事業内容
大阪瓦斯(Daigasグループ)は1897年創業、近畿2府4県を中心に都市ガス・電力を供給する国内エネルギー事業を核に、米国・豪州・アジアでの天然ガス開発・LNG液化・電力事業を手掛ける海外エネルギー事業、さらに不動産開発・情報システム・化学材料を束ねるライフ&ビジネス ソリューション事業の3セグメントで構成される。連結子会社154社・関連会社114社を擁し、ガス供給件数516万件超・電力低圧供給件数194万件超の顧客基盤を持つ。
カーボンニュートラル社会へのトランジションを見据え、e-メタン・再生可能エネルギー・蓄電池事業にも積極投資している。
ビジネスモデル
国内エネルギー事業では、ガス導管インフラを通じた供給件数課金・原料費調整制度連動の販売単価設定により安定収益を確保する。海外エネルギー事業では米国シェールガス上流・LNG液化(フリーポート)・豪州LNG権益(ゴーゴン・イクシス)から持分法利益を含む多層的な収益を得る。
ライフ&ビジネス ソリューション事業では賃貸不動産・ITサービス・高付加価値材料の積み上げ型収益が加わり、エネルギー価格変動リスクを分散する構造となっている。
企業の強み
2026年3月期末のガス供給件数は5,161千件(前期比+0.9%)、低圧電力供給件数は1,946千件(前期比+1.3%)に達する。既存ガス顧客へのセット販売により電力販売量は17,238百万kWh(前期比+1.5%)と継続拡大しており、顧客基盤の厚みが競合参入障壁を形成している。
豪州ゴーゴン・イクシス権益、米国フリーポートLNG液化基地、自社LNG輸送船、国内製造所・導管網を一貫して保有・運営する。2026年3月期の海外エネルギー営業利益は67,650百万円(前期比+25.4%)と急拡大しており、上流から小売までの垂直統合が収益安定性と競争力を支えている。
2026年3月期末の自己資本比率は54.4%(前期比+1.6ポイント)、D/E比率は中期計画目標0.8以下を維持。ROICは計画5.0%に対し実績5.8%、ROEは計画7.5%に対し実績8.7%を達成。累進配当(DOE3.5%目標)を掲げ、財務規律と株主還元を両立している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2,030,302百万円(前期比△1.9%)と2期連続微減。国内エネルギーで原料費調整制度に基づくガス販売単価の低下(国内エネルギー売上高△5.4%)が主因。
一方、営業利益は174,809百万円(前期比+8.8%)、経常利益204,522百万円(+7.8%)、親会社株主帰属純利益152,751百万円(+13.6%)と利益面は顕著に改善。海外エネルギーセグメント利益+22.9%、ライフ&ビジネス ソリューション+30.2%が国内エネルギーの減益(△7.2%)を補った。
売上原価は1,592,785百万円(前期比△4.2%)と原料費低下が粗利改善に寄与。5期推移では2023年3月期の利益急落(営業利益60,001百万円)から回復し、2026年3月期は直近5期で最高の営業利益・純利益を達成した。
成長戦略
国内電力拡大・海外上流投資・カーボンニュートラル技術の3軸で持続成長を追求
姫路天然ガス発電所1号機が当期中に運転開始。2号機も2027年3月期に運転開始予定。発電容量計約125万kWの新電源により電力事業の競争力を強化するが、2027年3月期は減価償却費増加が営業利益の押し下げ要因となる見込み。
米国フリーポートLNG液化基地の安定稼働と米国上流事業の増産により、2026年3月期の海外エネルギーセグメント利益は前期比+22.9%の883億円(セグメント表示ベース)を達成。Sabine Oil & Gas売却後も増益を維持し、ポートフォリオの質が向上した。
都市開発事業(不動産賃貸)・材料ソリューション(ファイン材料・活性炭)・情報ソリューション(DX・AI需要)の3領域で拡大。2026年3月期のセグメント売上高は前期比+13.2%の3,198億円、セグメント利益は+30.2%の374億円と高成長を実現。
2026年3月期の年間配当は120円(前期95円から26.3%増配)、配当性向30.7%。2027年3月期予想配当は130円(予想配当性向34.4%)。さらに2026年5月8日取締役会で28百万株・80,000百万円上限の自己株式取得を決議し、資本効率向上と株主還元の強化を明示。
最終更新: 2026年7月19日

