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東京瓦斯株式会社

9531東証プライム電気・ガス業

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東京瓦斯株式会社9531

事業内容

東京瓦斯株式会社は1885年創業の国内最大手都市ガス事業者。子会社123社・関連会社107社を含む231社のグループ体制で、都市ガスの製造・販売、LNG販売・トレーディング、電力小売・卸、エンジニアリングソリューション(エネルギー・ソリューション)、都市ガス導管網の託送供給(ネットワーク)、北米シェールガス開発を含む海外資源開発・エネルギー供給(海外)、不動産開発・賃貸(都市ビジネス)の4セグメントを展開する。

主要顧客は首都圏の家庭用・業務用・工業用ガス需要家(小売8,861千件、取付メーター12,693千件)および電力小売顧客(4,337千件)。2026年度売上高は2,834,749百万円。

ビジネスモデル

ネットワークセグメントが規制料金に基づく託送収益で安定的な収益基盤を提供する一方、エネルギー・ソリューションセグメントが電力小売・卸の拡大と競争優位性のある原料調達で利益を積み上げる。海外セグメントは北米シェールガス事業の生産・販売で高収益を創出。

原料費調整制度により原料コスト変動を最大5ヶ月遅れで料金に転嫁する仕組みが中長期的な収支安定に寄与する。

企業の強み

ガス小売8,861千件・取付メーター12,693千件(前期比129千件増)・総延長67,287kmの導管網を保有。電力小売顧客も4,337千件(前期比4.5%増)に拡大しており、競合他社が短期間で模倣困難な物理インフラと顧客接点を有する。

2023年12月に子会社化したRockcliff Energy II LLC(現TGNR Intermediate Holdings LLC)を中核に、2026年度海外セグメント売上高241,460百万円・セグメント利益73,837百万円(前期比222.9%増)を達成。設備投資139,750百万円(前期比7.0%増)で生産規模を継続拡大中。

アラスカ・ブルネイ・マレーシア・オーストラリア・インドネシア・カタール・ロシア・米国シェールガスと多国籍の調達先を確保。原料費調整制度により原料購入価格変動を最大5ヶ月遅れで料金に転嫁でき、中長期的な収支への影響を軽微に抑える契約構造を持つ。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の親会社株主帰属当期純利益は226,857百万円(前期比205.8%増)と大幅増益だが、固定資産売却益48,732百万円・為替換算調整勘定取崩益68,013百万円・投資有価証券売却益11,995百万円など合計128,742百万円の特別利益が寄与している。経常利益ベースでは193,701百万円(前期比70.5%増)と改善しているものの、2027年3月期予想では純利益137,000百万円(前期比39.6%減)と大幅減益見通しであり、特別利益剥落後の実力収益水準を見極める必要がある。

2026年3月期の海外セグメント利益(持分法含む)は73,837百万円と前期比510億円増加し、連結営業利益改善の主要因となった。しかし北米シェールガス事業の販売単価上昇は外部要因として市況環境に依存する部分が大きく、2027年3月期予想では原油価格見通しを85ドル/bbl(前期実績71.41ドル/bbl)と上昇を見込む一方、為替は155円/ドルと円安継続を前提としており、前提変動時の業績下振れリスクに留意が必要。

2026年3月期に200,071百万円の自己株式取得を実施し、期末自己株式残高は204,626百万円に拡大。1株当たり純利益は654.76円(前期192.22円)、1株当たり純資産は5,151.08円(前期4,669.38円)と改善した。

一方、自己資本比率は44.1%(前期44.8%)と低下。後発事象として2026年4月に36,131,600株を消却、さらに最大50,000百万円・12,000,000株の追加取得を決議しており、株主還元姿勢は明確だが財務レバレッジの動向を継続注視する必要がある。

成長戦略

エネルギー・ソリューション・海外の3事業成長とROIC管理による収益最大化

電力小売顧客件数は2025年度末4,337千件(前期比4.5%増)、電力販売量合計28,021百万kWh(前期比19.5%増)と拡大基調。2027年3月期も電力販売量28,490百万kWhへの増加を見込む。卸販売量の大幅拡大(前期比28.4%増)が収益貢献。

2025年度の海外セグメント設備投資は139,600百万円(前期比7.0%増)と最大規模。販売単価上昇も加わりセグメント利益は73,837百万円(持分法含む)と前期比大幅増益を達成。引き続き上流資産の拡大を推進。

2025年10月策定の「26-28年度中期経営計画」でセグメント別ROIC管理を導入。各事業の収益性を定量的に評価し、リソースの最適配分を実施。エネルギー・ソリューション・海外の3事業への重点投資を推進する。

生成AI等デジタルの社会実装加速を背景に、AIとデジタル技術を積極活用して顧客接点の強化から市場競争力の向上まで幅広く取り組む方針を中期経営計画に明記。エンジニアリングソリューション事業の拡大にも寄与が期待される。

中長期的な1株当たり利益成長に合わせた累進配当を株主還元の中核と位置づけ。2026年3月期年間配当110円(前期80円)、2027年3月期予想120円と増配継続。自己株式取得(2026年3月期200,071百万円)も積極実施。

最終更新: 2026年7月19日