事業内容
四国電力グループは、四国電力㈱を中心に連結子会社12社・関連会社29社を含む計65社で構成される。主力の電気事業(発電・販売・送配電)に加え、光通信・データセンターを手がける情報通信事業、LNG販売等のエネルギー事業、建設・エンジニアリング事業、製造・商事・不動産・研究開発事業を展開する。
四国エリアの家庭・法人顧客を主要顧客基盤としつつ、卸販売や国際事業を通じてエリア外にも事業領域を拡大している。2025年度の連結売上高は761,862百万円。
ビジネスモデル
発電・販売事業(売上高630,128百万円)と送配電事業(同230,529百万円)が収益の根幹を担う。送配電はレベニューキャップ規制下で安定収益を確保し、発電・販売は小売・卸販売の両輪で収益を得る。
情報通信事業(売上高52,751百万円、経常利益率約21%)やエネルギー事業が成長事業として収益多様化に貢献する構造。
企業の強み
伊方発電所3号機は2025年度利用率81%で稼働し、原子力発電電力量6,042百万kWhを供給した。原子力は燃料費が相対的に低廉で、CO₂排出量も少ない。2026年度は利用率91%を計画しており、低コスト電源の安定稼働が発電・販売事業の収益基盤を支えている。
情報通信事業は2025年度売上高52,751百万円、経常利益11,289百万円(利益率約21%)を達成し、前年度比で増収増益を継続した。個人向け光通信(ピカラ)の加入者数増加とデータセンター契約数の拡大が牽引しており、グループ内で最も高い利益率を誇る成長セグメントとして機能している。
2022年度末に18.3%まで低下した自己資本比率は、2025年度末に27.4%まで回復し、中期経営計画2025の目標(25%以上)を達成した。有利子負債倍率も2022年度末の3.2倍から2025年度末の2.0倍へ改善。
自己資本は4,745億円(474,500百万円相当)まで積み上がり、財務基盤が強化されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期の連結売上高は761,862百万円(前期比△10.5%)、営業利益67,848百万円(同△23.8%)、当期純利益50,809百万円(同△25.6%)と2期連続増益から減益に転じた。外部要因として燃料費調整額の減少(小売販売収入△294億円)と容量確保契約金額の減少(卸販売収入△560億円)が主な減収要因。
費用面では退職給付に係る数理計算上の差異償却(+109億円)が人件費を押し下げ、需給関連費も火力単価低下等で△800億円と大幅減少したが、修繕費増(+70億円)や原子力バックエンド費用増(+16億円)が一部相殺した。過去5期の推移は2022・2023年度の2期連続赤字→2024・2025年度の急回復→2026年度の調整局面という構図であり、2027年3月期予想(当期純利益30,000百万円)はさらなる減益を見込む。
成長戦略
電気事業の収益力強化と情報通信・エネルギー事業を中心とする成長事業拡大の二軸戦略
伊方発電所3号機の安全・安定運転を最優先課題とし、設備利用率の向上を図る。2025年度実績81%から2026年度予想91%への引き上げを計画。原子力廃止関連仮勘定償却費(5,211百万円/年)等のバックエンドコストを着実に処理しながら、低コスト電源の競争優位を維持する。
2025年度の卸販売電力量115億kWhから2026年度予想168億kWhへの大幅増加を計画。容量市場・需給調整市場等の制度活用と相対販売の拡大により、小売販売に依存しない収益源を構築する。外部要因として電力市場価格の動向に収益が左右されるリスクを内包する。
個人向け光通信サービスの加入者拡大とデータセンター事業の強化を推進。2025年度の情報通信セグメント利益は11,289百万円と全セグメント中最高水準の収益性を維持。
生成AI普及や半導体工場新増設等に伴うデータ通信需要の拡大という外部要因を追い風に、積極的な設備投資(有形・無形固定資産増加額5,222百万円)を継続する。
PT Hero Global Investment Tbk及びLuluah SKY Energy Holding Ltdを持分法適用会社に追加し、海外エネルギー事業への投資を拡大。持分法適用会社への投資額は99,787百万円(前期91,195百万円)に増加。
脱炭素化・エネルギーソリューション需要の取り込みを図り、グループ収益の多様化を推進する。
安定的な配当実施を株主還元の基本方針とし、中期経営計画2030で自己資本配当率2.5%を目安として設定。2025年度の年間配当50円(配当性向20.2%)から2026年度予想55円へ増配を継続。業績減益局面においても増配方針を維持しており、株主還元の安定性を重視した経営姿勢を示している。
最終更新: 2026年7月19日

