事業内容
北海道瓦斯株式会社は1911年創業、札幌・函館・小樽・千歳・北見・室蘭を主な供給区域とする北海道最大の都市ガス事業者。連結子会社9社・持分法適用関連会社8社を含むグループ22社体制で、都市ガス製造・供給・販売を中核に、電力小売・LPG・熱供給・ガス工事・器具販売・ITソリューション・不動産等を展開する。
2026年3月期の取付メーター件数は606,177件、電力顧客件数は257,271件に達し、北海道内の家庭・業務・工業用途に幅広くエネルギーを供給している。
ビジネスモデル
石狩LNG基地等の大型インフラを保有・賃借し、LNGを原料として都市ガスを製造・供給する。原料費調整制度により原料価格変動を料金に転嫁する仕組みを持ち、基本料金+従量料金の安定的な課金構造を維持する。
電力はガスとのセット契約拡大で顧客単価向上を図り、エネルギー関連・その他セグメントが工事・器具・熱供給・ITで付加価値を積み上げる多層的な収益構造を持つ。
企業の強み
石狩・函館・北見の3拠点でLNG生産能力693,287千㎥(前期比5.6%増)を確保し、606,177件の取付メーター件数を持つ。供給区域の世帯普及率は平均52.0%で、小樽地区では72.9%に達する。
室蘭ガス㈱の連結子会社化により供給区域をさらに拡大しており、競合他社が短期間で模倣困難な地域インフラ基盤を有する。
電力顧客件数は2016年の小売自由化以降継続拡大し、2026年3月期末に257,271件(前期比662件増)を達成。2018年に10万件、2021年に20万件を突破した実績を持つ。
ガス・電気セット契約拡大に向けたマスPRやキャンペーンを継続展開しており、グループ一体での顧客獲得体制が競争優位を形成している。
国内格付機関2社(日本格付研究所・格付投資情報センター)からいずれも「A+(安定的)」の格付を取得。2026年3月期のフリー・キャッシュ・フローは10,496百万円のプラスを確保し、有利子負債を8,540百万円削減して60,613百万円とした。
自己資本比率は49.1%まで改善しており、安定的な資金調達基盤を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期126,958百万円→2023年3月期174,840百万円と急拡大後、2024年3月期173,885百万円→2025年3月期170,295百万円と調整局面を経て、2026年3月期174,519百万円と過去最高水準に回復。営業利益も16,437百万円と過去5期で最高。
外部要因として原油価格(全日本CIF)が前期82.68ドル/バレルから71.48ドル/バレルへ低下したにもかかわらず、ガス総販売量5.8%増・電力販売量1.9%増の量的拡大が収益を牽引。自己資本比率は49.1%に改善し財務体質も強化。
ただし2027年3月期は経常利益13,000百万円(前期比21.2%減)と大幅減益予想であり、DX・再エネ投資の先行費用増加と電力事業収支悪化が短期的な収益圧迫要因となる。
成長戦略
Challenge2030のもと天然ガス普及・再エネ拡大・DX活用で売上200,000百万円を目指す
取付メーター件数の継続的拡大(2026年3月期末606,177件)と暖房厨房1メーター化工事の推進によりオペレーション効率化を図る。ガス総販売量は前期比5.8%増の684,628千㎥と着実に拡大しており、2027年3月期は687百万㎥を見込む。
北海道内の自治体と連携し、再生可能エネルギーを活用したエネルギー地産地消モデルを展開。石狩発電所の定期点検・浚渫工事に係る修繕引当金を新たに計上(113百万円の利益影響)しており、発電設備の安定稼働維持に向けた投資を継続している。
スマートメーターやDX関連等の戦略経費増加を2027年3月期予想に織り込み済み。北ガスライフロント㈱の連結子会社化によりITソリューション事業を強化。
その他セグメント売上高は前期比28.3%増の4,271百万円、セグメント利益は同215.3%増の464百万円と急拡大しており、DX投資の成果が一部顕在化している。
2026年3月期より北ガスライフロント㈱(期首より)および室蘭ガス㈱(期中より)を新たに連結範囲に追加。室蘭ガス㈱の子会社化に伴い負ののれん発生益479百万円を特別利益に計上。供給区域・顧客基盤・事業ポートフォリオの拡大に寄与しており、グループ収益力の底上げが期待される。
最終更新: 2026年7月19日

