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四国電力株式会社

9507東証プライム電気・ガス業

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四国電力株式会社9507

事業内容

四国電力グループは、四国電力㈱を中心に連結子会社12社・関連会社29社を含む計65社で構成される。主力の電気事業(発電・販売・送配電)に加え、光通信・データセンターを手がける情報通信事業、LNG販売等のエネルギー事業、建設・エンジニアリング事業、製造・商事・不動産・研究開発事業を展開する。

四国エリアの家庭・法人顧客を主要顧客基盤としつつ、卸販売や国際事業を通じてエリア外にも事業領域を拡大している。2025年度の連結売上高は761,862百万円。

ビジネスモデル

発電・販売事業(売上高630,128百万円)と送配電事業(同230,529百万円)が収益の根幹を担う。送配電はレベニューキャップ規制下で安定収益を確保し、発電・販売は小売・卸販売の両輪で収益を得る。

情報通信事業(売上高52,751百万円、経常利益率約21%)やエネルギー事業が成長事業として収益多様化に貢献する構造。

企業の強み

伊方発電所3号機は2025年度利用率81%で稼働し、原子力発電電力量6,042百万kWhを供給した。原子力は燃料費が相対的に低廉で、CO₂排出量も少ない。2026年度は利用率91%を計画しており、低コスト電源の安定稼働が発電・販売事業の収益基盤を支えている。

情報通信事業は2025年度売上高52,751百万円、経常利益11,289百万円(利益率約21%)を達成し、前年度比で増収増益を継続した。個人向け光通信(ピカラ)の加入者数増加とデータセンター契約数の拡大が牽引しており、グループ内で最も高い利益率を誇る成長セグメントとして機能している。

2022年度末に18.3%まで低下した自己資本比率は、2025年度末に27.4%まで回復し、中期経営計画2025の目標(25%以上)を達成した。有利子負債倍率も2022年度末の3.2倍から2025年度末の2.0倍へ改善。

自己資本は4,745億円(474,500百万円相当)まで積み上がり、財務基盤が強化されている。

エンヴァリスの着眼点

2027年3月期(2026年度)の連結業績予想は売上高925,000百万円(前期比+21.4%)と大幅増収が見込まれる一方、営業利益は37,000百万円(同△45.5%)、当期純利益は30,000百万円(同△41.0%)と急減益が予想される。退職給付に係る数理計算上の差異償却の変動による人件費増(前期比+133億円相当)と諸費用の増(同+161億円相当)が主因であり、外部要因として燃料価格高騰(石炭CIF121→170$/t、原油CIF71→95$/b)に伴うコスト増も重なる。

需給収支の好転(+25億円)では吸収しきれない構造的な費用増圧力が当面の業績の重石となる。

2025年度の固定資産取得支出は124,346百万円と前期(78,297百万円)比約59%増加し、投資CFは△150,008百万円に拡大。フリーキャッシュフローは△67,700百万円(前期+36,800百万円)と赤字に転落し、社債・借入金の純増(28,000百万円)で賄う構造となった。

有利子負債(社債406,997百万円+長期借入金464,300百万円)は合計871,297百万円に達しており、外部要因として金利上昇局面での支払利息増加(前期6,258百万円→当期7,395百万円)が財務負担を高めている。中期的な投資回収の見通しと財務規律の維持が投資家の注目点となる。

2026年度予想では伊方3号機の利用率を81%から91%へ引き上げ、卸販売電力量を115億kWhから168億kWhへ大幅増加させる計画を前提としている。これらが計画通り実現すれば需給収支の好転(+25億円)が見込まれるが、原子力の計画外停止や規制対応による稼働制約が生じた場合、業績予想の下振れリスクが顕在化する。

また、外部要因として電力市場価格の動向が卸販売収益に直接影響するため、市況変動への感応度が高い点も留意が必要。伊方発電所に関する訴訟リスクも継続的なモニタリング事項である。

成長戦略

電気事業の収益力強化と情報通信・エネルギー事業を中心とする成長事業拡大の二軸戦略

伊方発電所3号機の安全・安定運転を最優先課題とし、設備利用率の向上を図る。2025年度実績81%から2026年度予想91%への引き上げを計画。原子力廃止関連仮勘定償却費(5,211百万円/年)等のバックエンドコストを着実に処理しながら、低コスト電源の競争優位を維持する。

2025年度の卸販売電力量115億kWhから2026年度予想168億kWhへの大幅増加を計画。容量市場・需給調整市場等の制度活用と相対販売の拡大により、小売販売に依存しない収益源を構築する。外部要因として電力市場価格の動向に収益が左右されるリスクを内包する。

個人向け光通信サービスの加入者拡大とデータセンター事業の強化を推進。2025年度の情報通信セグメント利益は11,289百万円と全セグメント中最高水準の収益性を維持。

生成AI普及や半導体工場新増設等に伴うデータ通信需要の拡大という外部要因を追い風に、積極的な設備投資(有形・無形固定資産増加額5,222百万円)を継続する。

PT Hero Global Investment Tbk及びLuluah SKY Energy Holding Ltdを持分法適用会社に追加し、海外エネルギー事業への投資を拡大。持分法適用会社への投資額は99,787百万円(前期91,195百万円)に増加。

脱炭素化・エネルギーソリューション需要の取り込みを図り、グループ収益の多様化を推進する。

安定的な配当実施を株主還元の基本方針とし、中期経営計画2030で自己資本配当率2.5%を目安として設定。2025年度の年間配当50円(配当性向20.2%)から2026年度予想55円へ増配を継続。業績減益局面においても増配方針を維持しており、株主還元の安定性を重視した経営姿勢を示している。

最終更新: 2026年7月19日