事業内容
株式会社建設技術研究所は1945年創立を前身とする国内最大級の総合建設コンサルタントグループ。河川・ダム・道路・環境・情報など幅広い分野で公共事業の企画・調査・計画・設計・施工管理・維持管理を手掛ける。
国内事業は国・地方自治体を主要顧客とし、防災・減災・国土強靱化政策の恩恵を直接受ける構造。海外事業は東南アジアを中心とするODA関連コンサルティング(建設技研インターナショナル)と英国・豪州でのビルディング関連事業(Waterman Group Plc)で構成。
連結子会社25社を擁し、売上高101,038百万円規模のグローバルインフラソリューショングループを形成している。
ビジネスモデル
主収益源は国・地方自治体・海外政府機関等からの業務委託契約。進捗度に基づく収益認識(原価比例法)により、受注残高72,231百万円が将来売上の先行指標となる。
国内事業は売上高の約69%を占め営業利益率12.3%と高収益。海外事業は売上高の約31%を占めるが営業利益率1.8%と低水準。
研究開発費(売上高比約1.5%)を継続投入し技術競争力を維持する知識集約型モデル。
企業の強み
2025年6月に「第1次国土強靱化実施中期計画」(2026年度から5年間)が閣議決定され、中期的な公共事業予算が確保された。2025年12月期の国内受注高は72,411百万円(前期比10.2%増)、受注残高41,200百万円(前期比8.4%増)と堅調に積み上がっており、政策的追い風が継続している。
2025年12月期末の自己資本比率は69.1%と業界平均を大幅に上回る。純資産66,815百万円、現金及び現金同等物15,093百万円を保有し、基本的に自己資金の範囲内で事業拡大・M&A・設備投資を実施。有利子負債依存度が低く、財務的安定性が高い。
1977年に売上高2%を研究開発費に充当する全社開発費制度を創設して以来、毎年10億円超の研究開発投資を継続。2025年12月期の研究開発費は1,505百万円。AI・IoT・DX・流域治水・環境DNA分析など最先端技術領域に投資し、技術競争力を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期74,409百万円から2025期101,038百万円へ5期連続増収。一方、営業利益は2023期10,011百万円をピークに2024期9,396百万円、2025期9,136百万円と2期連続で減少し、当期純利益も2023期7,534百万円から2025期5,952百万円へ低下していた。
しかし2026年12月期第1四半期は、外部要因として国土強靱化予算の拡充・公共事業受注環境の改善を追い風に、売上高31,977百万円(前年同期比+6.2%)、営業利益6,571百万円(同+12.1%)と明確な回復を示した。売上総利益率も36.7%(前年同期35.1%)へ改善しており、収益性の底打ちが確認できる。
通期予想(売上高105,000百万円・営業利益10,500百万円)に対する進捗は順調で、2026期は増収増益への転換が見込まれる。
成長戦略
中期経営計画2027のもと事業ポートフォリオ変革と生産性向上で2030年売上高130,000百万円を目指す
エネルギー事業・情報提供サービス事業・CM/PM事業等の成長分野への経営資源シフトを推進。国内建設コンサルティング事業の高付加価値化と収益性向上を図り、2026年12月期第1四半期の国内セグメント利益率は27.7%と高水準を維持している。
技術者の稼働効率改善とデジタル活用による業務プロセス革新を推進。2026年12月期第1四半期の売上総利益率36.7%(前年同期35.1%)への改善は、生産性向上施策の効果が一部顕在化していることを示す。
建設技研インターナショナル(アジア・アフリカ)およびWaterman Group Plc(英国)の収益基盤強化を推進。2026年12月期第1四半期に海外セグメントが黒字転換(利益45百万円)したが、利益率0.5%と依然低水準であり、継続的な改善が課題。
知識集約型ビジネスの競争力の源泉である人材の確保・育成・定着を強化。雇用・所得環境の改善が続く中、技術者の採用競争が激化しており、エンゲージメント向上施策による人材基盤の強化が中長期成長の前提条件となる。
最終更新: 2026年7月17日

