事業内容
東北電力は1951年設立の総合電力会社で、東北6県および新潟県を供給区域とする。当社および子会社40社・関連会社30社の計71社で構成され、火力・原子力・再生可能エネルギーによる発電から電力小売・ソリューションサービスを担う「発電・販売事業」、中立・公平な電力ネットワークを提供する「送配電事業」、DX・IT・総合設備エンジニアリング等の「その他事業」の3セグメントで事業展開する。
2025年度の連結売上高は2,372,420百万円、総資産は5兆7,318億円規模に達する大型インフラ企業である。
ビジネスモデル
発電・販売事業では火力・原子力・再エネによる自社発電電力を小売・卸売で販売し、燃料費調整制度を通じてコスト変動を価格に転嫁する仕組みを持つ。送配電事業では規制料金体系に基づく託送収益を安定的に得る。両事業を組み合わせることで、市場競争リスクと規制収益の安定性を補完し合う構造となっている。
企業の強み
女川原子力発電所第2号機が安定稼働を継続し、2025年度の原子力発電電力量は5,199百万kWhと前年度比229.4%増を達成。低燃料コストの原子力電源が発電・販売事業の収益基盤を支え、セグメント経常利益126,604百万円の主要ドライバーとなっている。
東北電力ネットワーク株式会社が東北6県・新潟県の送配電設備を一元管理し、2025年度の送配電事業売上高は476,702百万円(外部顧客)を計上。託送料金単価改定により基準託送料金収益は前年度比10.7%増の131,561百万円となり、規制収益として安定的な収入基盤を形成している。
水力・火力・原子力・再エネを組み合わせた多様な電源構成を保有。2025年度末時点で再生可能エネルギーの持分出力累計は約90万キロワットに達し、系統用蓄電池事業(韮塚・小角田蓄電所)の営業運転開始など、脱炭素対応の実績を積み上げている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年度の3,007,204百万円をピークに2期連続で減収し、2025年度は2,372,420百万円(前年度比10.3%減)。販売電力量(小売)の減少と市場価格の変動が主因。
営業利益は160,380百万円(前年度比42.8%減)、経常利益は126,407百万円(同50.8%減)、親会社株主帰属当期純利益は84,975百万円(同53.5%減)と全利益指標が大幅悪化。外部要因として中東情勢悪化による燃料価格・電力市場価格の急騰が電力先渡取引の時価評価損を発生させたほか、送配電事業における需給調整費用の増加も響いた。
一方、女川原子力第2号機の再稼働による収支改善効果は確認されており、2期通算での収支中立が見込まれる時価評価損の振戻しが2026年度の業績回復要因となる見込み。
成長戦略
原子力・再エネ・DXを三本柱に「利益・投資・成長の好循環」を形成し財務基盤を早期回復
第2号機の再稼働により2025年度の原子力発電電力量は前年度比229.4%増の5,199百万kWhを達成。低コスト・低炭素電源の安定稼働継続により発電コスト低減と収益改善を図る。
東北・東京エリア間500kV送電線2ルート化など系統増強投資を推進。2025年度の有形・無形固定資産増加額は417,131百万円と前年度比10.6%増加し、投資を積極化。「ウェルカムゾーン」公表による大規模需要者の系統接続促進も進める。
相対卸売の拡大により2025年度の卸売販売電力量は前年度比20.5%増の206億kWhに増加。コーポレートPPAや再エネアグリゲーションサービスの強化により、小売競争激化による収益減を補完する収益源の多様化を図る。
中長期ビジョン「よりそうnext+PLUS」に基づき、事業セグメントを「発電・販売」「送配電」「総合設備エンジニアリング」「不動産」「DX・IT」「その他」に再編。生成AI関連GPU需要への対応など新規成長領域を開拓する。
2025年度の年間配当金は1株40円(前年度35円から増配)、配当金総額20,043百万円。自己資本比率は19.4%まで回復。業績予想未定の中でも2026年度配当予想を1株40円と開示し、株主の予見性を確保する方針。
最終更新: 2026年7月19日

