泊発電所の再稼働遅延
泊発電所は新規制基準の適合性審査対応中であり、2025年7月に3号機の原子炉設置変更許可を取得したが、詳細設計認可や保安規定変更認可の審査が残存する。また、2024年3月着工の防潮堤設置工事は完成まで3年数ヵ月を要する見込みであり、審査進捗や工事遅延によって停止が長期化した場合、燃料費の増大が継続し業績に重大な影響を及ぼす可能性がある。会社は工程短縮方策の検討や安全性向上計画に基づく対策工事を推進している。
燃料・卸電力市場価格の変動
燃料調達費用は燃料価格・為替レートの変動に、電力購入費用は卸電力市場価格の変動にそれぞれ影響を受け、中東情勢の緊迫化を背景に足元では価格上昇が続いている。長期契約とスポット調達の組み合わせ、調達先多様化、デリバティブ取引活用により価格変動リスクの分散・回避に努めており、燃料費調整制度・燃料費等調整制度の適用により業績への影響は一定程度緩和される。ただし、制度の適用範囲を超える価格変動が生じた場合には業績に影響が及ぶ可能性がある。
電気事業制度変更リスク
電気事業のさらなる競争活性化を目的とした市場・ルールの整備・見直し等、国の制度変更により業績に影響が及ぶ可能性がある。また、原子力バックエンド事業(使用済燃料再処理・放射性廃棄物処分・廃炉費用)に係る拠出制度が見直された場合、超長期にわたる不確実性が高まり業績に影響が及ぶ可能性がある。現行制度下では法令等に基づく単価・金額による拠出制度が措置されており事業者リスクは軽減されている。
気候変動・環境規制強化
カーボンプライシング等の地球温暖化対策に関する環境規制強化により、コスト増加や競争力低下が生じる可能性がある。ほくでんグループはスコープ1+2+3排出量について2013年度比で2030年度46%削減・2035年度60%削減の目標を掲げ、泊発電所全基再稼働・再生可能エネルギー拡大・火力発電所脱炭素化に取り組んでいるが、これらへの対応が遅れた場合には競争力低下を招く恐れがある。2050年の北海道カーボンニュートラル実現に向けた取り組みを継続している。
設備障害・供給支障リスク
自然災害や故障等により発電設備・流通設備に障害が生じた場合、または燃料供給・資機材サプライチェーンの途絶により設備の運転・維持管理が困難になった場合、復旧工事費用や他発電所の焚き増しコストが増加し業績に影響が及ぶ可能性がある。点検・保守の着実な実施による設備信頼性維持、安定的な燃料調達、サプライチェーンの維持管理に努めているが、大規模災害等の外部要因には限界がある。
電力需要・販売電力量の減少
景気悪化による経済・生産活動の低下、省エネルギーの進展、人口減少、気温変動等により電力需要が減少した場合、または他事業者との競争激化により販売電力量が減少した場合には業績に影響が及ぶ可能性がある。電力小売全面自由化後の競争環境において、需要側・供給側双方の要因が複合的に作用するリスクを抱えている。
金利・物価上昇リスク
市場金利の上昇により新たな資金調達コストが増加する可能性があるが、有利子負債残高の大部分は固定金利の社債・長期借入金であるため金利変動による業績への影響は限定的と考えられる。一方、物価や人件費の上昇により資機材調達コストが増加した場合には業績に影響が及ぶ可能性があり、資機材調達の工夫等による効率化・コスト低減に取り組んでいる。
情報セキュリティ・サイバー攻撃
顧客情報等の業務情報の流出や、サイバー攻撃に起因するシステム障害が発生した場合、業務遂行に支障が生じるとともに社会的信用が低下し業績に影響が及ぶ可能性がある。情報セキュリティ確保・社内ルール整備・従業員教育に加え、不正侵入防止措置の実施、早期検知・迅速対応体制の構築、サイバー攻撃対応訓練によりインシデント対応レベルの向上に努めている。
人材確保リスク
深刻な人材不足が生じた場合、業務遂行に支障が生じ業績に影響が及ぶ可能性がある。「ほくでんグループ人材戦略」に基づき、自律的に挑戦・変化できる人材の育成や、多様な人材が活躍できる環境整備に向けた施策を推進しているが、少子化・労働市場の競争激化を背景に人材確保の難易度は高まっている。
降雨降雪量の変動(渇水リスク)
年間の降雨降雪量の変動により、渇水時には水力発電量が減少し燃料費の増加要因となる一方、豊水時には燃料費の低減要因となるため、業績に影響が及ぶ可能性がある。「渇水準備引当金制度」により一定の調整が図られるため業績への影響は軽減されるが、制度の調整範囲を超える極端な渇水が生じた場合にはコスト増加リスクが残存する。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

