原料調達支障リスク
天然ガス原料の大半を海外から輸入しており、カントリーリスク・LNG液化基地トラブル・LNG船運航トラブル・東京湾入港規制等により長期にわたる調達不能が生じた場合、都市ガス供給に支障を来し事業収支に影響を及ぼす可能性がある。現在は5カ国10プロジェクトから調達し多様化を進めているほか、自社管理LNG船の活用やトレーディングにより柔軟な調達体制を構築している。ロシア・ウクライナ問題や中東情勢等の地政学リスクに起因した調達支障は2026年5月末現在発生していないが、引き続き監視を継続している。
原料費・為替変動リスク
LNG調達価格は主に原油価格に連動し、かつドル建て契約のため円ドル為替レートの変動が収支に直接影響する。原料費調整制度により最大5ヶ月後にガス料金へ転嫁されるが、平均原料価格が調整上限を超過した場合は超過分が未回収となり、会計年度をまたぐ場合には年度収支に未回収・過回収の影響が及ぶ。対応策として調達先・契約条件の多様化およびグローバルなLNGトレーディング強化により原料費の低減と安定化に取り組んでいる。
海外事業展開リスク
2023年12月に米国TG Natural Resources LLCを通じた天然ガス開発・生産事業会社の買収、2025年3月のシェブロン社とのシェールガス共同開発契約締結により、ヘンリーハブ価格変動の影響をより大きく受ける収益構造となった。また原油・ガス・電力価格および外国為替相場の変動が収支に影響を及ぼす可能性がある。ヘッジ活用・生産コスト低減・米国内中下流領域への事業拡大およびアジア大洋州でのLNGインフラ投資により収益安定化を目指している。
自然災害による設備損害
LNG基地等の製造設備や導管等の供給設備が大規模自然災害により損害を受けた場合、都市ガス供給に支障を来すとともに復旧費用が収支に影響を及ぼす可能性がある。主要設備は阪神・淡路大震災・東日本大震災クラスの大地震に耐えられる構造とし、BCP策定・非常事態体制整備・定期訓練・風水害レジリエンス向上策を実施している。複数LNG基地による基地間補完体制も整備されており、供給停止リスクは低減されている。
サイバー攻撃リスク
サイバー攻撃の高度化・複雑化により、個人情報流出や重要業務システム・都市ガス製造供給・発電に関する制御システムの停止・動作不良が発生した場合、ブランドイメージ毀損・社会的責任の発生等有形無形の損害が生じ事業収支に大きな影響を及ぼす可能性がある。情報系・制御系の部門横断的体制強化、グループ全体でのセキュリティ管理強化、インシデント対応訓練の実施等により影響最小化に取り組んでいる。サイバーセキュリティ基本法・経済安全保障推進法等に基づき重要インフラ事業者として適切に対応している。
競争激化・需要減少リスク
他企業との競合激化・資源価格変動・脱炭素潮流による制度変化やお客さま志向の変化等によりLNGが他エネルギーとの競争力を失う場合、需要が減少し収支に影響を及ぼす可能性がある。中長期的には省エネ進展・産業構造変化・世帯人員減少・省エネ機器普及等により工業用・商業用・家庭用の既存ガス需要の一部が減少する可能性もある。対応策として環境性・効率性の高いガス利用設備導入・コストダウンによる競争力向上に加え、LNGトレーディング・ソリューション・海外事業・都市ビジネスの拡大による事業バランスの変更を図っている。
法令・制度・政策変更リスク
ガス・電力事業においては小売全面自由化に続き送配電・ガス導管部門の法的分離が実施されるなど制度見直しが進んでおり、今後のエネルギー政策動向や競争激化により事業収支に影響を及ぼす可能性がある。また気候変動対応として2040年時点でCO2排出量を2022年度比6割削減・国内供給ガス・電力の5割カーボンニュートラル化、2050年カーボンニュートラル実現を目標とし、GX-ETS対応も求められている。ガスの効率化による競争力向上・電力の拡販と効率化の両立・ソリューション事業ブランドIGNITUREによる新収益基盤確立を推進している。
技術開発遅延リスク
CO2削減に向けた技術開発・実用化が他社と比較して遅延した場合、新技術を活用できない、または知財使用・購入コストや代替技術開発コストが増加し、競争力が低下して経営成績に中長期的な影響を及ぼす可能性がある。RNG・e-methane(合成メタン)・再生可能エネルギー拡大を主軸とした脱炭素化を推進するとともに、グリーン・イノベーション基金事業での革新的メタネーション技術開発・洋上風力浮体式基礎技術・低コストグリーン水素製造技術の開発を目指している。オープンイノベーションを戦略的に活用し、スピードと知財マネジメントを意識した進捗管理を実施している。
投資未回収リスク
パイプライン・LNG基地建設等の安定供給基盤強化や電力・再エネ・エネルギーサービス・海外ガス田開発・LNG輸送・IT・不動産活用に係る大規模投資が、経済情勢の変化等により適切に回収されない、または所期の成果を生み出せず特別損失として収支に悪影響を及ぼす可能性がある。投資評価委員会において採算性・リスク評価を実施し経営会議または取締役会に付議する体制を整備している。経済情勢の変化は通年管理し、短・中期的影響を踏まえ未回収リスク発現時は決算に反映させている。
個人情報流出・ITシステムリスク
お客さまの個人情報が外部へ流出した場合、対応費用・ブランドイメージ毀損等により事業収支に影響を及ぼす可能性があり、重要業務システムの停止・動作不良が発生した場合もお客さま対応業務の縮小・追加費用発生等のリスクがある。グループ全体の情報セキュリティ推進体制構築・監理機能強化・情報セキュリティ教育・自主検査・外部不正アクセス対策等の人的・技術的対策を実施している。都市ガスの製造・供給調整に関するITシステムはバックアップシステムおよび自営無線を整備しており、当該システム停止による都市ガス製造・供給への大きな影響は低いとしている。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

