事業は売上高の約31%を占めるが営業利益率1.8%と低水準。

研究開発費(売上高比約1.5%)を継続投入し技術競争力を維持する知識集約型モデル。

企業の強み

2025年6月に「第1次国土強靱化実施中期計画」(2026年度から5年間)が閣議決定され、中期的な公共事業予算が確保された。2025年12月期の国内受注高は72,411百万円(前期比10.2%増)、受注残高41,200百万円(前期比8.4%増)と堅調に積み上がっており、政策的追い風が継続している。

2025年12月期末の自己資本比率は69.1%と業界平均を大幅に上回る。純資産66,815百万円、現金及び現金同等物15,093百万円を保有し、基本的に自己資金の範囲内で事業拡大・M&A・設備投資を実施。有利子負債依存度が低く、財務的安定性が高い。

1977年に売上高2%を研究開発費に充当する全社開発費制度を創設して以来、毎年10億円超の研究開発投資を継続。2025年12月期の研究開発費は1,505百万円。AI・IoT・DX・流域治水・環境DNA分析など最先端技術領域に投資し、技術競争力を維持している。

エンヴァリスの着眼点

2026年12月期第1四半期は売上高31,977百万円(前年同期比+6.2%)、営業利益6,571百万円(同+12.1%)、経常利益6,616百万円(同+13.3%)、親会社株主帰属四半期純利益4,460百万円(同+14.6%)と全指標で二桁増益を達成。2023年をピークに2期連続で減少していた利益が明確に回復軌道に入った。

通期予想に対する進捗率は経常利益63.0%、純利益63.7%と第1四半期として極めて高水準であり、通期予想の上振れ余地が意識される。

海外建設コンサルティング事業の2026年12月期第1四半期セグメント利益は45百万円(前年同期△29百万円)と黒字転換したが、営業利益率は0.5%にとどまる。外部要因として英国の金利・インフレの落ち着きや政権交代後の公共事業執行進捗が追い風となっているが、中東情勢の影響による景気不透明感も残る。

Waterman Group Plcの収益安定化が全体利益率改善の鍵であり、四半期ごとの動向を注視する必要がある。

2026年12月期第1四半期末の自己株式は2,341百万円(前期末1,478百万円)と急増し、期末自己株式数は1,012,675株(前期末740,575株)に拡大。短期借入金も1,380百万円から7,378百万円へ大幅増加し、自己資本比率は69.1%から63.4%へ低下した。

株主還元強化の観点では評価できるが、財務レバレッジの変化と資金使途の透明性については継続的な確認が求められる。

成長戦略

中期経営計画2027のもと事業ポートフォリオ変革と生産性向上で2030年売上高130,000百万円を目指す

エネルギー事業・情報提供サービス事業・CM/PM事業等の成長分野への経営資源シフトを推進。国内建設コンサルティング事業の高付加価値化と収益性向上を図り、2026年12月期第1四半期の国内セグメント利益率は27.7%と高水準を維持している。

技術者の稼働効率改善とデジタル活用による業務プロセス革新を推進。2026年12月期第1四半期の売上総利益率36.7%(前年同期35.1%)への改善は、生産性向上施策の効果が一部顕在化していることを示す。

建設技研インターナショナル(アジア・アフリカ)およびWaterman Group Plc(英国)の収益基盤強化を推進。2026年12月期第1四半期に海外セグメントが黒字転換(利益45百万円)したが、利益率0.5%と依然低水準であり、継続的な改善が課題。

知識集約型ビジネスの競争力の源泉である人材の確保・育成・定着を強化。雇用・所得環境の改善が続く中、技術者の採用競争が激化しており、エンゲージメント向上施策による人材基盤の強化が中長期成長の前提条件となる。

最終更新: 2026年7月17日