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静岡ガス株式会社

9543・東証プライム・電気・ガス業

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静岡ガス株式会社9543

事業内容

静岡ガス株式会社は1910年創業、静岡県を中心に都市ガス・LPG・電力・エンジニアリングサービス等を展開する地域総合エネルギー企業。連結子会社33社・持分法適用関連会社7社を擁するグループを形成し、ガスセグメント(連結売上高の約78%)を基盤に、LPG・その他エネルギー、設備工事・住宅等の周辺事業を展開する。

主要顧客は家庭用・業務用・工業用ガス需要家(期末取付メーター数361,987戸)に加え、INPEX・サーラエナジー等への卸供給先も有する。近年は米国シェールガス開発事業への参入や東南アジア・インド・ベトナムへの海外展開も進めている。

ビジネスモデル

マレーシア等からLNGを長期契約で調達し、清水エル・エヌ・ジー株式会社が製造した都市ガスを自社導管網(本支管総延長5,419km)を通じて需要家に供給する。原料費調整制度によりLNG価格変動をガス販売単価に転嫁する仕組みを持つ。

LPG・電力・オンサイトエネルギーサービス・設備工事・住宅事業等を組み合わせ、地域密着型の総合エネルギーサービスとして収益を多層化している。

企業の強み

2025期末の自己資本比率は67.0%、有利子負債残高は17,983百万円にとどまり、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は0.5年、インタレスト・カバレッジ・レシオは217.3倍と極めて健全な財務構造を維持。営業CFは34,560百万円と大幅に改善し、積極投資と財務安定性を両立している。

スポット市場価格が高止まりする局面においても長期契約でのLNG調達を優先することでスポット調達を抑制。2025期のガスセグメント営業利益は前期比52.6%増の14,880百万円を達成し、調達ポートフォリオ最適化が収益改善に直結することを実証した。

不二高圧株式会社のLPG事業連結子会社化、グッドリビング株式会社の住宅事業取り込みにより、その他セグメント売上高は前期比25.7%増の23,248百万円に拡大。米国シェールガス開発権益取得(2025年5月)など、国内外でのM&A・投資を通じた事業基盤の拡充が継続している。

エンヴァリスの着眼点

2026年中間期は原料費調整制度によるガス販売単価下方調整等で営業利益が前年同期比10.4%減の8,828百万円となった一方、為替差益・匿名組合投資利益573百万円(前年同期は為替差損560百万円・匿名組合投資損失459百万円)の計上により経常利益は同6.2%増の9,895百万円となった。営業利益の通期進捗率は91.8%、経常利益は95.0%と高水準にもかかわらず、通期業績予想(営業利益9,620百万円、前期比31.6%減)は2月公表時点から修正されておらず、下期の反動・剥落を織り込んだ保守的な見通しとみられる。

ガス販売単価は原料費調整制度により一定のタイムラグを伴って市況を反映するため、原料コストと販売価格のギャップが期ごとの営業利益変動として表れやすい構造は変わっていない。外部要因としての原料価格・為替動向を引き続き注視する必要がある。

重要な後発事象として、2026年7月30日にEIG運用ファンドを通じたLNG事業会社MidOcean Energyへの出資(総額100百万米ドルのうち62百万米ドル)を実行。天然ガス・LNGバリューチェーンの上流から下流までの国内外拡大を企図するが、2026年12月期連結業績への影響は現在精査中であり、投資回収の見通しが今後の評価の鍵となる。

成長戦略

基盤ガス事業の安定維持と電力・再エネ・くらしサービス・海外LNGの4成長事業拡大

EIG運用ファンドを通じLNG事業会社MidOcean Energyに総額100百万米ドルを出資し、うち62百万米ドルを2026年7月に実行。天然ガス・LNG事業の上流から下流までのバリューチェーンを国内外で拡大し、安定性と収益性が両立する事業ポートフォリオを構築する。

富士発電所増設や系統用蓄電池への投資により供給力・調整力を増強し、再エネ電源比率の向上と電力販売量拡大を図る。2026年中間期のLPG・その他エネルギーセグメント利益は1,686百万円と前年同期比増益。

グッドリビング㈱等のM&Aを通じ住宅・設備工事関連事業を取り込み、成長事業として位置づけ。2026年からのグループ再編により事業領域拡大を加速する方針。

都市ガス販売量は工業用・卸供給の増加により2026年中間期合計805百万㎥(前年同期比0.9%増)と底堅く推移。長期LNG契約に基づく安定調達で基盤事業のキャッシュフローを確保する。

最終更新: 2026年8月6日