事業内容
株式会社レノバは2012年に再生可能エネルギー事業に参入した独立系企業で、太陽光・バイオマス・陸上風力・地熱・蓄電池等のマルチ電源を開発・所有・運営する。2026年3月末時点で運転中・建設中の設備容量は約1.6GWに達し、国内各地に発電所・蓄電所を保有する。
主要顧客は電力会社(FIT/FIP制度下の買取義務者)およびRE100対応企業等(コーポレートPPA)。ベトナム・フィリピン・韓国・米国にも拠点を持ち、アジア・北米での事業開発も推進している。
ビジネスモデル
発電所・蓄電所ごとにSPCを設立し、プロジェクトファイナンス(累計約5,000億円超)でハイレバレッジ調達を行う。FIT・FIP制度または長期コーポレートPPA契約により売電価格を固定し、事業期間にわたり安定収益を確保する。
開発・運営事業では運営管理報酬・事業開発報酬・配当・匿名組合分配益を積み上げる。運転開始後に出資持分を追加取得(コール・オプション行使等)して連結化し、収益を拡大する構造を採る。
企業の強み
2026年3月末時点で連結子会社・持分法適用会社における約定ベースの累計プロジェクトファイナンス組成額は5,000億円超。ハイレバレッジ調達により少ない自己資本で多数の大型事業を同時推進できる財務スキームを確立しており、競合が短期間で模倣困難な金融機関ネットワークと実績を有する。
エンジニアリング・地元合意形成・プロジェクトファイナンス組成・オペレーション管理の主要機能を内製化。バイオマス発電所7ヵ所の安定稼働ノウハウを社内共有し、蓄電池の最適運用知見も内製化中。独立系として多様なパートナーと連携できる柔軟性も競争優位の一つ。
運転中の太陽光発電所は全て36円/kWh又は40円/kWhのFIT買取価格を確保しており、FIT期間にわたり高い収益予見性を持つ。バイオマス発電所も24円/kWh又は32円/kWhのFIT価格を確保。さらにコーポレートPPAではFIT価格に環境プレミアムを上乗せした価格での売電を実現している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2022年3月期29,207百万円から2026年3月期87,622百万円へと5期で約3倍に拡大。2026年3月期は前期比+24.7%と加速した。
営業利益は2025年3月期の4,066百万円から8,283百万円へ倍増(+103.7%)し、EBITDAマージンも33.2%から34.8%に改善。主要因は徳島津田バイオマス発電所の売電収入増加(+4,701百万円)、御前崎港・唐津バイオマスの連結化、補助金等収益の計上(+1,007百万円)。
一方、バイオマス発電所の運転開始に伴う支払利息増加(△924百万円)や燃料費増加(40,524百万円)が利益を圧迫。包括利益は49,960百万円(前期比+483.5%)と急拡大したが、これは連結子会社保有の為替予約公正価値変動(キャッシュ・フロー・ヘッジ有効部分+47,242百万円)によるものであり、損益計算書上の利益とは性質が異なる。
成長戦略
蓄電事業の本格化・小規模分散型太陽光の拡大・バイオマスPPA転換で収益基盤を多様化
コーポレートPPA向け小規模・分散型太陽光の契約設備容量は206MWに達し、2025年12月に約170MWを対象としたプロジェクト・ファイナンスを組成。事業モデルを確立し、2027年3月期末には合計約534.6MWの運転を見込む。
2030年度0.9GW(運転中・建設中)の中期目標に向けて完工・運営体制を強化する。
姫路蓄電所(15MW、2025年10月運転開始)・安来蓄電所(2MW、2026年4月運転開始)に続き、石狩(30MW、2027年度予定)・菊川西村(90MW/270MWh、2028年度予定・国内最大規模の市場販売型)の開発が進行中。蓄電池の市場運用知見を内製化し、需給調整市場・容量市場での収益最大化を目指す。
FIT価格に環境プレミアムを上乗せしたコーポレートPPAへの切り替えにより、長期安定収益の向上を図る。2026年3月末時点でバイオマス発電事業のコーポレートPPA契約設備容量は145.4MW(3発電所)。
昼夜問わず安定供給可能なベースロード電源としての価値を訴求し、データセンター等の脱炭素需要を取り込む。
ベトナム・クアンチ風力事業(3事業合計144.0MW、持分40%)が持分法で連結業績に寄与。国内では陸上風力1社が建設中、水力1社が建設中。地熱は南阿蘇湯の谷地熱(2.0MW、持分30%)が稼働中。特定電源への依存を低減し、収益の安定性を高める。
最終更新: 2026年7月19日

