事業内容
中国電力株式会社は1951年設立の中国地域最大の電力会社で、当社・子会社28社・関連会社29社の計58社で構成される。総合エネルギー事業(発電・電力販売・ガス供給)、送配電事業(一般送配電)、情報通信事業の3つを戦略的事業領域と定め、トータルソリューション事業を展開する。
主要顧客は中国地域の家庭・産業・法人向け電力需要者であり、瀬戸内コンビナートを中心とした大口産業顧客も重要な顧客基盤を形成する。東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
発電(水力・火力・原子力・再エネ)から小売・卸売販売まで一貫した電力バリューチェーンを保有し、小売電力料・他社販売電力料・送配電託送収入を主要収益源とする。送配電事業は規制料金体系に基づく安定収益を確保し、総合エネルギー事業は自由化市場での競争を通じて収益を獲得する。
情報通信事業はグループ内外の受託収益で補完的収益を創出する。
企業の強み
2024年度に島根原子力発電所2号機が再稼働し、2025年度の原子力発電電力量は6,315百万kWhと前年度比319.0%に急増した。これにより燃料費が大幅に低減し、営業活動によるキャッシュ・フローは2,372百万円(前年度比512億円増)となり、フリー・キャッシュ・フローが10億円のプラスに転換した。
中国電力ネットワーク株式会社を通じて中国地域の一般送配電事業を独占的に担い、セグメント資産1,239,029百万円の規制資産基盤を保有する。データセンター・半導体工場新増設等の需要増見通しを背景に、基準接続託送収益の拡大が期待できる安定的な収益基盤を有する。
当連結会計年度末時点の特許登録件数は1,965件でエネルギー業界トップレベルを維持。特許出願221件・新規登録116件と知財活動を継続的に積み上げており、広島大学・TNOオランダ応用科学研究機構との産学官連携も構築済み。研究開発費は年間55億円を投じ、脱炭素・デジタル技術の実用化を推進している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期の1,694,602百万円をピークに3期連続で減少し、2026年3月期は1,442,302百万円となった。営業利益は2024年3月期の206,777百万円をピークに2025年3月期129,148百万円、2026年3月期90,216百万円と減少が続く。
当期純利益も2026年3月期は68,539百万円と前期比約30%減。外部要因として燃料費調整制度の期ずれ影響の縮小・逆転が収益を圧迫したとみられる。
2023年3月期の大幅赤字(△155,378百万円)からの回復基調は維持しているが、ピーク利益水準からの乖離が拡大している点は注視が必要。
成長戦略
原子力再稼働・脱炭素電源強化・財務基盤回復を三位一体で推進
再稼働済みの島根原子力発電所2号機の安定運転を維持し、低炭素・低コスト電源として収益基盤の安定化に貢献させる。2024年3月期の黒字転換の主因であり、継続的な稼働率維持が業績の下支えとなる。
島根原子力発電所3号機の早期稼働により、さらなる低炭素・低コスト電源の確保を目指す。稼働実現により総合エネルギー事業の収益力が大幅に向上する見込みで、中長期の業績回復の主要ドライバーと位置付けられる。
老朽化した柳井発電所2号系列のリプレースにより、火力電源の効率化・信頼性向上を図る。将来の電源ポートフォリオ強化と供給安定性の確保を目的とした中長期投資。
水素・アンモニアの実装準備やCCUS活用検討など、将来の環境規制強化に備えた脱炭素化電源への先行投資を実施。カーボンプライシング導入局面での競争優位確立を目指す。
データセンター・半導体工場等の新増設需要に対応するため、送配電設備への積極的な設備投資(有形固定資産及び無形固定資産の増加額100,551百万円)を継続。再生可能エネルギー導入拡大に伴う系統接続需要の増加にも対応する。
最終更新: 2026年7月19日

