事業内容
電源開発(J-POWER)は1952年に政府出資で設立された総合電力会社。水力・石炭火力・風力・地熱・太陽光など多様な電源を国内外で保有・運営し、旧一般電気事業者や新電力等の小売電気事業者に卸電力を供給する。
国内では沖縄電力を除く一般送配電事業者9社向けの電力託送も担う。海外はタイ・米国・豪州・フィリピン等に展開し、子会社109社・関連会社86社を擁するグループを形成。
2026年3月期の連結売上高は1,182,260百万円。
ビジネスモデル
国内発電事業では小売電気事業者との長期・相対契約を基本とし、燃料費変動を販売料金に転嫁する仕組みを導入。容量市場収入も新規収益源として定着。
送変電事業は規制料金(適正原価+適正利潤)による安定収益。海外事業はタイ電力公社との長期電力販売契約(基本料金+電力量料金)と米国容量市場収入を組み合わせ、持分法投資利益も加算。
アセット売却による開発者利益獲得も収益モデルに組み込んでいる。
企業の強み
水力・石炭火力・風力・地熱・太陽光・揚水など多様な電源を保有し、2026年3月期の国内発電事業販売電力量は667億kWh。火力設備利用率は前期58%から67%へ上昇し販売電力量が増加。設備投資総額は188,576百万円に上り、既存資産の最大活用と新設を並行して推進している。
海外事業セグメント利益は94,856百万円と全社経常利益1,585億円の約60%を占める高収益セグメント。タイ・米国・豪州・フィリピン等に分散展開し、タイ電力公社との長期契約による安定収益と米国PJM市場での容量収入を組み合わせる。
2025年度には米国火力発電事業の持分譲渡による持分法投資利益も実現した。
佐久間周波数変換所(東西日本を結ぶ唯一の大規模周波数変換設備)の保守・運用を担い、電力広域運用に不可欠なインフラを保有。送変電事業資産は313,588百万円。佐久間東西幹線増強工事・佐久間周波数変換所増強計画を推進中であり、再エネ大量導入時代の系統増強需要に対応できる固有のポジションを有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の売上高は1,182,260百万円(前期比10.2%減)。タイでの販売電力量減少、松島火力発電所の休廃止、容量市場価格の下落が主因。
営業利益は100,992百万円(同27.0%減)と大幅減。一方、米国火力発電事業の持分譲渡による持分法投資利益63,878百万円(前期比341.6%増)が経常利益を158,532百万円(同13.2%増)に押し上げた。
しかし豪州再エネ設備・高砂火力の減損損失と大間原子力の固定資産除却損計51,817百万円が特別損失に計上され、親会社株主帰属純利益は58,537百万円(同36.7%減)に落ち込んだ。自己資本比率は37.6%(前期36.4%)に改善。
2027年3月期は売上高1,380,000百万円・純利益81,000百万円への回復を予想。
成長戦略
カーボンニュートラル資産へのポートフォリオ転換と海外事業拡大による資本効率改善
米国における大型太陽光発電所の建設工事が進捗中。2027年3月期の運転開始により海外事業の営業利益に直接貢献する見通し。建設仮勘定は774,903百万円に拡大しており、投資フェーズから収益フェーズへの移行が近い。
2026年4月2日付でPak Lay Power Company Limitedの株式51%(当社間接所有48.96%)を取得価額144百万米ドルで取得。メコン川の流れ込み式水力発電所であり、東南アジアにおける再エネ収益基盤の拡充と「BLUE MISSION 2050」のカーボンニュートラル目標に貢献。
タイのガスコンバインドサイクル発電所2社(KLU社・BPU社)の各49%持分を取得予定(取得価額合計2,765百万タイバーツ)。2027年3月期から持分法適用関連会社となる予定で、タイにおける安定的な電力・蒸気販売収益を追加。中期経営計画「持続可能な収益源の確立と成長」に資する取り組み。
2025年9月〜2026年3月に6,713,200株・19,999百万円の自己株式取得を実施し、2026年5月15日に消却(発行済株式総数の3.7%)。2027年3月期の年間配当は105円(前期比5円増)を予定し、総還元性向30%目安の方針を維持。
東西連系容量の拡大を目的とした佐久間東西幹線増強工事が進捗中。再生可能エネルギーの大量導入に伴う電力ネットワーク増強需要に対応し、将来的な託送収益基盤の拡大と広域運用への貢献を見込む。
最終更新: 2026年7月19日

