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北海道電力株式会社

9509東証プライム電気・ガス業

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北海道電力株式会社9509

事業内容

北海道電力株式会社は1951年設立の北海道唯一の総合電力グループ(ほくでんグループ)の持株的中核会社。発電・小売電気事業を担う北海道電力㈱、一般送配電事業を担う北海道電力ネットワーク㈱、および建設・情報通信・エンジニアリング等の周辺サービスを担う13社のグループ会社で構成される。

主要顧客は北海道内の家庭・産業・業務用需要家であり、小売販売電力量22,118百万kWh(2026年3月期)を供給する。近年は次世代半導体工場・大型データセンター等GX産業の北海道立地に伴う電力需要増加を取り込む局面にある。

ビジネスモデル

収益の大半は電灯・電力料(564,543百万円)および地帯間・他社販売電力料(163,606百万円)で構成される。送配電部門は規制料金(託送収益52,339百万円)による安定収益基盤を持ち、発電・小売部門は燃料費等調整制度を通じて燃料価格変動を料金に転嫁する仕組みを有する。

グループ内工事・通信・エンジニアリング会社が電力インフラ整備を内製化することでコスト効率を高める垂直統合構造を採る。

企業の強み

北海道電力ネットワーク㈱が北海道全域の一般送配電事業を独占的に担い、規制料金による安定収益(売上高322,949百万円)を確保する。法的分離により中立性を担保しつつ、系統整備投資(設備投資82,202百万円)を継続しており、競合他社が代替困難な物理インフラを保有する。

2026年3月期の水力発電電力量は3,646百万kWhで前年度比21.9%増(出水率103.6%)。水力発電は燃料費ゼロの低コスト電源であり、出水率好調時には燃料費削減効果が直接利益に寄与する。水力設備投資6,723百万円を継続し、リプレース等による長期的な発電能力維持を図っている。

北電興業・北海電工・北海道パワーエンジニアリング等13社のグループ会社が電力インフラ工事・保守・情報通信サービスを内製提供。「その他」セグメントの売上高は175,717百万円(外部顧客37,870百万円)、経常利益19,057百万円と高い利益貢献を示しており、グループ内需要増加時に収益拡大が見込める構造を持つ。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は燃料費等調整制度の期ずれ差益拡大が経常利益を下支えしたが、2027年3月期予想では差益から差損への転換により収支が大幅悪化する見通し。会社予想の経常利益は30,000百万円(前期比△51.1%)、親会社株主帰属当期純利益は22,000百万円(同△50.0%)と半減以下の水準。

外部要因として中東情勢を踏まえた燃料価格・卸電力市場価格の上昇も想定されており、業績ボラティリティの高さが引き続き投資判断上の重要課題となる。

2026年3月期の投資活動によるキャッシュ・フローは△213,069百万円(前期△90,702百万円から大幅拡大)と固定資産取得支出が急増。財務活動では社債発行195,002百万円・長期借入102,000百万円で資金を調達し、有利子負債(社債859,230百万円+長期借入金540,328百万円)は前期から大幅増加。

支払利息も14,788百万円(前期10,991百万円)に増加しており、金利上昇局面での財務コスト増大リスクが顕在化しつつある。自己資本比率は18.5%と依然低水準。

泊発電所(原子力)は2026年3月期も設備利用率ゼロが継続しており、再稼働に向けた取り組みコストが収益を圧迫している。再稼働が実現した場合、燃料費の大幅削減による収益改善効果が期待されるが、規制審査の進捗次第で時期は不確定。

一方、デジタル産業(次世代半導体工場・大型データセンター等)の北海道立地に伴う電力需要増加は中長期的な追い風であり、2027年3月期の小売・他社販売電力量合計は358億kWh程度(前期比+5.0%程度)と増加が見込まれている。

成長戦略

GX実現・新価値創造・経営基盤強化の3テーマで2035年に向けた持続的成長を追求。

原子力規制委員会の審査対応を継続しながら再稼働を目指す。再稼働実現時には燃料費の大幅削減による収益改善効果が期待される。2026年3月期も設備利用率ゼロが継続しており、再稼働費用が収益を圧迫している状況。

カーボンニュートラル実現に向けた電源開発の中核施策。2号機は2030年度、3号機は2033年度の運転開始を予定。2026年3月期の建設仮勘定は431,887百万円(前期284,053百万円から大幅増)と投資が本格化している。

再生可能エネルギーの大量導入と電力広域融通を支える系統インフラの整備。北海道電力ネットワークが主体となり推進。2026年3月期の有形・無形固定資産増加額は229,317百万円と前期164,776百万円から大幅拡大。

次世代半導体工場・大型データセンター等の北海道立地に伴う電力需要増加を中長期成長機会として捉え、系統整備・供給力強化を推進。2027年3月期の小売・他社販売電力量合計は358億kWh程度(前期比+5.0%程度)を見込む。

電気・電気通信工事、土木・建築、電気通信事業等のその他セグメントが2026年3月期にセグメント経常利益19,057百万円を計上。継続的な原価低減と系統整備投資拡大に伴うグループ内工事需要増加を取り込み、収益多様化を推進。

最終更新: 2026年7月19日