気候変動・炭素規制リスク
2026年度からGX-ETSへの参加義務化、2028年度からの化石燃料賦課金導入、2033年度からの有償オークション導入が予定されており、石炭火力発電所を多数保有する当社の発電コストや設備投資計画に重大な影響を及ぼす可能性がある。加えて、新たな温室効果ガス削減規制が導入された場合、事業計画・事業運営に大幅な変更や制約が生じる恐れがある。当社はCO2フリー電源の導入拡大や石炭火力の高効率化・低炭素化に取り組んでいるが、制度運用の具体化や水準見直しによるリスクは残存する。
電力市場自由化による収益影響
2016年の電力小売全面自由化以降、発電事業の料金規制が撤廃され、販売先との協議により料金が決定される市場競争環境となっている。営業収益の大半を旧一般電気事業者への販売に依存しているため、長期的な電力需要の推移や市場競争の進展によっては、発電コストに見合った収益を確保できない可能性がある。当社は販売先との適切な料金協議や電力販売の多様化、発電設備の保守高度化による競争力強化に取り組んでいる。
大間原子力発電所の計画遅延
2014年12月に原子力規制委員会へ適合性審査を申請した大間原子力発電所は、2029年後半の安全強化対策工事終了を目標としているが、審査状況や追加対応等を踏まえると目標達成は厳しい状況にある。当初工事費4,690億円に加え、安全強化対策工事費として申請書記載の約1,300億円からの相応の増額が見込まれており、工程精査の結果によってはさらなる増額の可能性もある。審査の長期化や追加安全対策の拡大が財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすリスクがある。
原子力事業の政策・規制リスク
国の原子力政策の見直しや新規制基準への対応、原子力損害賠償・廃炉等支援機構への負担金納付義務など、原子力事業を取り巻く規制環境の大幅な変化が事業計画に影響を及ぼす可能性がある。大間原子力発電所の運転開始後には、放射性物質の貯蔵・取扱いリスクや自然災害・不測の事故等のリスクも存在する。当社は原子力規制委員会の審査に真摯に対応し、必要な安全対策を着実に実施する方針だが、リスク顕在化時の財務的影響は大きい。
海外事業のカントリーリスク
当社はIPPプロジェクト等の海外発電事業を展開しているが、当該国の政情不安等によるカントリーリスクや為替リスクが存在する。また、合弁形態で運営される事業では、当社が非支配持分保有者に留まる場合に経営統制に関与できない事態が生じる可能性があり、合弁事業の結果が必ずしも当社業績に有益な貢献をもたらさない恐れがある。事業環境の大幅な変化により事業計画の変更や取り止めが生じた場合、関連費用の発生や追加資金拠出が財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
資金調達リスク
再生可能エネルギー発電設備や大間原子力発電所の新規開発をはじめとする国内外の投資、既存債務の償還等のために継続的な資金調達が必要であり、主として借入れ及び社債発行に依存している。金融情勢の変化や当社の信用状態の悪化等により、必要資金を適時に適正な条件で調達できない場合、事業展開並びに財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。特に大間原子力発電所の工事費増額が見込まれる中、資金需要の増大が調達リスクを高める要因となり得る。
石炭燃料価格変動リスク
石炭火力発電所の主燃料である海外炭の価格変動、輸送船舶の需給状況、調達先の設備・操業トラブル等が燃料費に影響を及ぼす。主要石炭火力の電力料金には燃料費相当部分の市況変動を反映する仕組みがあるため業績への影響は限定的だが、石炭価格の急激な上昇時には料金反映までのタイムラグにより一時的な業績悪化が生じる可能性がある。また、石炭価格の大幅下落時には当社が権益を保有する炭鉱の業績悪化を通じて財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。
自然災害・設備事故リスク
自然災害、人為的ミス、テロ、燃料供給の中断等により発電設備・送変電設備や運転制御情報システムに重大な事故が発生した場合、事業運営に支障を来たし周辺環境にも悪影響を及ぼす可能性がある。疫病の流行その他の不測の事態により、設備運営や建設・補修工事に必要な人員・原材料・資機材の確保が困難となるリスクも存在する。当社は保安・防災体制の確立、事故・災害の予防対策及び応急・復旧対策等に全社で取り組んでいる。
法的規制の変更リスク
電気事業法に基づく事業規制・保安規制のほか、様々な法令の適用を受けており、これらの法令・規制を遵守できなかった場合や改正があった場合に事業運営や財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性がある。特に原子力損害賠償・廃炉等支援機構への負担金は大間原子力発電所の運転開始後に納付義務が生じ、その額によっては財政状態に影響を与える。電気事業制度改革の継続的な進展により、旧一般電気事業者に対する電気小売料金規制(経過措置)の見直しも予定されており、当社の事業環境に影響を及ぼす可能性がある。
情報漏洩・コンプライアンスリスク
個人情報をはじめとする機密性の高い重要情報を多数保有しており、外部流出が生じた場合には当社のレピュテーションや業績に悪影響を及ぼす可能性がある。また、人権侵害を含むコンプライアンス違反が発生した場合にも同様のリスクが存在する。当社は情報セキュリティ対策の推進・従業員教育の実施、「企業行動規範」・「コンプライアンス行動指針」の制定、J-POWERグループコンプライアンス委員会の設置等により対策を講じている。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

